《ここから見える景色》

赤裸々で幻想的なブログ

友人K②

2006-09-28 22:06:01 | 他人
彼女は 思いのほか嬉しそうだった


確かに彼氏には ご無沙汰だったようだが

電話でもこれほど嬉しいというのが伝わってくるのは

奇妙なほどだった





詳しく話を聞いてみると

その彼氏というのは友達の元彼で

「ホスト」をしているらしい。。。



内心びっくりしたが

それは 僕は声色には出さない

「そうなんや」と話を聞くだけで

否定も肯定もできないでいた



「○君な、将来自分の店持つっていう夢があるねん。
 
 だから、そのためにホストでNo.1になって、金貯めようって頑張っとるねん

 その夢に向かって頑張ってほしいから、別にホストってのは気にならんねん♪」

別に どうしてホストなのか聞いたわけじゃなかったけど

やはり 僕が不思議に思うと思ったんだろう


正味 こんな話を聞いても

ホストと付き合う女の気持ちや

キャバ嬢と付き合う男の気持ちなど全く理解できない

僕は そういう性分だ


一時の関係 偽りの愛情

そういうものをいとも簡単に振り回し

相手のほんの一瞬の安らぎと 引き換えに お金をもらう

そういう職種だと僕は認識している


僕は そういうものを振りまくのは大の苦手で

反対にそういうものをほしいとも思わない

別に存在を否定しはしないけど

僕の世界とは 完全に隔絶したところにあるものだと思う


そして そんな世界の住人と恋愛できるものなのだろうか

日頃は 何十人もの人に対して

いたずらに愛情を振りまいているくせに

こころの奥底にだけ一人の人間を置いておく

そんなことが本当に可能なのだろうか


その世界に身を置く以上 恋愛などする資格はないと思う

実際 ホストは彼女を作ってはいけないことになっているらしいし






でも 彼女の気持ちを理解できないにしても

彼女のその選択に異を唱える理由などどこにもなかったし

僕に彼女の選択の責任など負えるはずもなかったから

ずっと そのまま話を聞いていた







そして

さんざん話した後

彼女は

「お前も早く彼女作れよ!」

女友達から言われなれたこの癪にさわる言葉を残して

電話を切った





所詮は他人の恋愛

考えたって仕方ないから

とりあえず

また地元に帰ったときに会ってゆっくり話せばいい


そう思ったまま

数ヶ月が経った

結婚

2006-09-22 23:11:14 | 自分
先日 従兄の結婚式に出席した


愛し合ってるのがにじみ出ている従兄夫婦と

嬉しそうな従兄側親族

また 嬉しい反面 娘の旅立ちを涙なしでは語れない新婦側親族

 

