《ここから見える景色》

赤裸々で幻想的なブログ

読み返してみて・・・

2006-10-28 16:02:48 | 自戒
最近 初めて自分の書いたものを読み返してみた



ありえないくらい稚拙な表現があって

恥ずかしくなったり


自分でもよく思いついたなぁと不思議に思うくらい

いい言葉があって感心してしまったり


全く書いた覚えのないようなことがあって

怖くなってしまったり


様々な発見があって

なかなか面白かった



そんな中で

総合的に考えてみて

「赤裸々で 幻想的」

ってとこは 何とかクリアしていると思う


いろいろ挑戦してきたが

途中で終わっているようなものもある

特に「パクリ創作」は試作段階に過ぎない

そういうものをもう一度再確認して

進めていかなければならない


まぁこのブログが完成という形になることは

僕という存在と同じく 絶対にない


たまに 舵の取り方をわからなくなるこのブログだが

迷ったときは もう一度始まりの場所に戻ってみて

あの場所に立てかけた小さな誓いを思い出して

少しずつでいいから

進んで行ければいいと思う




開いたばかりの白いノートに

書き綴ったページのスタートに

誓ったあの日の思いを思い出し 

また歩いてく


♪本日のここから聞こえる音楽♪

手紙~過去~/ケツメイシ

*上記の四行は この曲のサビの引用です

幼き頃の罪⑥

2006-10-21 15:24:37 | 短小説
気づいたときには

全てが手遅れだった


それは どんな宝を失うより

どんな楽しみを奪われるより

悲しいことだった


彼女を失うことで 確かに得たものがある

でも 当時の僕は それを得たものだと気づけなかったし

気づいていたとしても それが彼女を失うことと

等価なものでは絶対になかった


どうして 失わなければ気づけないんだろう

どうして 僕は何もしなかったんだろう

そんな疑問すら

もう虚しく感じた


お通夜や葬式はあったが

正直 何も覚えていない


ずっと 自分を呪っていた


それ以外には何も考えられなかった

全ての感覚が僕の表面を素通りして

僕の中には何も残らなかった




僕だったら彼女を助けられたはずだ

そんな自惚れた気持ちはなかったけど

何もせず 後悔だけをしている自分がただ情けなかった


そして それを罪として勝手に背負いこもうとし

その重さに目の前は真っ暗になって

僕は前に進めなくなった





眠れない夜をたどって

気が狂いそうになった


眠れば現れる そのあまりにも甘い夢の情景に

現実と夢 もうその区別さえもつかなくなった


そして そこで もがいているうちに

その幻の中で何かを掴みかけた





そう遠くない昔の君へ

そばにいる僕は 今何をしていますか?


