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since2004~PANTA、頭脳警察をメインに音楽のこと。開設から来年2023年で19年目になります。

【前編】2010年5月16日伊勢正三「風」ひとり旅コンサート2010 TOKYO 1st at 東京国際フォーラムホールC

2010年06月03日 | 伊勢正三


伊勢正三「風」ひとり旅2010 TOKYO 1st
2010.0516 
at 東京国際フォーラム  ホールC

【サポートギタリスト】
西海孝
岩井眞一

【セットリスト】
1..地平線の見える街(1976「windless blue」) 
2.暦の上では(1976「時は流れて・・・」)
3.あの唄はもう唄わないのですか (1976「時は流れて・・・」) 
4.あいつ (1975「風ファースト」)
5.星 空 (1975「風ファースト」)
6.海岸通(1975「風ファースト」) 
7.冬 京(1977「海風」)
8.小さな手(1976「windless blue」) 
9.アフタヌーン通り25 (1976「windless blue」) 
10.時の流れ (1976「時は流れて・・・」)
11.男は明日はくためだけの靴を磨く(1975「風ファースト」)
12.月が射す夜(1978「Moony Night」) 
13.北国列車(1976「時は流れて・・・」) 
14.はずれくじ(1975「風ファースト」)
15.22才の別れ(1974シングル)
16.通り雨(1976「windless blue」) 
17.ほおづえをつく女(1976「windless blue」) 
18.君と歩いた青春(1976「windless blue」) 
【EN-1】
19.ささやかなこの人生(1976シングル)
20.海風(1977「海風」)
21.お前だけが(1975「風ファースト」) 
【EN-2】
22.終わりのない唄(1976「時は流れて・・・」)  

自分にとっては実に30数年ぶり!!
そんな歳月を経て初めて生で聴けた名曲の数々
    感無量でした!!
このコンサート
  私にとっては、奇跡の中の奇跡、神がかりとも言えるものでした。

ソロの伊勢正三コンサートに行くこと自体は、2005年4月に同じ場所国際フォーラムホールCでのソロワンマンに行って以来、5年ぶりになりました。

5年ぶりに聴けた正やんのワンマンライブ!!ということだけでも相当嬉しかったのですが、なにしろ、今回のコンサートは「風」ひとり旅と題された、「風」時代の曲だけが演奏されるという企画のもの!!
私は今では伊勢正三に関して、普段そんなに熱心なファンというわけでもなくて、すっかり伊勢正三情報についても疎く、直前まで「そのこと」を知らないでいました。

ただ、久しぶりに正やんの東京で「ソロワンマン」がある!!と知り、あわててチケットを手配したのでした。

このチケット取りも、かなりきわどくて、知ったのが遅くてプロモーター先行予約には間に合わず・・。
一般発売では即時ソールドアウトのようでしたが。
まあ、かろうじでチケットがゲットできただけでも幸運とは言え席は三階の後ろから三列めでした。

このコンサートが、「風」オンリーのレパートリー演奏に徹した特別企画なコンサートだっただなんて!!
それを知ったときには、ものすごく嬉しくて、夢のようで
・・・・ならば、即時チケットソールドアウト・・・も当然のことだったな・・・みたいな

「風」に関しては、私がリアルタイムで大好きだったその時代は、私はまだ田舎に住む中学生でした。
ですからライブになんかいくら行きたくても物理的に不可能でした。(もちろん地元の市内にも来てくれてたけど、それでも無理で市内まで日に何本もない汽車で一時間半の距離)

私の中学時代、その頃の私の青春はまさに「風」の音楽と共にありました。

特に「風」のアルバムの一枚目から三枚目は、大好きで大好きで、もうレコード擦り切れるほど毎日聞いていたものでした。
とにかく中学生の自分にとって、当時は他のどんないろんなアーチストよりも、一番大好きなのが「風」でした。
(吉田拓郎や、もちろんかぐや姫も大好きでしたので、それぞれソロになった南こうせつや山田パンダも好きでしたが・・あと、その後さらに幾年月かすると、私はそれから数年後には中島みゆきに、ディープにはまりゆくことになるわけですが、まだまだこの当時は、拓郎よりもこうせつよりも、一番は「風」の伊勢正三でした)

だから、この「風」ひとり旅という企画コンサートは、私にとってはほんとうにもう願ってもない夢のような企画だったのです。

中学生の頃、「風」のライブに行きたくて、行きたくて一度だけでも生で聴いてみたくて・・・でもそれはかなわないままに、歳月が過ぎて、そして、あれから30数年の歳月が経ってしまいました・・・・・。

だけど、そんな歳月を超越しても、あの頃の歌たちは、私の心に刻まれたまま、ずっと生き続けていたのでしょう。
そんな、愛おしい楽曲たちが、この歳月を経て、今、目の前で蘇るだなんて!!!

