憲法9条の会つくばブログ

「憲法9条の会つくば」の日常活動を紹介します。

ピースツアー─丸木美術館と春の川越蔵の町めぐり

2014-03-31 13:16:46 | 日記
3回目となる9条つくばのピースツアー、
今年は「丸木美術館と春の川越蔵の町めぐり」を開催しました。
参加者はバス満杯の23名、子どもさんも二人ご参加頂きました。

桜の花も満開になろうかという3月30日(日)は、
残念ながら小雨が降り注ぐあいにくのお天気となりましたが…
それでも土手をおおう菜の花や、川沿いに大きく枝を垂らす桜並木をバスから眺めつつ
川越クイズに、ビンゴゲーム、春の歌と「フランシーヌの場合は」を歌うにぎやかな車中となりました。

川越は情緒あふれる小江戸と呼ばれる蔵造りの町並みで知られ、
「残したい日本の音風景百選」にも選ばれています。

お菓子横丁ではお団子にたい焼き、手焼きのお煎餅、

 

蔵の街並みでは、時の鐘を眺めてお買いもの三昧の楽しいひと時となりました。

 

お昼を古民家レストランで頂いた後は、東松山市の丸木美術館へ。



人間が人間に対して行った暴力を描いた画家として知られている、丸木位里・丸木俊夫婦による「原爆の図」連作ほか共同制作、
位里の母・丸木スマの絵画を常設展示しています。
特に第二次世界大戦末期に原子爆弾が投下された広島市の惨状を実体験の元に描いた「原爆の図」は、
日本をはじめ、世界各地で巡回展示され、世界中の人々に原爆の恐ろしさを伝えました。




今ツアーでは、学芸員の岡村さんにご案内頂き、作品の解説をして頂きました。

全15部作となる「原爆の図」、
15部作目の「長崎」(長崎原爆資料館所蔵)以外の作品が常設され、見ることができます。
原爆投下、3日目から故郷広島を訪れたという位里さん、
1週間後には俊さんも駆けつけ、二人で救援活動を手伝ったといいます。
その時の体験を元に、自身の姿も描いた第8部「救出」(1954年)



炎の中にうずくまる人々と懸命に助け出す人々の画面がつながり、
当時の助ける人たちの思い、燃え続ける町のどうにもならない悲惨さが生々しく伝わってきました。

「原爆の図」は三部作まで完成した時点で、全国各地で巡回展が行われました。
1952年の巡回展を、今ツアー参加者のHさんは新潟県長岡で、小学校6年生の時見ていました。
子ども心に赤と黒のコントラストと迫力だけが印象に残った、というHさん、
ただただ涙が溢れたという子どもの頃の記憶と重ねながら、
62年ぶりに作品と再会され、感動に包まれました。

迫力の作品群に圧倒された後は、丸木夫妻のアトリエへ。
位里さんの故郷、広島太田川上流の景色に似ているという理由で居を構えたアトリエからの眺めは、
咲き始めた桜と小川が穏やかで静かな日本の原風景のよう、お二人が愛した理由もわかります。

 



折しも本日3月31日の東京新聞1面に丸木美術館についての記事が掲載されました。
「南京の絵がある美術館に行くのは偏向教育だ」という保護者の意見が出されている…
ここ数年、丸木美術館を訪れる学校が激減しているといいます。
「はだしのゲン」の学校図書撤去のニュースとも重なり
日本の平和教育が危機的状況にあることを実感しました。

クリックしてご覧ください。

 

憲法を変えずに戦争の道へ─秘密保護法と集団的自衛権・清水雅彦さん講演会

2014-03-26 14:09:57 | 日記
9条つくば他、30近い団体が協賛した「さよなら原発 つくばアクション&パレード」主催の講演会、
「憲法を変えずに戦争の道へ─秘密保護法と集団的自衛権」が
3月23日(日)日本体育大学・憲法学准教授、清水雅彦先生をお迎えして行われました。
以下、講演内容の抜粋を紹介します。