結婚式に出席することなど 久しくなかったので

その情景は僕にとっては新鮮で

少し考えるきっかけになった



『結婚』

身内の結婚式に出たからといって

それがどんなものなのかわかるはずもない


それでも

いつも数歩先を歩いてきた

従兄の背中を見て育ち

その従兄が結婚するのを目の当たりにして

僕ももうすぐそんな年頃になるんだなぁと

そんな思いが胸をよぎる




今はまだ

彼女を作ることすら気乗りしない状態の僕だけど

結婚願望はある




たとえば

いつも 一番に気にかけてあげられて

どこにいても 信じてあげられて

どんなことがあっても 許してあげられて

少しでもいい 毎日愛情を注いであげられる

そんな人に出会えて

僕が それくらい強くなれてたなら

結婚するのに躊躇する必要なんてないだろう


子供もほしい

三人くらい

食卓がにぎやかになるくらいがちょうどいい


だいたい子育てをしない人生なんて

たぶん充実感の無い

薄っぺらいものにしかならないだろうし


といっても

肝心の相手を思い浮かべることはできない


記憶の中の住人は

何か違う

しっくりこない



やはり

こればっかりは

時の流れに身を任せるしかないようだ 

9/20 お知らせ

2006-09-20 00:21:35 | お知らせ
『友人Kの彼氏』シリーズですが

焦点を友人Kの方に変えたいと思います


それと

次の更新で先に書いておきたいことがあるので


『友人K』はそのあとで書くことにします


勝手ですが ご容赦ください

友人K①

2006-09-14 02:21:58 | 他人
初めて友人Kと出会ったのは

中学時代


僕が彼女とどうして仲良くなったのかは

もうよく覚えていない


とりあえず

馬が合った


サバサバした性格と

ポジティブな振る舞い


互いに小馬鹿にしているような関係で

互いに恋愛対象として見てはいない

だからこそ腹を割って話ができる

そんな男と女の友人関係にありがちな関係

今もそうで これから先もそれは変わらないだろう


中学時代は とりあえずよくしゃべった

たわいない 珍しさのかけらもない会話


高校時代

別々の高校だったので

さすがに会うことは少なくなったが

時折 連絡は取りあっていた

たわいない話題のメール

特に用もないのに続く数時間の電話

そこまで意識はしていなかったが

思い返してみると やはり仲良かったなぁと思う

あくまで 友人として・・・






そんなふうに連絡を取りあいつつも 時間は過ぎていき

やがて 僕が大学に入るため

上京してまもなく

彼女から電話がかかってきた


「彼氏ができてん♪」


それ自体は何も驚くことじゃなかった

彼女はモテる方ではなかったが

彼氏ができないわけじゃなかったから



ただ今までとは少し様子が違った

課題

2006-09-13 20:28:49 | 自分
『親父』のときもそうだったが

シリーズもののような長いものを書くと

話があっちに行ったり

こっちに行ったり・・・

少し伝いたいことに 一貫性をもたせて 

もう少しすっきりした文章を書くように

しなければならないと思う



もう一つ

自分のことを書くのも難しいが

他人のことを書くのは もっと難しい上に 責任が伴う

プライバシーはもちろんのこと

その人物像を正確に伝わるように書けているか

これらのことは自分のことなら

できていなくても自分に降りかかってくるだけの話だが

他人に被害が及ぶことは許されない

もしそうなってしまうくらいなら

僕はこのブログなど続ける資格はないだろう


でも それだけ重荷を感じる他人の話でも

伝えたい人がもう一人いる

書き残したい事実がある


そういうわけで

次も前回よりは短いと思いますが

シリーズ『友人Kの彼氏』を始めようと思います

友人T⑥

2006-09-12 01:47:06 | 他人
そして

今年の春

彼に一年遅れて

僕も大学のため上京することとなった


彼に会う機会が増えるのかなぁと思ったが

そんなに家も近くないので

まだ一回しか会っていない


それが このシリーズを書く数日前の話だ



いろんな話をした



恋愛の話


彼は前の彼女とは別れたらしいが

この理由は話し辛そうだったので聞いていない

そして 新たにまた彼女ができたそうだ

まぁうまくやっているようだ


僕はと言えば

何か彼女願望が薄れてきている状態で

自分からそういう対象として近づこうとすることを久しくしていない

将来は お見合いですまそうかとすら思っている

そう言うと


「もったいねぇ!!」

一人暮らしで 好きなことができるときに

やりたいことをやっておかなきゃ

やりたくてもできないときが来るから

そう彼は言う


確かに同感だ

この大学生活という自由な時間を利用して

やれることはやっておかなければ・・・


