夏から秋の庭が素晴らしい。
広い敷地なので大きな木や背が高く場所を取るお花がとてもゆうゆうと植えられている。
誰でも魅了されるバラはたった1本、しかも原種のこだわりの黄色の一重咲き。
Tさんのお母さんはピンク系のバラを好むらしいが息子の好きなようにして花を楽しませてもらっているご様子。
最近腫瘍の手術をしたらしく、それでも数日で退院、Tさんが冗談に、もう少し1人を楽しもうと思っていたのにと笑いながら話していた。
このTさんは、本当に良い人で礼儀正しく、うちの母も大好きな人である。
いつも気遣ってくれるその姿に「いい人だな〜」とあたたかい心持ちを経験させてくれるTさんである。
小さい時から植物が好きで種屋さんに種を買いに行っていたと本人が話してくれた。
私は、高校生ぐらいからお祭の苗木市で植物を手に入れてはすぐに枯らしてしまうという残酷さを繰り返していた。
Tさんはタネから育てている。
しかも小学生辺りから。
Tさんの庭には見たこともないような植物や日本の雑草に近い植物など絶滅しそうなものを大事にしている。
私からすると稀有なガーデナーであり、彼の庭から様々な発見ができるその庭はとても魅力的である。

北アメリカで栽培されている植物が多く、名前は到底聞いても覚えられない。

先日彼の庭を訪問し、見せたかったという花を見てきた。
我が家から歩いて数分なのに、外に出ない私には遠い距離である。
「セファランサス」和名を「アメリカタニワタリ」という。
とても可愛くきれいで清楚な花だった。
低木でありチョウやミツバチがくる。

その時に、退院したお母様にピンク系でまとめたブーケを持っていった。
Tさんが立派な花瓶に水を入れてくれたけど私のお花たちは短く、グラスにちょうどいい長さだった。
もう少し浅い器がいいなと心配だったが、お母様がちょうどいい器を探し活けてくれたのだと思う。
とても喜んでいたとTさんが話してくれた。
御礼にと山形、鶴岡にある「本長」製の粕漬けをくださった。
山形のお漬物は有名で魅力だったが、買おうとすると高価である。
何度か手に取っては戻した経験がある。w

観るからに美味しそうななら漬け。
閃いた。
お昼は夫に「うなぎ」を所望しようと。
我が家のお昼はおおよそ夫が担当である。
仕事中の夫のそばに行き、小声で囁く。
美味しそうな奈良漬けをいただいたのでうなぎにしないと聞くと即賛成した。
そしてご飯を炊くようにと命じられた。
もしかしたら今日のお昼は麺類を計画していたのかもしれない。
娘が夫の誕生祝いにと送ってくれたうなぎが1人分残っていた。
いつもどおり、私のうなぎは夫の3分の1?もしくは4分の1が私の分である。
大食いではない夫と、さほどうなぎが大好きというほどではない私のこの分配はちょうど良い。
頂いた奈良漬けを付けて出来上がったものを頂く。
美味い!
何だろうこの美味しさ。