元日。
初日の出をボウリング場の非常階段から見てから、ぼくは県内すべての市役所めぐりに出かける。
ところでぼくは、最前から何者かに尾行されていることに気づいている。
◯
縁もゆかりもない新興住宅団地の見知らぬ家の縁側に、ぼくは座っている。
見知らぬ家の縁側に座っているというのに、ぼくは不思議と落ち着いている。
家の主人らしき男が云う。
「そろそろ帰ってもらえないか?」
どうやらぼくは邪魔らしい、出て行こうと立ち上がると、奥さんらしい女性が云う。
「うちの旦那は市役所が好きで、今日も朝から午前中いっぱい、県内全部の市役所めぐりに付き合わされまして、ほんと、困ったもんです」
主人らしき男は笑って、
「市役所を見ながら食う天ぷらうどん、これがまた格別に美味くってね」
ぼくは、頭のなかで天ぷらうどんの調理過程を一からイメージしはじめる。
◯
新興住宅団地の真ん中にある、つぶれた商店の店先にあるベンチに座っている。
目の前の道を路線バスが通り過ぎる。
車内に数人の乗客の姿が見え、その全員が中学時代、卓球部員だったことを、ぼくは知っている。
と、ポケットのなかで携帯電話が鳴り、見ると着信ではなく、アラームだった。
どうやら、昨日のぼくはこの時間に起床するつもりだったらしい。
終わり
目覚めるたびにぼくはぼくでありぼくではない…
いつものように思いつきをひねりまくって書いてみたら、
なんか登場人物である“ぼく”の存在自体が揺さぶられるようなお話になりました
…なんて言うと、いかにも高尚なテーマがあるふうになっちゃいますね^^;
うさぎさんのコメントが、浅い内容に深みを与えてくださいました!
つぎはぎの古いトタン感でてますね✨
ぼくの時間経過感覚が不思議な現実なようで
異空間を彷徨ってる様で面白いです。
おはようございます!
無性にトタンを描きたくなってしまったのです。
本当は画面全体波型トタンにしようと思ったのですが、木の部分やブロックの部分もつくってみました。
サビはいつもの悪い癖でやり過ぎました^^;
汚くなってしまいましたね。
文は相変わらずで。
ちょっとまとまり過ぎてしまった感じもありますが…もうちょっとムチャクチャにしたいんですけどね。
ちょっとテーマがある感じになってしまいました^^;