いつも笑いながら過ごしてた

夢を語り明かした日々

お互いを見つめ合えたとき


君に背を向けたわけじゃないけど

今はうつむいた君の横顔を 見ているのが辛いよ

そんな悲しい目で僕を見ないで

お願いだから・・・


でも この気持ちだけは どこにも行かないよ

君を感じてる


この風が吹けば

そっと目を閉じながら 君を感じれるから


ガラスの思い出が壊れそうになったとしても

絶え間ない悲しみの渦に飲み込まれてしまっても

涙を抱きしめて眠ろう


目覚めたときに 新しい風が包んでくれるから





そう 結局 僕は歩くしかない


その一歩を踏み出すのに何時間かかろうとも

永遠を手にした彼女とは違って

自分の意思で 動けるのだから

自分の意思で 変われるのだから

自分の意思を 持っているのだから


少しずつ軽くなっていくように感じるあの荷物を背負って

僕は 歩いていく これからも













♪本日のここから聞こえる音楽♪

So Blew/Janne Da Arc

注:上記の小説には、この曲を少し参考にさせて頂いた部分があります。

幼き頃の罪⑤

2006-10-19 23:06:54 | 短小説
Nから話を聞いて

一刻も早く彼女にあってやりたいと思った


優しさのこもった声をかけてあげたいと思った


電話しようかと思った

彼女の家に駆け込もうかとも思った


そばにいてやりたかった

肩を抱いて安心させてやりたかった

これ以上 一人で悩む必要なんてないと

感じさせてやりたかった


励ましてやりたかった

彼女の弱くなった心を


あふれ出す愛おしさで包み込んでやりたかった




でも・・・





そうするには 僕は弱すぎた


ただ使命感に燃えて突っ走るだけでもよかったはずなのに

何も迷う必要などなかったはずなのに



自分に自信がなかった

彼女を変えてやれる自信が


彼女との思い出を6月の雨に流してしまうのが

たまらなく嫌だったのに

今の自分が動くことで

思い出を取り戻すことができる確信がなかった

その確証がほしかった




あまりにも小さかった

生きてきた時間の少なさ故に

その小ささの捨て方を知らず

それを抱えていることに気づけずにすらいた







そして ついに何もできなかった・・・・


結局 Nの警告は無駄になった




無情にも 時間は いつの間にか経っていて

僕は時の渦の中に飲み込まれつつ

その大切な記憶を淡く淡く薄れかけさせていた


そんなとき

突然 僕の元に

いや クラスのみんなの元に

届いたのは 彼女の訃報だった・・・






♪本日のここから聞こえる音楽♪

青いベンチ/サスケ

幼き頃の罪④

2006-10-17 01:41:26 | 短小説
もう既に慣れた彼女を見ない日々


何日学校に来ていないのだろう

わからない

正直 もうどうでもよかった


この澄み切った青い空の下で

乾いた運動場の上を

何も考えず走り回っていたかった


でも

そんなときに

一人の女子が僕の前に現れた


彼女(T)の親友N

僕は Nとも何度か同じクラスになったことがあって

Nとは普通に仲がよかった


たまたま この年は違うクラスだったので

会うのは久しぶりだった


「なぁ、話があるねんけど・・・」

彼女は 少し深刻そうに切り出した

「え?どうしたん?」

何か込み入った話になりそうだった

放課後に僕の教室で ということになった




放課後 僕は教室で待っていた

何故か いつもは気にしないはずの

廊下に飾られた絵が目に入った


そこには 彼女(T)の絵があった

題名 『忘れかけた風景』

前面に稲穂の実る田んぼ

その奥を駆け回る男女数人

そして 一番後ろに少し古い家

つまり 昔の田舎をイメージしたものだった

図工の時間に描かれた彼女の美しい絵は 

他の選び抜かれた素晴らしい絵とともに

廊下に飾られていた


この絵が飾られることが決まったとき

彼女と僕は 一緒に喜んだのを思い出す


彼女は才女だった

芸術・運動・勉強 全てにおいて優れていた


なのに 時折見せる自信なさ気な表情が

たまらなく愛おしかった


何のとりえもない僕が

普通なら彼女に抱く劣等感は

彼女のそんなしぐさで

全て消え失せてしまう


忘れかけていた

大切なものを少し思い出せそうな気がした


でも 過ぎ去った時間

それは とても遠い過去で

いくら目を細めても もうはっきりとは見えてこない気がした



絵を見て そんなことを考えているうちに

例のNが来た


「Tのことやねんけど、あんた、助けてやってくれへん?」

どうして そんなことを・・・

「え?俺に何かできるん?俺が行ったって無駄やろ?」

「無駄ちゃうわ!あの子、まだあんたのこと好きやねんで!!!

