
史上最大の災害に遭遇し、公務員の身として勤めた最後の19日間は、スーツではなく、作業衣だった。
私が12年前に退職した時とは天と地ほどの差がある。
当時、もしかしたらこれは私のお葬式かと思われるほどにたくさんのお花や手紙に囲まれ、
賑やかに人々が集まり遅くまで談笑して仕事を終えた。
親戚、姪、義兄、義姉、息子、娘にも手伝いをお願いし、盛大に仕事へのお別れをした。
夫も、私のために挨拶文を考え、とてもいいお礼の挨拶を用意してくれた。
市に統合する前であったから、職場でも盛大な退職パーティーができたのだと思う。
私はそういう大げさな事は好まないので、お断りしたが、時の助役の助言により、やっていただくことに決めた。
その時に言われた言葉、後でいい思い出になると・・。
すでに思い出として蘇って来ている。
退職後には、すぐにパリとロンドンへの旅行も計画しておいた。
娘と息子からは赤い旅行用スーツケースをプレゼントされた。
その後の10年を予測されるようなうれしいプレゼントだった。
ヨーロッパ美術館巡りはそこからスタートしたのである。
それとは逆に、夫の退職前日の今日、明日辞令をもらい、ささやかな花束をいただいて家に帰るという。
ただそれだけで40数年の仕事が終わるのである。
どうしたらいいのだろうと今、考え中である。
昨日は離婚を考えたばかりだが〈笑〉なんとか記念に残る最終日を迎えてあげたいと。
どんな事をしても大災害の記憶が強烈すぎ、数十年過ぎても、それに勝てるものはないようにも思うが・・・。
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