鈴蘭の詩と写真ブログ

~詩と写真に寄り添いながら~

まど・みちお全詩集

2014年02月28日 11時54分59秒 | 日本の詩

まど・みちお全詩集

 

詩が大好きになったとき思い切って買った本

 

日本の偉大な詩人まど・みちおさんが亡くなりました

 

まどさんの詩が次から次へと溢れてきます

 

 

 

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はしる電車の中で

 

 

          まど・みちお

 

 

知ってるとか

知らないとかって

あほらしいことのような気がした

 

はしる電車の中で

いきなり笑いかけられた時のことだ

お母さんに負んぶされた

知らない よその赤ちゃんから・・・

 

いっしょに生きているんだよね!

と いうような

嬉しくてたまらない笑い顔だった

 

もしも クマにであったら クマに

ライオンにであったら ライオンに

あの赤ちゃんなら笑いかけただろう

いっしょに生きてるんだよね!

と 嬉しくてたまらないように

 

そして 笑い返しただろう

たぶん クマもライオンも

嬉しくてたまらないように

私が赤ちゃんに そうしたように

 

 

『まど・みちお全詩集』より

 

 

 

 

 

 

 


感染

2014年02月27日 11時23分55秒 | 日本の詩

シヨンのインフルエンザが完治し昨日から久しぶりの登校

 

と思いきやシファへの感染

 

明日は休みなのでシファの看病

 

次はオンマかアッパか

 

インフルエンザも忙しそうだ

 

―――――――――――

 

 

きょうね
 
 
 
 
         原田直友
 
 
 
 
きょうね
 
わたしね
 
先生のこと
 
「おかあさん―」って
 
よんじゃった
 
 
そしたら みんなクスクス
 
わらったよ
 
すると
 
先生もわらいながら
 
「なあに 春子ちゃん
 
おやつ ほしいの―」
 
だって
 
 
 
『神様と雲と小鳥たち』より
 
 

 


映画鑑賞

2014年02月26日 10時25分11秒 | 日本の詩

録画しておいた映画『つなぐ』を途中まで見る

 

たった一人だけ会いたい人と再会させてくれる『つなぐ』

 

会いたい人の顔がたくさん浮かぶ

 

 

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ねごと
 
 
 
 
          原田直友
 
 
 
 
おかあさんが
 
ひるねして
 
「おかあさん―」
 
と ねごとをいった
 
わたしはクスッと
 
わらってしまった
 
「いなかのおばあちゃんの
 
ゆめ見ているんだね」
 
おとうさんは小声でいって
 
うちわで そっと
 
おかあさんをあおいだ
 
 
 
 
『はじめてことりが飛んだとき』より
 

 

 

 

 

 

 


川柳 4首

2014年02月25日 19時09分13秒 | 写真

40才の誕生日までを目標に昨年8月から始めた肉体改造5ヶ月計画

 

年が明け今年の運動会を目標に新たにスタートした第2期 肉体改造5ヶ月計画!

 

2月がもう過ぎようとしているが最近変化があらわれず

 

気分一新、継続するためリサイクルショップの掘り出し物で体重計を980円で購入!

 

億劫になるランニングを続けることを決意する

 

 

 

激安!!

 

 

電池投入後、設定入力!!

 

 

 

5月まであと3ヶ月!!

 

 

燃やしたい
 
灯油の代わりに
 
体脂肪
 
 
 
 
体重計
 
踏む位置少し
 
変えてみる
 
 
 
 
動じない
 
妻でも怖い
 
体重計
 
 
 
 
ダイエット
 
食費以上に
 
金かけて
 
 

 

 

『お笑い川柳』より 一部抜粋


何も変わっていない

2014年02月25日 10時40分04秒 | 日本の詩

年月は矢のように過ぎるのだけれども

 

何も変わっていないような気がふとする

 

変わってはならぬもの

 

変えなければならないものを問うてみる

 

 

 ------

 

 

一生おなじ歌を 歌い続けるのは  
 
 
 
 
             岸田衿子
 
 
 
 
一生おなじ歌を 歌い続けるのは
 
だいじなことです むずかしいことです
 
あの季節がやってくるたびに
 
おなじ歌しか歌わない 鳥のように
 
 
  
 
 
      『あかるい日の歌』より
 
 
 
 
 

ふと心があたたまる

2014年02月24日 09時21分55秒 | 日本の詩

たくさんの詩があるけれど

 

なるべく平易な言葉で綴られた

 

それでいてふと心があたたまる

 

そんな作品との出会いがうれしい

 

 

 

 

おかあさん   
 
 
 
