これまで毎年の坂瀬川遡行は
中間部のナメ帯から堂ヶ森とか、
下の取水口から二俣までとか、
細切れの沢登りをやって来た。
今年は下から上まで全部を通しで、
しかもワンデイで遡行しようと計画した。
もちろん下部のゴルジュ帯は大方を泳いで
上部の大滝群もいけるのは攀じって
いわゆる「完登」を目標にしてみた。
前日から坂瀬川に入り、
川のそばで幕営して
翌日に備えた。
22日06:30
取水口(H=690m)から入渓。
すぐさまゴルジュが待っている。
上から見下ろすゴルジュ
直角に屈曲している。
ゴーロとゴルジュが連続する。
しかし今夏の少雨の所為で
淵の水量は悲しいくらい少なくて、
水流も緩~い。
昨年遡行時は水量が多く流れも速くて、
淵の突破で泳ぎに苦労した。
判りにくいが昨年と画像比較。
時間と体力を消耗することなく
次々淵を泳いでゆく。
コンクリ―ト橋をくぐったら、
「坂瀬の大釜」
あぁ、やっぱり大釜が中釜になっていた・・・
去年はこんなだったが。。。
大釜の先の二条滝を右手から攀じる。
落ち口からの滑らかな曲線
堰堤下の坂瀬ブルー
下部ゴルジュ帯が終わったら、
中部は二俣までナメ河原が続く。
二俣(H=1020m)で坂瀬川は、
左俣 六郎谷
右俣 樽ヶ関谷に分かれる。
もちろん坂瀬川と言えば右俣が本筋。
90度に開いた滝の左を登りたかったが、
苔むしてるし、上からの落石が怖かったし、
何より技術が足らんと思ったので自重諦めた。
坂瀬一の大滝20m
釜から取り付いて、
水際をまっすぐ中段バンドまで、
左上して上段のテラスでピッチを切る。
右岸壁との接線のエントツ状を
上まで攀じ上がる。
左岸側を通過。
これは無理、却下。
三俣(H=1440m)左に取る。
源流域のササを掴み上がると、
堂ヶ森の愛大小屋前(H=1570m)に抜けた。
きっかり16:00だった。
およそ8.5kmの道のり、
坂瀬川を泳いで、へつって、歩いて、攀じって
ゴール出来た。
9時間半よく頑張ったと、達成感あり。
北斜面からは薄い霧を伴って心地よい風が吹き上げていた。
胸いっぱいに吸い込むと、
稜線を越えてくる風はすでに夏のそれじゃなかった。
サラッと乾いた無香の空気が鼻腔を抜けていく。
生々しさに溢れる匂いはもう望めない。
沢でたくさん遊んだこの夏が終わりかけているのが理解できた。
名残り惜しい夏にさようなら。
来るなら早よおいで~、秋。
やっぱり秋も沢へ行くから。
帰路は
梅ヶ市分岐から
六郎峠経由で、
坂瀬の林道に下った。
わたさんの遡行は我々の沢遊びのレベルと違った迫力があるわ
坂瀬川遡行は部分的に拝見させて頂いてましたが一気通貫は凄いですね
私はせいぜい二俣辺りから堂ヶ森の愛大小屋泊りでの周回が精一杯やと思っております
四国には硬派な山ヤや沢ヤが少ないだけにわたさんのブログには脱帽です
お歳は幾つなのか存じ上げませんが息の長い活動を期待しております
エントツ山