 どうせあんたもそうなんやろ?」

「・・・。」

言葉を失った

そうだったのか

僕はまだ彼女に必要とされていたのか


そして

それを意識することで

自分の本当の気持ちにも気づき始めた



はずだった・・・

幼き頃の罪③

2006-10-14 02:47:16 | 短小説
僕がその妙な噂を聞いたのは

いつもと何ら変わらない

晴れた平日だった


「Tな、最近学校来てないらしいで」

そう 彼女が学校に来ていないということを

そのとき初めて知った

「え?どうしたんやろ?」

内心 すごく心配だったけど

できるだけ平然として聞き返した

「さぁ?何か病気みたいな話聞いたけど、あんまりよくわからんわ。

 心配やったら、見舞い行ったれよw」

「何で、俺が?まぁ、そのうち来るって!」

軽く友達に冷やかされつつも

あまり心配する必要はないだろうと思った

彼女の強さは よく知っていたつもりだし

僕が 心配して家に行ったところで何の意味もない

迷惑なだけだ

そう 思った

だいたい彼女が僕を まだ好きなのかどうかもよくわからないし


数日後 さらに妙な話を聞いた

「Tって、拒食症らしいで」

「え?何それ?」

世間知らずだった当時の僕に

そんな言葉の意味などわかるはずもなかった


『拒食症』

食事制限ダイエットが激化した結果

何も食べられなくなってしまうという病気


でも 当時の僕には この説明を聞いたところで

ピンとこなかった

女子が 食事制限してまで

ダイエットしようとする気持ちなど わからず

わかろうともしなかったし

何より 彼女がそんな状態になるなんてことも

信じ難かった



そして また新たな噂を聞いた

「Tって、友達に腕太いなって言われて、
 
 ダイエットしようとして、拒食症なってもたらしいで」

「・・・。」

絶句するしかなかった

信じられるわけがなかった

あんなに強い彼女が

そんな小さなことで傷つくなんて・・・


助けてやりたいと思った

でも 僕には何もできなかった

いや 何もできないと思い込んだ

その得体の知れない病に対し

僕の為す術はないと思った

僕は無力だとしか思えなかった


そうやって

彼女を見なくなったこと以外には

何も変わらない日常を 僕は平静を装って過ごすしかなかった


そんな僕に 神は一度きりのチャンスを与えた




♪本日のここから聞こえる音楽♪

三日月/絢香

幼き頃の罪②

2006-10-11 00:40:05 | 短小説
次の年

クラスが変わって

僕らは 離れ離れになった




あんなに好きだったのに

ずっと見ていたかったはずなのに

たったそれだけのことで

だんだん会わなくなっていった


確かに

周りに騒がれるのは恥ずかしかったから

あまり会わないようにしようかなぁと思ったりもした


でも

僕が彼女を好きな気持ち

その本質は変わらなかったのに


日が経つごとに そういう感情はだんだん薄れてきて

僕の中で占める割合は小さくなっていた




仕方のないことかもしれない


当時は 遊び盛りで

遊ぶことだけを考えるなら 女子と遊ぶよりは

確実に男子と遊ぶ方が楽しかったし





結局 当時の僕の恋愛観なんて

そんなものだった


好き この感情に誤りはないし

本当の気持ち

でも 

恋と呼べるほど 

強い気持ちでもなかったし 執着心もなかった

愛と呼べるほど 

優しい気持ちでもなかったし 自分を捨てることもできなかった


彼女が 他の男子と楽しそうにしゃべっていたって

何も感じなかったし


彼女が もう僕を好きと言ってくれなくても

それは仕方ないだろう

そう 思っていた





そして

だんだん彼女を見かける回数さえ減ってきた


まだ学年が変わったばかりのころは

ほとんど毎日のように一日一回は見かけていた


でも それが三日に一回ほどになり


一週間に一回あるかないかになり


意識しなければ そんなものなんだろうか

たまに 思い返してみて

そんなことを思っていた





ところが・・・




原因は もっと別のところにあった


彼女は学校に来てすらいなかったのだ









♪本日のここから聞こえる音楽♪

会いたかった/AKB48

幼き頃の罪①

2006-10-10 01:16:51 | 短小説
*この物語は事実に基づいたフィクションです。



小学校のとき

僕は とても好きな女の子がいた


幼なじみで 

クラスも よく一緒になって

仲良くなるうちに

できるだけ長い時間彼女と一緒にいたいと

いつの間にか 自然にそう思うようになっていた


ある日 

僕は彼女に

「好きな人おる?」

と聞いてみた

「おるでぇ」

少し顔を赤らめて言う

そんな彼女を見ながら

「誰?誰?教えて!?」

「そんなん嫌やわ。。」

少し凹んだ

でも 僕はしつこかった

「え?何でよ?教えてよ!誰にも言わへんやん。」

「んじゃ、うちの好きな人教えたら、あんたの好きな人教えてくれる?」

少し迷った

でも それより彼女の好きな人を知りたいという気持ちが先んじた

「う・・うん、ええで。」

「えっとなぁ・・・今、うちの隣におる人やねん。。。」

「・・・。え?マジ??」

僕は急激な体温の上昇を感じた

風呂上りのほてりにも似た快感に包まれた

彼女の顔は真っ赤だった


そう

彼女とは両想いだった


今までより余計に意識するようになった


いつの間にか彼女の顔を眺めていて

目が合ってしまうと とても恥ずかしかった