3月20日日比谷野外音楽堂で行なわれた
「憲法を破壊する集団的自衛権行使反対! 戦争をさせない1000人委員会出発集会」
事務局を務める清水先生から、悪天候にも関わらず会場から溢れ出る約4000人もの人々が集まり
熱気あふれる集会となったことを話されました。
戦争への道を阻止し、平和な世界を未来に伝えるために力を合わせたい、という思いが広がっています。
戦争をさせない1000人委員会

繰り返し出されてきた「秘密保護法」
1970年代からキャンペーンされてきた「スパイ防止法」は、
80年代中曽根政権下で「国家秘密法案」として国会に提出されました。
その法案は85年に廃案になり、修正案を出そうと自民党が決定する中、
マスコミ・国民の反対の声が大きくなり、
結局は国会に提出すらできない、というかたちで法案は封じ込められました。

90年代以降、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争とアメリカ主導の軍事活動が広がる中、
自衛隊は徐々に海外へ活動の場を広げ、日米の共同軍事活動が常態化するようにもなっています。
2001年、9.11のどさくさに紛れて「自衛隊法」を部分改正したことの意味は大きかったといえます。
この改正で、96条の2に防衛秘密を守ると新しい規定、
防衛秘密に限定して秘密保護漏えいを対象にした罰則規定などが盛り込まれています。
広範で曖昧な秘密指定、自由な表現活動を侵害する危険性など、様々な問題点が指摘される中、
かつての「国家秘密法案」の部分的実現(外交秘密は対象にならず)がなされたかたちです。

その後、2007年の秘密軍事情報の保護のための秘密保持措置に関する日本政府とアメリカとの間の協定(GSOMIA・ジーソミア)で
日本に対して、アメリカと同等の秘密軍事情報の保護措置をとる、
アメリカの軍事情報に比べると罰則規定が軽い、もっと厳罰化してほしい
ということと
秘密に接触する自衛官などに対して秘密を取り扱うのにふさわしいかの資格審査(セキュリティークリアランス)を導入せよ
との要求がありました。
これが今回の秘密保護法の適正評価制度になっています。
今回の秘密保護法は、GSOMIAのアメリカ軍事サイドから「強力な秘密保護法を作るべきだ」
との要請を受けて動き始めたという側面があります。

2010年に尖閣ビデオの流失があり、そのことを理由に12月、民主党政権下で「政府における秘密保全に関する検討委員会」が発足します。
2011年1月からは「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」が6回にわたり開催され、
実際の会議には委員・事務局以外に警察庁がかなりの部分で関与していることが伺われたとのこと。
その議論内容の開示を名古屋のNPO法人情報公開市民センターが内閣情報調査室に請求をしましたが、
「国民の間に未成熟な情報に基づく混乱を不当に生じさせる恐れがある」との理由で不開示。
名古屋地裁に不開示取り消し提訴を行っていますが、
国民に知られないように、着々と法案成立を準備していたことがわかります。

特定秘密保護法の成立
その背景には何があるのか、
まず口実となったのは尖閣諸島沖中国漁船衝突事件の際のビデオ流出事件、
しかし、このビデオは実質的に特定秘密には当たらないもので、元海上保安官は起訴猶予になっています。
実際の背景には、従来からの日米支配層の要求で秘密保護体制の強化が求められたこと、
「戦争をする国」へ軍事と治安の融合化が目指されていること、などが考えられ、
警察の銃器対策部隊は自衛隊との合同訓練「治安出動にかかわる自衛隊と警察との共同対処訓練」を行ない
軍隊の警察化と警察の軍隊化が進められています。

なぜ成立が阻止できなかったのかについては、マスメディアの報道の遅さ、足並みの乱れをあげ
2012年からなされていた法案反対の活動がまったく報道されていなかったことなどを指摘しました。
今後は、廃止を目指すのはもちろん、適用阻止、チェック体制を確立することの重要性が話されました。



