ふとっちょ☆カウボーイのパン!パーン!!!

ふとっちょ☆カウボーイの日記など

十八年 その5

2010-09-19 02:16:06 | Weblog
再録音の日になりました。

うー気が重い。

それもそのはず、前回、人生で初ぐらいの勢いで、
大人にぶちギレられた2人。
今思うと、あとにもさきにも、あんなに、真剣にキレられたのは、ないので感謝してます。


再録音のためにしゃべる台本。
再録音のためにかけるCD。
そして、ちょとだけの勇気を、持って、ラジオ局に入った。


そこには、ぶちギレディレクターさんが待っていた。

ディレクター「あ、ベガーズだ。ちゃんとやってきた?」

ベガーズ「はい!」

ディレクター「本当~?」

ベガーズ「はい!」

ディレクター「ジュースのむ?」

ベガーズ「はい!」

恐怖にしばられた高校生2人は、
見事に「はい!」としか言えなかった。

30分ぐらい、ディレクターさんの横に座り、
ディレクターさん達の雑談を聞きながら、バナナジュースを、すすっていた。


ディレクター「じゃ~そろそろ録音しよっか。」

はっ!きた!

スタジオに入り、緊張してる高校生2人。

ディレクター「とりあえず、練習がてらいくよ。」

僕たちは、ノートに書いたセリフを読んだ。
自分なりに、自然に喋ようと思っても、どーしても不自然になってしまう。
なんとも、情けない気持ちになったのを覚えている。
喋りながら、
「わ~。ぜんぜんダメだ。また、おこられる。」と、思いながら最後までなんとかやりおえた。


ディレクター「はーい。どーだった?」


ベガーズ「はぁ・・。むずかしいです・・・。」


完全にヘコんでいた。
もう帰りたいし、疲れたし、おこられたくないし。
すると、ディレクターさんから、意外な言葉がとんできた。

ディレクター「うん。いいんじゃない。」

え!うそでしょ。まったく面白くなかったし。
前回のこともあるから、このヘコんでいる僕たちを、なぐさめてくれてるんだと思った。

ベガーズ「でも・・。なんか台本読んでるだけで。なんかいいんでしょうか。」

ディレクター「最初から、やれる人なんていないよ。売れてる人だって、ちゃんと喋ること考えて、メモしてネタねって喋ってんだから。」

今、思うと、当たり前のこと言ってくれていたが、
当時の僕には、衝撃的なセリフだった。


ディレクター「面白い面白くないじゃないよ。ちゃんと考えたかが問題だから。今の君たちには。だから今日は、考えてきて頑張った。だからそれで大丈夫だよ。」


感動であった。
現実問題面白くなくては、売れないが、
当時の僕たちは、はじめて頑張ったものがむくわれた気持ちだった。


ディレクターさんが、僕たちの前に、ドサッとなにか置いた。


ディレクター「本当は、前回の録音の時わたそーと思ったけど。前回は、そんな空気じゃなかったから。」

そこには、
このラジオ番組のリスナーから、
ベガーズに質問とか、ベガーズ頑張れ的なハガキ。
百枚近くあった。


泣きそうになったのを覚えている。

そのハガキは、今でもだいじに保管してます。


後日、僕たちの3分番組は、ラジオからながれました。


ぜんぜん面白くなかったけど。


そして、
ちょと本気で芸人になろーと思った僕たちは、
東京で、お笑いライブって言うものが開催してるのを知るのであった。
そのお笑いライブの名は、

「ラママ新人コント大会」。


この「ラママ新人コント大会」が、たぶん、
人生のターニングポイントになるのである。

・・その6に続く。