マレーシア競馬にチャレンジ②

驚いたことに、マレーシアでは調教師が馬券を買えます。
マレーシアの競馬とは、飽くまでギャンブルがその主目的であること。
馬産が目的ではないので、競走馬はその殆どがオーストラリアなどからの輸入。
賞金が非常に低く、それだけでは馬主も調教師も経営が成り立たない。
これらが理由だそうです。
香港競馬もそうでしたっけ？　
（確か安田記念で愛馬を出走させた香港の調教師が、馬券で大儲けした話は有名ですね）


この日、Danis師が引き連れてきた一行は、師夫人、息子の他に、古くからの友人が数人いましたが、師はレースごとに自分の予想を伝えていました。
私にもレースごとに２、３頭の推薦馬を教えてくれます。
しかし、これがあまり当てにならないところは、まあ何処も同じ秋の夕暮れですな。(笑）

ペ：師の厩舎は何頭出走するのですか？
師：今日は３頭です。
ペ：お薦めは？
師：え～とネ・・・。

ということで、一覧にしますと：
（左からレース番号・馬番・師の評価/新聞評価・師コメント）

第３R　　⑤番　　△/△　切れる脚がないので好きな馬じゃない（オイオイ・・・）　
第５R　　⑧番　　▲/△　人気はないが面白いかも
第７R　　⑦番　　△/－　特にコメントなし（ダメそう）

このほかに安藤くんが第８Rに騎乗するので、私はこの４つのレースに注目することにしました。

***********************

さて、第３Rの各馬が出てきます。
師の推奨馬は⑥番。
私は⑥番から師厩舎の⑤番を相手の馬連と、⑤番の単を買いました。
結果は２頭とも着外・・・。

ここまで師のお薦めは、かすりもしません。
M氏と私は一行の陣取るテーブルから離れて観覧席に移動しました。
社交を中断して競馬に集中するためです。

自慢じゃありませんが、私はこれまで海外競馬は負け知らずです。
香港で３戦３勝。
アメリカ２戦２勝。
オーストラリア１戦１勝。
ベネズエラ１戦１勝。
まあ、いずれも大儲けしたって程ではありませんが、その後の宴会費用とかお土産代くらいは稼いでいるはず。
なまじ先入観がない分、パドックと返し馬で良いなと思った馬から買うのが好結果に繋がっているのでしょうか。
ぬほほほほ・・・。←なんだ、自慢じゃねえかよ

***************************

閑話休題。
第５Rに師の▲馬⑧番が出走してきます。
ここ５戦、掲示板は外してません。
前々走で２着したので、前走は人気になったものの５着。
ここは人気を落としているので狙い目ではあります。
パドックと返し馬をじっくり見ましたが、ちょっとイレコミ気味なのと頭の高い走りをするのが気になります。

私の注目は①番。
２番人気でしたが素晴らしく良く見えるので、私はこれの単勝と、ここから師の馬も入れて馬連４点流しで勝負しました。

スタ～ト～！
①番は外２番手を先行。折り合いもついているようです。
⑧番は内の４、５番手。揉まれています。
そのままの態勢で直線へ。
これが府中並みの５５０ｍ。
しかも仕舞いの２ハロンは上り勾配。
南国なので伸びた芝でクッションが効いていますが、前夜来のスコールで馬場はやや重。
まず逃げ馬は残りません。

①番が残り１ハロンで抜け出した！かと見えましたが、その内から師の⑧番が凄い脚で一気に先頭へ。
そのまま差を広げて１着でゴールイン。
①番は末を失って４着ですた・・・。

後ろのテーブル席は怒号と歓声が入り混じり、たいへんなことになっています。

⑧番を買っていないバツの悪さを感じながら、師夫人に『おめでとう』と声を掛けたところ、「さあ、口取りよ！　急いで！」と腕を引かれてエレベーターへ駆け足です。
狭いエレベーターに一行ギュウ詰めで降りていく間も、皆さんエキサイトしてたいへんな盛り上がり。

ウィナーズサークルへ向かうと、満面笑みを湛えた師と握手してハグ。
馬を真ん中に、なぜか私も師の横で口取り写真に納まってしまいました。（いいのか？おい）
後で気がついたのですが、この中に馬主さんの姿が見当たりませんでしたね。
ま、私が代理っつうことで許してもらいましょう。
でも、来週のレーシングブックにこの写真が載ったら、ど～すんのかな。（ま、誰も気にしないよね）

**************************

⑧番の単勝は１２倍でした。
師の友人が震える手で馬券を数えているので、

ペ：いくら賭けたの？
友：俺はRM５００。　あいつはRM１０００。（RM１＝￥３２）
ペ：へ～。すごいねぇ。
友：キミはいくら賭けたんだ？
ペ：あは。ヒミツだよ。（買ってないとは言えませんわなぁ）

後で師から、「自分はRM８０００買った」と聞きました。
え～と・・・。げっ、３００万円の配当かあ。

１着賞金がRM１５０００。
調教師の進上金が１０％のRM１５００。（４８０００円）
まあ物価が違いますが日本の地方競馬並みですね。
でも、どうやらこちらの関係者は賞金を当てにしてはいないようです。
『競馬＝ギャンブル』
調教師だって馬券で勝負する、まあ表向きクリアカットではありますな。

師：前走５着だったときは、RM１２０００賭けていたので悔しかった。
　　 今回はその雪辱を果たすための勝負だったんだ。勝てて嬉しいよ。
ペ：おめでとう。（早く言えよな）

(to be continued.)