自民党の集団的自衛権行使解禁論
連日の報道にもある「集団的自衛権を認める解釈改憲」については、
安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)の報告が4月頃と考えられ、
「必要最小限の自衛措置」に集団的自衛権を含めるという解釈が予想されています。
これは憲法9条2項を否定するものです。
内閣法制局長が集団的自衛権容認派であることが取りざたされていますが、
局長だけを変えればいいというものではなく、法制局全体からの反発もあると予想されるとのこと。
解釈改憲後に必要となる法整備が「国家安全保障基本法案」、
10条で「我が国、あるいは我が国と密接な関係になる他国に対する、外部からの武力攻撃が発生した事態」に「我が国が自衛権を行使」を明記していて
従来の自民党政権でも許されなかった集団的自衛権行使の全面解禁となるものです。
当初、議員立法で出す予定が、参議院選挙の後で安倍首相が政府提出法案として出すと言い始めています。
最近の報道によると国家安全保障基本法を見送る可能性が大です。
国家安全保障基本法は見送って、既存の自衛隊法などを改正して集団的自衛権行使を可能にしようと。
自衛隊法改正は臨時国会以降、予想される動きですが、情勢によってどうなるかわかりません

真の「積極的平和主義」を目指して
日本国憲法の平和主義では「憲法前文」が非常に重要です。
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」
とあり、前文平和主義は、国内外の社会構造に根ざす貧困、飢餓、抑圧、差別などをなくすという意味で、「積極的平和主義」に当たるといえます。
安倍晋三首相がしきりに口にする「積極的平和主義」は、前文平和主義とは別次元のもので、
軍事力を使って行動を起こすことが「積極的平和主義」であるとの主張は、
平和学で言われている平和主義とは明らかに違います。
アメリカの戦争に協力しない、というだけでなく、
世界の貧困問題をなくすことがテロをなくすことになる、という観点を持って
構造的暴力を解消していくために、日本は力を尽くすべきだと思います。

政治は国会内の力関係だけで決まるものではありません。
議席だけであきらめることなく、どうやって世論を作っていくかが大事です。
集団的自衛権行使の解禁を許さない!1000人委員会のようなものを地域で作っていくなど
いろいろなかたちで抗していきたいと思います。



東京新聞3/25に記事が掲載されました。
クリックしてご覧ください。




ニュース「結」56号発行

2014-03-18 20:33:28 | 日記
9条つくばのニュース「結」56号が発行されました。


全文は下記HPからご覧頂けます。
http://peace.arrow.jp/tsukuba2/

ここで、9条つくば共同代表Mさんに執筆頂いた「9条の視点から」
安部政権の暴走に警鐘を鳴らす会の主張を掲載致します。

安倍首相のちゃぶ台返し──そんなに戦車にのりたいですか

「戦車にのってブラック国家がやってくる」
ある本のコピーです。
若者を使い捨てるブラック企業と安倍首相がつくりたい国の共通性を言っています。
ヘルメット・迷彩服に身を固め戦車の操縦席から手をふる幼稚っぽい安倍さんの写真つきで。
(坂本修『アベノ改憲の真実―平和と人権、暮らしを襲う濁流』本の泉社2013.10
:戦車搭乗は昨年4月幕張メッセのイベントで)



これまで政府は、一貫して「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」としてきました。
ところが先月12日の衆議院予算委員会で、安倍さんは
“集団的自衛権の検討のために設けた安保法制懇が、これまでの内閣法制局の議論の積み上げだけをするなら懇談会を作る必要はない。出てきた結論について責任をもつのは自分だ、その上で選挙で審判を受ける”
と答弁しました。
いままでの政府見解をひっくり返して集団的自衛権の行使に踏み込むつもりであることを公言したことになります。
本当に憲法解釈で、集団的自衛権の行使に道を開こうというのでしょうか?