席替えは隣の席になるようにと

いつも祈っていた


たまに 一緒に帰ったりもした


彼女の家に遊びに行ったり

僕の家に彼女を呼んだりもした


バレンタインデーには

手作りのチョコレートをもらって

すごく嬉しかった


周りがマセていたからか 

僕らが付き合っている

なんていう噂が広まったりもした


彼女といた時間は本当に楽しかった

そのまま時間が止まるんじゃないかと本気で思った


でも 現実はそんなもんじゃなかった


難しいことなど何も考えず

ただ無邪気な心から

僕は一つ罪を犯した

友人K④

2006-10-07 01:52:24 | 他人
「昨日 彼氏と別れてん」


偶然とは言え 何というタイミングなんだろう。。。


長続きするのは難しいんじゃないかとは思っていたが

案の定 三ヶ月ほどで彼女の交際は終わった


でも 彼女は未練タラタラで

その日は別れた次の日ということもあって

とても病んでいた




彼女は 思いを吐き出す場所を求め

僕は その掃き溜めと化した


赤裸々に 思いの全てを吐き出す

まるで 動脈から血が噴き出すかのように

激しく 止めどなく


僕は ただのぽっかり空いた穴のようで

何も気の利いたことなど言えず

ずっと話を聞いてやることしかできなかった






彼女がフラれた理由は

その彼氏がホストの店に彼女を作っていることがバレて

彼女と夢 どちらかを選らばなければならなくなったから


店には別れたことにして

そのまま付き合い続けるという選択肢もあったのだろうが

彼は彼女に対して 様々な辛い思いをさせてきたことを自覚していて

ホストを続ける以上は もう続かないと思ったんだろう




それでも

彼女は彼を求めていた


好きで好きで仕方なくて

彼のためなら何でもできて


デートなんかほとんどできなかった

何度か辛い目に逢わされたりしたこともあった

それでも 彼以外は見れなくて


そんな彼女にとって初めての気持ちは

彼女を大きく変えたように僕には思えたし

彼女自身もそう考えているようだった



結果的に 彼女は本当に いい経験をしたんだろうなと思う

相手がどんな人であれ 本気で惚れ

ドラマのような熱い恋をして

普通の人からは絶対に味わえない時間を過ごし

他の人からは絶対に学べない価値観を得た 


彼女自身 今は彼と出会えたことは本当によかったし

彼と別れたことも仕方ないと思っているようだ


僕は何も関わってはいないが

そんな彼女の成長が自分のことのように嬉しい


そんな相手にいつの日か僕も出会えるのだろうか

そう思うと明日をいつもより待ち遠しく思う

このごろである








正直 始めに書こうと思ったのは

彼氏の夢を選んだという選択についてだったが


彼のことを知らな過ぎる僕が

そんなことを論じる資格があるのかどうかわからなかったし

その自信も途中でなくなった


だから 彼女に焦点を当てて

書く方向を修正したのだが

少し悔やまれる点が多い


更新が滞り気味になったこと

これは 何も時間がなかったわけじゃなく

なかなか筆が進まなかったから


彼女の話などについて 詳細が書けなかったこと

どうしても 赤裸々に書いてしまうと

プライバシーに問題が生じてしまうと思ったから


そして 話の終わり方が少し中途半端になってしまったこと

これは僕の未熟さ故で 

もう少し終わりは綺麗な締め方にしようと構想していたにも関わらず

書いていくうちに 修正が効かなくなってしまったから


思わせぶりな続け方に期待して下さった方々

どうも申し訳ございません


これからもより面白い文章が書けるよう邁進して参ります

友人K③

2006-10-02 01:34:33 | 他人
地元に帰ってから少しして

メールが来た


いつもどおり

駅で会おうという話である


そう

僕らは今までにも話をしたいとき

駅で会うことが常だった

理由は僕の家が駅の前で

彼女は通学・通勤に電車を使うから


といっても

それは 既に一年ぶりくらい

僕が浪人している間は 会うのは控えていたし

僕が上京してからは 会えるわけがない


でも

このときのメールは

またそのうちということで終わった


その後は

自動車教習所へ行ったり

地元の奴らとサッカーしたり

家でゲームをしたり

つまり まぁ暇だったわけだが

いつでも会えると思うと

逆に 今日彼女に会おうと言う気になれなかった


いつでもできるから

そう思って結局しないのは よくあること




そうやって

数日が過ぎ

僕が東京に戻る日が近づいてきた


やはり

一度くらい顔は見ておいてやろうかなと思って

メールしてみた


「最近どうよ?そろそろ俺、帰るけど(笑)」



メールが返ってきた

「え?あんたタイミングいいんか悪いんかわからん(笑)

 とりあえず話したいことあるから電話してきて!!」


僕はメールに比べたら

電話の方が数万倍好きだが

電話代がかかるのが嫌だから いつも相手にかけさせる


それでも

このときは僕からかけた


何よりも彼女の話に興味があったし

その月は まだ電話代をそんなに使っていなかったから


結果的に

通話料の面から考えると

これは大きな誤算だった


でも 僕は このときばかりは自分からかけたことを後悔していない


このとき僕が彼女にしてやれることといえば

長い長い電話で 彼女の思いを吐き出させて

楽にしてやることくらいだったから・・・