
この言葉は、いろいろと複雑な家庭事情の中にいたハルの言葉。
夫と一緒にハルを迎えに行った帰りの車の中での会話である。
きっと「大きくなったら何になりたい?」とか私が聞いたのだと思う。」
「僕は普通が一番いいの」小学4年生にしての人生観だ。
以後私たちに忘れられない言葉を残してくれた。
私は多分こういったと思う。
「普通は素晴らしいよね、普通って簡単そうで一番難しい……」と。
両親の離婚後に、たくさんのうらやましいことに出会ったのだと思う。
「どうしてパパと暮らせないの」という言葉が一番辛かったとハルママが言っていた。
今日は、高校一期選抜合否が決定する日。
夕方、ハルママから「まだハルが帰ってこないんです〜もう胃が痛くなってきました」と。
今日は仕事を休んで合否を心配していたという。
私は、マイナーだなあと思われる返答しかできないでいた。
が、どちらにしても一生懸命頑張っている子なのでどちらでもいいと思っていた。
私立を併願するようにという母親の強い願いをはねのけ、失敗したら二次募集しているところに入るからいいとまでの覚悟でいたハル。
自転車でも通える、近くの普通の高校を選んでいた。
母親からその時も相談された。
ハルの言う通りでいいと思うと私は答えた。
小さい頃からのハルを知っていたから、どこかでハルを全面信頼していたのかもしれない。
それと失敗は早い頃にした方がいいとも思っていたのかもしれない。
自分のこととなると全く余裕なしのマイナー思考なのに相談されるとポジティブに答える習慣が身についている。
これも職業病とa green hand のせいなのだ。
「受かって無かったら電話もメールもいらないからね。」と言って電話を切る。
私らしい臆病さが見え隠れしていた。
30分が過ぎると「受かりました〜」と緊張が長く続いたのだろう、嬉し泣きのハルママ。
それにしても私って冷静すぎるのでは?
早速息子にラインで朗報を伝えた。
「本当に?!よかった〜」と返信があった。