でも

恋愛にだけは どうしても妥協できなくて

視界が狭くなっていく


それでもいくら考えたって埒があかないから

この問題は もう時間に任せることにしている



将来の話


彼は とりあえず就職は何でもいいという

普通に稼ぎがあって 家族を養えて

貯金もできるような水準ならば・・・

そして 中年くらいになったら自分の店を持つ

これがとりあえずの彼の未来像



僕の場合

日本の未来を左右できるような職について

日本の未来を創造していく

でも とりあえずは 公認会計士を目指して勉強する

そんな職につくに当たって

なにかできることがないと不利になるだろうから

とりあえず 会計士の勉強をして その技術を得て

あわよくば 会計士の資格も取る

そんな少し現実離れしていると思われるかもしれない将来設計

そして 中年くらいになったら

溜まったお金で会社を作る


なんのことはない

僕と彼の考えはほとんど一緒なのだ


ただ彼の方は すこぶる現実的で

何か考えが変わらない限り

その通り歩んでいくだろう


でも僕の方は

輝かしい未来ばかり見ているから

現実を意識がほとんど素通りしている

だから つまづくことは多く

最終的に そこにたどりつけるかどうかその保証は無い


どちらが楽だろう

どちらが幸せだろう


でもそんなこと考えたって意味はない



彼には彼に合ったやり方

僕には僕に合ったやり方があって


彼のやり方は僕には合わないし

僕のやり方も彼には真似できないだろうから


それぞれの生き方は

きっと どちらも間違いじゃない


相手のやり方を妬んだり

自分のやり方を信じられなくなったりしたら

もう一度 今まで自分の積み上げてきたものを見直して

それを壊してしまうことがどれだけもったいないかを再確認して

前に進んで行こうと思うんだ


そして

そう思ったとき

あまり好きじゃなかった歌

SMAPの『世界に一つだけの花』を

素直に心に響かせることができたんだ

友人T⑤

2006-09-11 05:00:42 | 他人
大学受験


結論から言って僕は全て落ちた

このときのことを書くのは話が脱線しすぎるので書かないが

ともかくも 浪人が決定した


そんなとき

既に彼は進路を決定していた

というか

数ヶ月前に既に決まっていたのだ


指定校推薦

受験生から見れば腹の立つ 見ようによれば逃げの進学方法

実際 当時 僕はそう思っていたし

まず 僕の通っていた学校にそんな雰囲気があった

そんな方法で彼は 通っていた高校からすれば

考えられないような有名私立大学に進学した



大きな嫉妬と納得できない思い・・・


そういう大学に進もうとして僕はそういう高校を選んだのに

そのプライドの高さゆえに浪人し


彼は大学のことなど度外視した高校から

立派な大学に進学したのである



これで 彼は一度の受験も経験せず大学生になったのだ



こんな理不尽な話があるだろうか

僕と彼とどちらの方が優れているかという話じゃなく

僕は彼が楽ばかりして 

結果 自分より上にいるように見えたのが

どうしても納得いかなかった



後から考えれば

このときの思いは

浪人中における僕の勉強の大きな原動力になったし

そういう意味でも彼の存在は僕の中で有意義だった



ところで

彼の大学は関東にあった


ここに大きな問題があった


そう

彼女と遠距離恋愛になってしまうのである


気持ちさえあれば

距離なんて・・・

そんな綺麗な話をしている場合じゃなかった


今までの彼なら

関東にいることをいいことに

関西の彼女には秘密で

二股をかけるのは目に見えていた


でも

彼は変わった


彼女が彼を変えた




彼が東京に行く数日前に

僕は彼と電話したが

彼女と喧嘩しているということだった


そろそろ付き合いだして三ヶ月ほどになり


彼女は 彼が東京に行くのが近くなってから

急に冷たくなったのだと言い


最近は電話にも出ず

もうこれを機に別れようと思っていると言う


でも

僕は考え直せと言った


このまま話もせずに 自然消滅みたいな状態になれば

絶対後悔するに決まってる


彼女も不器用なやり方だが

寂しがっているだけだ


そう思ったからだ




そして 彼は やはり彼女と連絡を取り

仲直りした


その折

彼は知っていた女の子のアドレスを全て消し

女の子のアドレスは彼女のものだけにしたという


少しやりすぎだとは思った

突然 アドレスを消された女の子達の方に失礼すぎる

でも彼がこう言ったのを

思い出して 僕は それでもよかったのかなと思ったりもする


「でも、アイツ、めっちゃ喜ぶねんで」


こうして

彼と彼女は その後1年以上も別れなかった


高校1・2年のときの彼からは考えられなかったが

決して打算的でない 純粋な彼女の想いと行動が

彼を変えてしまったのだ

友人T④