 
                 新川 和江




おかあさんは 女優じゃない

花束をもらったことも いちどもない

だからわたしがあげた

たった一りんのカーネーションにも

よろこんで すぐなみだぐんでしまう


おかあさんは学者じゃない

大ぜいの人の前で こうえんなどしたこともない

でもおかあさんの話しことばは

焼きたてのパンにバターがしみるように

あたたかく わたしの心にしみこんでくる


そんなおかあさんが わたしは好き

おかあさんは気にするけれど

笑うと 目じりに寄る あの小じわが好き

どんな香水もかなわない

〈 うちのおかあさん 〉のにおいが好き
 
 
 
 
 
     『野のまつり』より

 

 

 

 


希望を持ち前へ進む

2014年02月23日 17時23分38秒 | 日本の詩

昨日の夜は久しぶりに酔っぱらうまで飲む

 

語りながら飲む酒の楽しさに酔う

 

今日からまた新たな一日を進む

 

 

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いっしょけんめい
 
 
 
 
 
          新川和江
 
 
 
 
いっしょけんめい 泳いだら
いつか 魚に なれますか
尾ひれが生えて すいすいと
沖まで泳いで ゆけますか
 
いっしょけんめい はばたいたら
いつか 小鳥に なれますか
つばさが生えて ゆうゆうと
広いお空が とべますか
 
いっしょけんめい 背のびをしたら
いつか ポプラに なれますか
みどりの葉っぱを そよがせて
風とおはなし できますか
 
いっしょけんめい 咲こうとしたら
いつか お花に なれますか
ひかりと水に 愛されて
わたしもきれいに 咲けますか 
 
 
 
 
 
      『いっしょけんめい』より

 

 

 

 


鉄棒練習

2014年02月22日 17時43分56秒 | 写真

オンニはまさかのインフルエンザ

 

予約していたイチゴ狩りは急遽キャンセル

 

残念がってたシファはスーパーのいちごでがまん

 

鉄棒の練習に付き合う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 


私も一枚の葉ならば

2014年02月22日 12時00分00秒 | 日本の詩

 

明日の夜は青商会の会議

 

来季の活動計画を練る

 

自らの手で種を蒔けとの師匠の言葉を思い出す

 

 

 

名づけられた葉
 
 
 
         新川 和江
 
 
 
ポプラの木には ポプラの葉
何千何万芽をふいて
緑の小さな手をひろげ
いっしんにひらひらさせても
ひとつひとつのてのひらに
載せられる名はみな同じ <ポプラの葉>
 
 
 
わたしも
いちまいの葉にすぎないけれど
あつい血の樹液をもつ
にんげんの歴史の幹から分かれた小枝に
不安げにしがみついた
おさない葉っぱにすぎないけれど
わたしは呼ばれる
わたしだけの名で 朝に夕に
 
 
 
だからわたし 考えなければならない
誰のまねでもない
葉脈の走らせ方を 刻み(きざみ)のいれ方を
せいいっぱい緑をかがやかせて
うつくしく散る法を
名づけられた葉なのだから 考えなければならない
どんなに風がつよくとも
 
 
 
 
『新川和江詩集』より
 
 
 
 
 

ソチオリンピック女子フィギアスケート

2014年02月21日 10時53分11秒 | 日本の詩

ソチオリンピック女子フィギアスケート

 

朝のニュースで胸が熱くなる

 

一人一人の人間の胸の奥の思いに気持ちは向かう

 

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今まで出会った詩をあらためて振り返るとまたあらたな感動を覚える

 

45年前の新川和江さんの有名な詩を読む

 

 

 

 

わたしを束ねないで
 
 
 
 
                           新川和江
 
 
 
 
 
わたしを束ねないで
あらせいとうの花のように
白い葱のように
束ねないでください わたしは稲穂
秋 大地が胸を焦がす
見渡すかぎりの金色の稲穂
 
 
 
わたしを止めないで
標本箱の昆虫のように
高原からきた絵葉書のように
止めないでください わたしは羽撃き
こやみなく空のひろさをかいさぐっている
目には見えないつばさの音
 
 
わたしを注がないで
日常性に薄められた牛乳のように
ぬるい酒のように
注がないでください わたしは海
夜 とほうもなく満ちてくる
苦い潮 ふちのない水
 
 
わたしを名付けないで
娘という名 妻という名
重々しい母という名でしつらえた座に
座りきりにさせないでください わたしは風
りんごの木と
泉のありかを知っている風
 
 
 
わたしを区切らないで
,(コンマ)や .(ピリオド) いくつかの段落
そしておしまいに「さようなら」があったりする手紙のようには
こまめにけりをつけないでください わたしは終わりのない文章
川と同じに
はてしなく流れていく 拡がっていく 一行の詩
 
