食に関する違いのようなもの

たまに周囲から「大飯喰らい」とかなんとか言われています。

しかし、本人はそうだということを考えたことがありません。至っ
て普通だと思っていましたし、今でもそう思っています。

そういうギャップが生じることはままあることだ、と思ってはいる
のですが、「何故」そのギャップが生じるのか。何度も言いますが、
基本的にはさほど変わりません（普通の人より１．５倍は食べられ
る、といったのは１０代だけの話です。）

ところで東京に出てきて「食」に関し、とても大きな違和感を感じ
たことがあります。


それは「ご飯（主食）」の量。


今までの自分の生活でのご飯というものは文字通り「主食」であっ
て、おかずは「副食」だったわけです。従って、食卓の風景という
のはご飯（と汁物）があくまでメイン。
おかずは確かにあるけど全体から見ると少し小さくなっていたり、
徒党を組んで（いくつか皿が並んで）ようやく主食と並ぶことが出
来るようなもの、といえます。

しかし。
東京に出てきて暫くしてからのこと。
ある知人に（なぜかは忘れましたが）「夕飯を食べに来ないか」と
いう誘いを受けました。
二つ返事でやってきた知人宅。
親御さんに「ゆっくり食べていってね」と食卓に案内いただき、席
につきました。


驚きました。


「主食」が不在であることに。


正確には「ご飯」はいますが、普段食べている茶碗よりふた周りほ
ど小さな茶碗八分目ほどに盛られているだけ。自分は普通の茶碗よ
り一回り大きいお茶漬け茶碗なのですが、それを差し引いても「ナ
ニコレ？」というのがアタマに浮かんだ言葉、でした。
要するに「ご飯」は「主食」の座を滑り落ち、食卓を彩る他の「お
かず」と同列だった、ということなのです。


こういうのはアリなんですか？


マ目の前に広がる風景をウソつき呼ばわりする道理もないですし、
食べ始めました。

が、とにかくやりにくい。
ナニがというと、ご飯メインで食べてきた自分にとって、おかずが
これだけあるとなるとご飯もそれにひきずられてそれだけ食べる必
要性を感じざるをえないということに。

いままでおかず１に対してご飯３を食べていて双方の合計が１００
でお腹いっぱい、になるように食べていたのに、そのおかずが３倍
になったとしたら、ご飯を３分の１に減らすことは不可能、という
こと。

不本意ながらおかずを残しました。ご飯は茶碗が小さいこともあっ
て何度か「おかわり」しました。先方の親御さんはその「おかわり」
の多さに目を丸くしていたものですが、自分の感覚でいえば「おか
ず多すぎ！！ご飯が間に合わない！！！」ということだけだったの
ですね。


これが例外かと思いましたら、程度の差はあれ、傾向として「主食」
・「副食」の垣根はとても低くなっているように感じます。

外食のときはほぼ必ず「大盛り」にするのも同じようなことで、別
に「大飯喰らい」というわけではなく、「そのおかずの量ではご飯
が足りない」ことが分かっているからということが主な理由。とは
いえ、「おかずを減らしてください」というのも「モッタイナイ」
話なので「少しぐらいお腹いっぱいになっても・・・」という意図。

そういう意味では日本の食生活は「豊かでバラエティに富んでいる」
んでしょう。

でも、いつもそういう「豊かでバラエティに富んだ」食生活では飽
きてしまわないかな、とも。

結局自分の思考は「主食」と「副食」が分かれてしまっているんで
しょうかね。