いま読んでる「日本は世界で第何位?」という本(岡崎大五作、新潮社出版)からの話ですが…作者岡崎氏がインドに旅して、地元の方に小銭を渡したらちょこっとのハプニングを起こした。それについて、岡崎氏がこう書いた:
…ガイドブックには、みだりに物や金をあげないほうがいいと書いてあった。
だけど、ぼくはいまだにわりと、小銭を渡すほうである。
なぜならば、渡さないほうが、自然ではない気がするからだ。もちろん一人に金を渡せば、ほかの連中も群がってくる。でもぼくは、気に入った人にだけあげることにしている。気に入らない人には渡さない。
「貧しい人全員に金を渡すほどの財力などないだろう?たった一人の人間が世界を救えるわけもない。だから、だれか一人に金をあげれば、不公平が生じるではないか!」
と、金を渡さない人は理屈をこねる。
でも人間、理屈だけで行動しているわけではないのだ。あげたくなったらあげる。あげたくなかったらあげない。そうシンプルに考えてもいいではないか。
「日本は世界で第何位?」の第4章「貧しさが生む肥満、豊かな国の食糧難」より
発展途上国じゃなく、先進国であるカナダでは、町中で物乞いやホームレスに「小銭下さい」と言われるなんて、稀な事でもない。切ない現実やけど。
この作者と同じく、助けを求め、差し出されたその手に、助けるか助けないかと、以前に私は悩んだことがある。でも、「酷い」や「冷たい」と言われてもあっさりと「NO」という今の自分です。
なぜなら…
- 助けを求めようというのに、「横暴」までは言えへんけど、他人に迷惑をかけ、不快な気持ちをさせるほど物乞いするという行動
- 助けてもらえるのは当たり前だという思い込み
- 物乞いを装って、人を騙すという犯罪
こういったものをおかしいほど沢山見てきたんや。特に「人を騙す」というのをホンマに許せへんと思う。偶然なことやけど、もう2ヶ月前のことかな、「人を騙す」というヤツに遭遇した。
スーパーで買い物して駐車場に行った時、一人の男性が私に近付いてきた。
「お金をくれ」という臭いがプンプンしとた人やった。
ま、マンネリの展開やけど、自分がトラックの運転手で、トラックが何かの事情で押収されたという…トラックを取り戻すために二百ウンジュウドル(約2万円)が必要やけど、あと二十ウンドル(約2千円)が足りひん…ちょっと助けてくれないか、という言い訳をしながら自分の携帯を見せたり、怪しい者でないことを猛アピールしてた。
こんな芝居、こんな嘘で、誰を騙そうとしとんねん。
「No」って言うた私に、彼は「なんとかしてくれないか?僕はいますぐそこのホテルに泊まってんだ。頼むわ」と偉そうな口調で一層しつこく粘ってた。
他人にあんな不快感をさせるヤツって、正直にぶっ飛ばしたいと思ってしまった自分のことも嫌ってきた。とにかく、ヤツを後にした。
そして…先週、cbcラジオのニュースで…
「警察の呼び掛けです。市警の報告によると、この数週間、ノースゲート周辺で詐欺が多発しています。『押収されたトラックが取り戻そうと図っているが、金銭的に困難しているので少しでも協力してくれないか』という手口で通行人に声を掛ける男性がいるという。この男性は、元の職人だったのですが、リストラされてから詐欺をし始めた。情報によれば、この手口で何千ドル(何十万円)も得たという…」
どうやら、私以外にも、ヤツが沢山の人を騙そうとしてきた。
残念ながら、証拠が足りないようで、現犯行逮捕に至らなかった。
岡崎氏の話と違って、逆の立場からの話やけど、詐欺師が一人からお金をもらえれば、他の人からももらおうとする。一人を騙せれば沢山の人に攻めて騙していく。
許せへん。
人の「良心」を弱点として、人を騙す人、人を犯す人…こういう人がいるからこそ、人間不信ということになる。ホンマに助けるべきという人を助けられなくなる…なんて切ない現実や。
本館ミスターバナナの食記にも遊びにおいでな
色々なところで物乞い、金乞いしてる人たちのイメージは私にもとっても酷く悪い。私にとっては、エドモントンで生活がしにくい問題のひとつです。
私もこのニュース、ラジオで聞いていました。
ひどいやつもいるもんんだと。バナナ氏もターゲットでしたか!!
ふんだくられなくて、良かったです。