 
 
 
『比喩でなく』より

 

 

 

 

 


新川和江詩人を読む

2014年02月20日 09時54分30秒 | 日本の詩

今週はフリッカーのサイトでいい写真をどっぷり見ながら構図の勉強

 

ジョギングはさぼりすぎ

 

自戒を込めて今日は休憩時間に少し長距離を走る

 

――――――

 

13歳のころに新川和江さんが書いたことで知られる詩一篇

 

今日もいいことがあると

 

心の中でとなえる

 

 

 

 

 

橋をわたる時
 
 
       新川和江
 
 
向う岸には
いい村がありそうです
心のやさしい人が
待っていてくれそうです
のどかに牛が啼いて
れんげ畠は
いつでも花ざかりのようです
 
いいことがありそうです
ひとりでに微笑まれて来ます
何だか こう
急ぎ足になります
 
 
 
   『野のまつり』より

 

 

 

 


虹にまつわる詩一篇

2014年02月19日 11時18分27秒 | 日本の詩

虹を見たり虹にまつわる詩を読むと思い浮かべる顔がある

 

虹のような人は本当にいるんだなーと思う

 

 

 

 

虹の足
 
 
 
            吉野弘
 
 
 
雨があがって
雲間から
乾麺みたいに真直な
陽射しがたくさん地上に刺さり
行手に榛名山が見えたころ
山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
眼下にひろがる田圃の上に
虹がそっと足を下ろしたのを!
野面にすらりと足を置いて
虹のアーチが軽やかに
すっくと空に立ったのを!
その虹の足の底に
小さな村といくつかの家が
すっぽり抱かれて染めていたのだ。
それなのに
家から飛び出して虹の足をさわろうとする人影は見えない。
――おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。
 
 
 
 
 
『北入曽』より
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
*フリー画像より転載
 
 
 
 
 

 


時にユーモアを忘れずに

2014年02月18日 09時25分54秒 | 日本の詩

閉塞感が強く押し寄せて来るのは溢れる情報のせいなのか

 

心のコントロールが難しい世の中

 

地平線の見えるだだっぴろい草原で

 

おならでもしてみたい

 

 

 

 

 

おならは えらい 
 
 
 
           まど みちお
 
 
 
おならは えらい
 
でてきた とき
きちんと
あいさつ する
 
こんにちは でもあり
さようなら でもある
あいさつを・・・
 
せかいじゅうの
どこの だれにでも
わかる ことばで・・・
 
えらい
まったく えらい
 
 
 
 
 
  『しゃっくりうた』より
 
 
 
 
 
 
 
 

 


楽しみをとっておく

2014年02月17日 09時57分16秒 | 日本の詩

週の始まり

 

今週末には娘たちのリクエストにこたえてイチゴ狩り予定

 

カメラも今週内にはかえってきそうなのでそれも楽しみに待つ

 

――――――

 

水内喜久雄―著

 

『詩にさそわれて』を読み直すと新たな発見が心地よい

 

 

 

よかったなあ
                   
 
 
 
         まど・みちお
 
 
 
 
よかったなあ 木や草が
ぼくらの まわりに いてくれて
目のさめる みどりの葉っぱ
美しいものの代表 花
かぐわしい実
 
よかったなあ 草や木が
何おく 何ちょう
もっと数かぎりなく いてくれて
どの ひとつひとつも
みんな めいめいに違っていてくれて
 
よかったなあ 草や木が
どんなところにも いてくれて
鳥や けものや 虫や 人
何が訪ねるのをでも
そこで動かないで 待っていてくれて
 
ああ よかったなあ 草や木がいつも
雨に洗われ
風にみがかれ
太陽にかがやいて きらきらと
 
 
 
 
『いいけしき』より
 
 
 
 
 
 
 
 

詩にさそわれて

2014年02月16日 09時28分01秒 | 日本の詩

本の題名通り詩にさそわれてこの本を手にしたのがもう十数年前

 

水内先生は本の中ですばらしい詩人たちの世界へと導いてくれる

 

『詩にさそわれて』の水内喜久雄先生にもう一度詩を案内してもらう

 

 

 

 

 

リンゴ
 
 
 
     まど・みちお
 
 
 
リンゴを ひとつ
ここに おくと
 
リンゴの
この 大きさは
この リンゴだけで
いっぱいだ
 
リンゴが ひとつ
ここに ある
ほかには
なんにもない
 
ああ ここで
あることと
ないこととが
まぶしいように
ぴったりだ
 
 
 
『まめつぶうた』