国連憲章は、国際紛争の平和的手段による解決(第1条3項)をうたい、武力による威嚇と武力の行使を禁止しています(同4項)。
日本国憲法も同じです。
国連は、この憲章にたって「集団安全保障」を行う機構といえます。
国連参加国(意見の対立がある国々=敵も味方も)が集団的体制をつくり、そのなかで相互が協力して侵略を防ぎ平和を守ることを目的にしています。
安倍さんの目指している「集団的自衛権」は、これとは全然ちがいます。
同盟国(すなわちアメリカ)への武力攻撃を日本への攻撃とみなして武力で反撃するというものです。
これを容認すると、アメリカが海外で行なう戦争で、日本も武力を行使できることになります。
国連憲章第51条に「個別的又は集団的自衛の権利」がありますが、憲章の精神からいうと臨時的・例外的措置です。

「集団的自衛権」は、アメリカから求められてきました。
2000年10月アーミテージ報告「米国と日本:成熟したパートナーシップに向けて」は、
“日本が集団的自衛権を禁止していることは同盟国間の協力の制約だ。これを取り払えばより密接で効果的な安全保障協力が可能となろう”
と述べています。
2001年9.11事件を受けイラク戦争に踏み込む前年2002年9月の「国家安全保障戦略(ブッシュドクトリン)」は、
“敵の脅威が大きければ、必要なら先制攻撃を行う”
と述べています。
そして、「日本に対しては、米国と共通の利害と価値、および両国間の緊密な防衛・外交協力に基づき、地域と地球規模の問題に指導的役割を果たすことを期待する」と、たいへん干渉がましく迷惑なことを言っています。
こうして、架空の脅威であったイラクを「先制」攻撃し、日本の自衛隊をイラクに派兵させました。
集団的自衛権行使の悲劇はベトナム戦争での韓国にもみられ、アメリカと軍事同盟を結んでいたため32万人の兵士を派兵し、韓国にはなんの危害も加えていない多くのベトナム人を殺し、自国の兵士も5000人以上死なせました。

安倍さんの行動は、昨年6月の当会の講演会で小森陽一さんが戦後の歴代日本首相を例えて言われた、アメリカに忠実な「ポチ」そのものです。
集団的自衛権を行使したいなら憲法を改正してからにすべきだという批判は、自民党内からさえ起こっています。
それを正面から国民に問うことを避け、「憲法解釈変更」で国民をだまし討ちにする、長年内閣が積み上げ定着している見解をちゃぶ台返しでメチャクチャにする。
このような人が国の政治を担うのにふさわしいのでしょうか。(憲法9条の会つくば・共同代表:M)



3.11「さよなら原発」「いらない秘密保護法」昼休みパレードinつくば

2014-03-12 19:51:25 | 日記
春とは思えない冷たい北風と晴れ渡った空のもと
「3.11さよなら原発!いらない秘密保護法!昼休みパレードinつくば」が、
30近い団体の協賛を頂き、130名の参加を得て、つくばセンター広場で行なわれました。



ヒューマンファーマーズSさんと、9条つくばSさんの歌が流れる中参加者が集結、
実行委員長で9条つくばの代表でもあるHさんからの挨拶は、
「3月は本来なら春を待つ心楽しい季節のはずですが、
この国の3月は辛い記憶が重なる季節です」
という言葉から始まりました。

69年前の3月10日、一晩で10万人の市民がなくなった東京大空襲、
3年前の東日本大震災では亡くなった方と現在も行方不明の方を合わせて18,000人を越えています。
東京新聞の1面には「原発関連死1000人超す」の見出し。
福島の事故は3年たっても未だに事故原因さえ明らかにされず
安部政権は「原発をベースロード電源にする」など意味不明な言葉でごまかしながら
再稼働への道を急速に開こうとしています。
「戦争はうそと秘密から始まる」
私たちは秘密保護法が昨年12月6日に採決されたことを忘れずに
集団的自衛権の行使に反対し、反対の世論と共同行動のネットワークを広げていこう、
と訴えました。

1分間の黙とうをささげた後、
参加者、市民団体から原発について、秘密保護法について
熱いリレートークが続き(9条つくばを代表してTさんのアピールありました)
「東海第二原発を廃炉に」「自然エネルギーへの転換を」「秘密保護法は廃止しろ」
などのシュプレヒコールと共に元気にパレードを行ないました。



当日は朝日新聞、東京新聞、常陽新聞、赤旗新聞から取材がありました。
東京新聞の記事をご紹介します。