だから まさに感無量なる奇跡のコンサート

  たとえば、今でこそ(それでももう20年前ですが)大人になってから知った頭脳警察やPANTAの全ての楽曲はファンになれてから、ずっと何度も聴き続けてきて、ライブにも何度も行けて、それで「このアーチストの音楽」は今後残された自分の人生においても、ずっと忘れない「一生もの!!」である、と実感していられるにしても・・・・
  
 この伊勢正三となると、話は全然違っていて、この人の音楽はいわば、振り返ってみれば、私の「中学生時代限定」のものでした・・・・
 その当時にしても、まだ大人にもなっていない中学生の自分が、たとえば今の自分のように、このアーチストは「一生もの」だ!!とか、
十代前半の年齢にして、その後の「30数年後の未来」においてまでも、伊勢正三の曲を聴いて、そして好きになっていられているか?なんて当然考えることも想像さえもしていなかったことでした。

そして実際「風」は、頭脳警察みたいに、20年・10年ごとでも「再結成」を繰り返してくれるというようなこともまったくないままに・・・・

だから伊勢正三の「風」というのは、ふりかえれば、つかの間の、ほんのつかの間の「三年弱程度」のわずかな期間
だけどその短い期間であったとしても、私の中学生時代の三年間そのままが「風」の活動期間の最盛期にかぶっていました。

そう・・・「風」はまさしく私のかけがえのない青春時代の一頁としてまさに「風」のように吹き抜けていったのでした。


「青春時代」というものは、その名のとおりの「青い時代」で
そんなにいつまでも続く性質のものではありません。

それと同じように、私の中で「風」の存在も十代の頃の記憶に刻まれつつも、いつしかフェイドアウトのごとくに自然と消え去っていました。

ただ今振り返ると、「風」時代の曲たちは、その後大人になってからも、ちゃんと
ずっとずっと、どんな他の音楽、アーチストを聴くようになっていても、私の心の片隅ではその当時の輝きが保たれてかけがえのないものとして、眠っていたのでしょう・・・

これが「音楽の持つ力」なのだとは、やっぱり思っています。
そう一度聴いたら、そのとき、心に刻まれたならば、もうずっと忘れられない名曲たちの・・・・そんな記憶


高校を卒業する頃には私の夢中の対象に「風」は、もうすでにいなかったけれど、そして「風」そのものも解散していたけれど、大学に進学で田舎から東京に出てきてからも、晴れてようやく東京でのコンサートに参加できるようになれた私は、伊勢正三がソロになってやっていた都内でのコンサートにはやっぱり胸躍らせて何度か足は運んでいました。
けれどその頃のは、あたりまえだけどソロコンサートであって、「風」のコンサートではありませんでした


それからというものは、伊勢正三自身がバッタリと音楽活動のオモテ舞台から姿を消します。
たまにその名と姿が確認されてもそれは音楽番組ではなくて「釣り番組」

ソロ以降のアルバムを聴いても、かぐや姫や風の頃のほど夢中になれることもなくいましたし(それでもソロになってからでもお気に入りのアルバムというのもあるにはありますが)

そして結局そのまま、その後は伊勢正三についての音楽活動の情報そのものにもすっかり疎くなっていました。
現に活動もしなくなっていたようでしたので、自分の中では、きっともう正やんは「歌うこと」をやめてしまったのだなあ・・・・と言う認識と諦めがありました。

それは仕方のないことで。
全てのアーチストが、みんながみんな、30年、40年継続していけるというものではないのは当たり前と・・・

たとえ結果的に「一生もの」のアーチストにはなりえなかったとしても、それでも伊勢正三と大久保一久の「風」は、私の中では輝ける青春時代の金字塔であり、永遠のヒーローであり続ました

だって、歌は永遠だから。あの中学生のとき以来、ずっと忘れないから・・・・そして、ふとしたときに、その歌たちはいつでも口ずさむことが出来ていたから

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ああ、それなのに
それなのに

奇跡がやってきたのです

2010年5月16日のその日

まさに今、そんな私がまだ子どもだった、郷里の田舎で過ごしていた当時から紆余曲折に歳月を重ねた、その当時から「30数年後の未来」において、あの「風」の楽曲たちが、今、生演奏、生歌で目の前に届く・・・・・・・・・

だからもう
切なくて胸いっぱいで
もう
ほんとうに涙なくしては、聴けない そんなコンサートでした

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


始まる前から、わくわく、そわそわ・・・・・
そのときもうすでに、心はその30数年前の中学生に戻った「フォークソング少女」の自分がいました。


開場してから、BGMに流れてくる数々の「風」の名曲たちのインストルメンタル・・・泣かせる演出
・・・・・ホールに入場して、こうして「風」のいろんな曲のメロディが流れているのを聴いただけでも、もう、胸はきゅんと、切なくて・・・・

すでに心臓が・・どきどきで・・・

そしてとうとう開演となったら、今度はなんと!!

