どうして今更双眼鏡なの?である。
10数年前に買った5倍の双眼鏡はコンサート等で愛用していた。
最近、従姉妹の娘から送られてくる野鳥の写真に興味をそそられるようになった。
決して鳥が好きなわけではない。
でも自然の中で生きている「野鳥」を自分の目で見つけられたらそれは嬉しいと感じる方であり、写真にもニコッとする方である。
大きな鳥より小さい方がいい。
スズメはメジャーすぎて申し訳ないけど興味の対象とならない。
ツバメも何となく野鳥から遠い気がする。
鳩やカラスやキジも見なくてもいい。
こんなわがままな野鳥愛好家はないだろうからその枠に入れてもらえないことは確かだ。
今までで感動的だったのは雨上がりの日、セキレイの尻尾がツンツンと可愛いかったのを見た時、うちの水飲み場で2羽のシジュウカラが揃って水浴びしてるのを見た時、公園でオオルリの青に出会った時、冬のある日、見たこともない鳥が遊びに来て、それがジョウビタキと後でわかった時。
近所で夢のような変な鳥に出会ったこともある。
あれは錯覚だったのだろうかとずっと疑問を持ち続けている。
それは尻尾がとにかく長く、ビニール紐でもつけられたのかしらと思うほどに、長い尻尾をくゆらせ目前から消えた鳥のことである。
私が変だったのかもしれない。
今も謎のままである。
興味をそそられた私は、コンサート用に使っていた双眼鏡を持って近くの公園に出かけてみた。
鳴き声は聞こえるのに見つけようとしても見つからない。
じっと根気よく木々に集中して見ているとおかしなことになんでも鳥に見えてくる。
鳥の形って何にでも見えるのかとも思った。
正しくは双眼鏡を通しての自分の目が信じられないほどにおかしいのかもしれない。
見つからないので場所を変えた。
川に降りる所があり、その近くに実のなっている木があった。
梢に1羽の野鳥が止まった。
確かに野鳥であり、こっちを見てる気がした。
双眼鏡越しで大きさはスズメより大きかったかそれも確かではない。
名前がわからない初めて見る鳥である。
がそんなことを思っている間もなく、すぐさま飛び立ってしまった。
バードウォッチングは私に合わないと感じた。
花のように動かないものをジッと見ていたほうが性に合っていると思えた。
それなのに、数日後10倍30mm口径の双眼鏡を私は手にしていた。
8倍でもよかったのかもしれない。
それで家から見える遠くの電線にとまるシジュウカラだけを狙ってウォッチングしている。
今のところ何かしらおかしいバードウォッチングである。
オオルリの青が見たい。
コルリも見たい。
キビタキもいい。
ヒタキ類が好きかもしれない。
でも1番はコマドリに出会いたい。
コマドリは「秘密の花園」の世界の憧れである。
双眼鏡なしで自分の目で見てみたい。