四国を横断東進した台風14号が
17~18日にもたらした雨で、
名古瀬谷の水量が多いのは間違いなかった。
19日
とにかく現地へ、
名古瀬の入渓点で谷の状況を確認して判断することにした。
この渡渉点が渡れるか否か
名古瀬の各谷の遡行時の目安にしている。
水位は+50cmほど、
水の勢いも強かったが
渡渉できたので谷へ入ろう。
明日にかけて天候に不安はないし
水はまちがいなく減少傾向だ。
渡渉点先の滝と釜
ハト谷出合を過ぎてからも
ロープやお助け紐を繰り出して慎重に。
15m斜瀑、
滝から吹きつける
水をたっぷり含んだ風が冷たい。
3時間ほどかけておだま谷出合に着く。
遡行難度が上がったらこんなものだ。
極印木谷の名物、洞窟ゴルジュ(8直+10mトイ状滝)は
取り付く島はなかった。
3.5時間で極印木谷二俣、
左岸に炭焼き跡を見つけた。
今夜の泊地に。
20日
水量はまだ多いながらも
昨日より下がった。
空は青く、爽快な二日目の遡行を期待した。
階段状の三連滝
両岸が開けて開放的だから
わくわくな滝登攀になる。
切れ間なく滝がつながり
垂直の遡行が続く。
おのずと快調に高度を獲得してゆく。
振りかえると大森山に目線が合わさってくる。
太陽にむかって南向きに遡行するから
逆光に映える滝の表情。
詰んでいた等高線はH=1300mでゆるみ、
渓相は穏やかな源流域のそれに一変する。
水が涸れると、
土小屋はもう近かった。
今日は5時間の遡行だった。
二俣までは水平遡行、
左俣からは垂直遡行。
メリハリのある沢登りができる極印木谷左俣は
名古瀬谷のなかでも秀でた谷といってよいだろう。
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