ステージ上には大スクリーンの幕上に、「風」でリリースされたアルバムジャケット画像が次々と映し出されて・・・・そしてBGMには「終わりのない唄」が・・・・
 
 
これらのスクリーンに映し出された画像の数々を東京国際フォーラムの、はるか頂上、てっぺんの三階から見下ろしただけで、もはや息がとまりそうでした。
すでに涙腺が、うるうるモードで、心はすっかりあの当時の田舎の中学生でした・・・・・・・・

こうして私は、もうしょっぱなから、その「演出」だけでもやられてしまいました。

30数年来の夢だった「風」のコンサート

まさに奇跡的なる夢のようなコンサート・・・・


そして、今、あらためて、この日のセットリストをふりかえったただけでも、その場での大興奮が蘇ってくるのです。

なんという感無量なる神がかり的なるセットリスト・・・。


★20100516全演奏曲目アルバム収録別データ★
1.風ファースト     6曲
2.時は流れて・・   5曲
3.Windless blue  6曲
4.海風        2曲 
5.Moony Night   1曲
シングル曲     2曲  
 

しかも、上記のように、私が当時、愛してやまなかった風の1~3枚目のアルバムからの曲が、今回のトータル22曲中実に17曲。


・・・欲を言うならば、他にも、まだまだ私が風の中で、一番大好きなセカンドアルバム、その中でもことさら好きで想い出深い「忘れゆく歴史」・・・・そして「まぶしすぎる街」、相方の久保やんこと大久保一久の曲ですが「古都」も「三丁目の夕焼け」ふるさとの町は今も」・・・

ああ・・・・風のセカンド「時は流れて・・」はもう全曲聴きたかったです

あとシングルの「夜汽車は南へ」も聴きたかったなあとか・・
いや、もうあれこれと言い出したらキリがありませんが・・・・

次々、演奏される楽曲ひとつひとつに、もう感激に打ち震え、涙・涙でした

やっぱり30数年たった今、聴き返しても、風楽曲は、どれも素晴らしくて捨て曲がないことに、あらためて驚かされました!!

特に、アルバムの1~3枚目までは、当時も思っていましたが、今聴いても完璧なる楽曲群です。
アルバム収録曲全てが名曲。

ベスト盤というわけでもないのに、ベスト盤的楽曲がせいぞろいの、風アルバム初期からの3枚だと思っています。(これはその当時から、今現在に至るまで一貫した私の気持ちです)

この日のライブでのアルバム配分もそのことを正直に(?)物語っていたようです。
ファーストから3枚目までが中心となって、それ以降の4枚目からは2曲、5枚目にいたっては1曲だけ・・・。

それゆえに、なおさらに私にとってこの日のコンサートの感動は大きかったのでしょう。


当時、中学生の私は正直いって、3枚目以降、次の「海風」のコンセプトの変貌ぶりには、かなりのショックを受けてしまっていたことも事実で、今ではそんなことも懐かしく思い出しますが、けれど「海風」は、名曲「海風」を代表として、他にも今聴き返してみると、大人のアルバムというか、これもまた、名盤だったと今では思います。

 ただ、次の「風」最後のオリジナルアルバムとなった5枚めについては、それまでのアルバムに比べると、あまり自分では印象や想い出がありません・・・。
そうです。実はその4枚目の「海風」を聴いてから、当時の私は、とうとう「風」から心離れてしまっていたことが伺えます。
なにしろこの頃、コンサートにも行けませんでしたから・・・コンサートにいけていたらまた違っていたのだろうなと思います。
なぜなら、いくら現状のアルバムがあまり好きになれていなくても、コンサートに行けたら当然、新しいアルバム以外の曲もたくさん聴けていたはずだからです。同時にライブで聴けたが故に好きになれる曲というのは必ずあります(今現在数々のライブを経験しての結論です)

・・・だから今回のこのコンサートをきっかけに、この当時あまり聞き込まないまま終わっていたこの5枚目のアルバムも、改めてちゃんと聴いてみようかな・・・・・とかも思っていたりしています。ライブで5枚目からは一曲だけの披露ではありましたけど、ね・・・
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【後編】(楽曲別ライブレポート)につづく


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