2006-09-10 13:42:35 | 他人
彼に 彼女ができた


いや そのこと事態は彼にとって珍しくないが

相手が珍しかった


バイト先で知り合ったということだが

同年代で しかも処女だったらしい


先に書いておくのを忘れていたが

彼の今までの彼女は ほとんどが年上で

まぁ経験豊富なお姉さんみたいなのが多く

実際 彼は年上の方が好みだと言っていた


でも

今回の彼女は いつもとは全然違うタイプの子


彼女に会ったおかげで彼は少し変わった



あの彼から

「今の彼女は大切にしてやりたいねん」

という言葉が聞けた


それまでの彼からすれば

考えられないこと


彼にとって

それまでの恋愛は

好きで付き合っているものの

それに対して

執着心みたいなものが感じられなかった

大切にしようなんてことは考えたこともなかったんじゃないだろうか


三ヶ月も続いたことがないのは

その辺りに原因があると思う




そして

大学受験が始まっていく

友人T③

2006-09-08 02:08:13 | 他人
高校に入って

僕らは全く違う環境にいた



僕は それなりに楽しい学生生活だったわりに

いつもどこかで

物足りなさ

もしくは 飢餓感みたいなものを抱えていた


これが僕特有のことなのか

それとも 思春期の青少年にはありがちなことなのかは よくわからない


でも 原因はやっぱり

ある程度の禁欲や

視界の狭さからくる空虚感

だったんだろうと思う


後悔すること


仕方なかったこと


納得のいかなかったこと


今でも時折思い出して

消え入りたくなる・・・


もう一度やり直せたなら・・・

もっと自分に正直になっていれば・・・

何度そう思ったことだろう




それにひきかえ

彼は のびのびと高校球児として 青春を謳歌していた


結局 甲子園には出れなかったものの

それ以外のことに対して

高校時代に悔いはない

という感じだ




当時 僕らは

たまに連絡をとってはいた


その手段は主に電話


彼が気の向いたときに突然かけてくる


話し上手の彼と

ほとんど聞き役に徹する僕だが

不思議といつも電話は3~4時間にもなった


話題は

やはり恋愛のことが多かった


でも

既に僕と彼には差がありすぎた


彼は そう

俗にいうチャラ男の部類


年に付き合った彼女の数が

二桁になるような人種


女を落とすという行為のみを

楽しんでいたようなふしすらあった


彼のそんな状況を小馬鹿にしつつも

憧れを少し抱いている自分がいた


決して性欲という意味じゃなく

欲望に真っ直ぐな その姿勢に・・・



僕の方はと言えば

まともに異性と付き合ったこともなく

自分の方からアプローチをかけたこともなかった

というよりかは

高校時代までは

自分からアプローチしたいなどと思ったことすらなかった


初めてのアプローチに際しては

彼の助言ももらいはしたが

そううまくいくものでもなかった


かといって

自分の好みでない異性からのアプローチには見向きもしなかったし


そういうわけで

結局 高校時代を通して

付き合った人はいない


そんな

良く言えば 理想が高く

悪く言えば ただ頑固で 視野の狭かった僕と


ほとんどとっかえひっかえの彼だったが


二人とも高校を卒業するころ


彼は少し変わり始めた

友人T②

2006-09-04 00:56:05 | 他人
そんなふうに

馬鹿やってた時間も

長くは続かない


時は 中学3年の冬


高校受験の季節


僕はそれなりに勉強していた

別に余裕で行きたい高校に行けるわけじゃなかったし

周りが勉強している分 暇をそうやって潰す他無かった



対照的に

彼は

既に進路が決まっていた


野球をするため

某私立高校に推薦ということだった


これは 学力を度外視した選択で

実際なら もっと学力レベルの高い高校に行くこともできたのに

彼は そんなことは全く気にしないで

甲子園を目指した



そう

ここのあたりが僕と彼の生き方の大きな違いを

わかりやすく表している



僕は ずっと遠くを見て

いや むしろ遠くしか見ようとしていなくて

今を犠牲にしても

より良い未来を築こうとしている



でも

彼は 目先の未来と今を大切にして

とりあえずの目標を達成しようとし

ぼやけすぎて見えないような未来は

見えてきてから考えようとしている



器が大きく違う



僕は小さすぎる

遠くのことを気にしすぎて

目先のものが見えてない


彼は見えてきたものを

片っ端からクリアし

次は次と割り切れるのだ


先のことなど特に考えていないようで

先のことが僕よりうまく運ぶ


やり方がうまい



そうして

僕は良い大学を目指して

進学校へ行き


彼は

甲子園のために

私立高校へ行った


別々の進路を歩き始めたわけだ