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a green hand

東京から友がやってくる

誰もが毛嫌いしている福島に、高校の同級生であるKがやってくる。
最近では「疫病神」かと仲間内で言われ始めた。
彼が福島入りしようとすると大雪、地震、津波、放射能とただごとではない。
こんな危険な時期に来ないほうがいいと何度言っても来るという。

新幹線復旧を誰よりも待ち焦がれ、バタバタしていたに違いないのだ。
一人だけ遠い地で安心しているのは心苦しいと・・?
いや、相当の温泉好きなだけだと私はみている。
だったら、東京から近い所の温泉で過ごしたらと助言したが、福島のようにはいかないらしい。
福島に来たときには必ず3泊から4泊、そのうちの半分は温泉に宿泊するのである。
もっとも、Oが大変面倒見のいい姉なので、宿の手配はする、車での送り迎えはするの至れり
尽くせりである。

夕べ、Oから電話があり、Kが来るのでは極力Tも来れるように頑張るというのだ。
Tは30キロ以内、屋内退避圏の避難民として一月近く、姉弟の家を転々とした。

今回の仲間の集合に、家族に悪いからと気遣いを示していたのだが、
ストレスが溜まり始めたか、気が変わったかしたらしい。

Kから我々にメールが届いた。
「いつもこれが最後だと思って楽しく遊ぼう。」Oとは5月か6月になるだろう温泉1泊の
新年会の相談を飲みながらしましょうとある。

大体は飲みながらの相談にはならないと思っている。

4日ぐらい、放射線にガンガン当たっても日常の我々とは比べにならない。
なんなら、24時間戸外で・・。
なんと冷たい福島県民だろうとひねくれてしまっている。
一応、Kを心配し、こんな時に来ないようにと言ってあげていたのに。(ブツブツ)

Kの息子も娘たちも、お父さんが大丈夫というのは大丈夫だと信じているらしく
福島に行くと言っても特に反対もされないという。

それでうれしいのかなとちょっと思ってしまった。
でも、ここのところ、環境がすっかり変わってしまい、何か大きな声で笑うこともなくなった。

自称、脳天気な東京の友が来るというのだから思い切りこれが最後と思って、楽しく遊びたいものだ。
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