めざめていても夢はみる

ぼくはいつまでもさまよいつづける、
夜が明けても醒めない夢のなかを…

旅 その1

2024-08-05 21:04:00 | ペン
◯研究所の最上階のテラスに、ぼくらは一列に並んで、双眼鏡で目の前の国道を見ている。と、右からひとりのジョガーが走ってくる。ぼくらの双眼鏡が一斉にそのジョガーへと向けられる。と同時に、空いているほうの手に握った鉛筆で手元の報告書に状況を書き留めはじめる。ぼくは、双眼鏡をジョガーから横に並ぶ皆に向ける。かれらは皆、ぼくだった。非常階段を降りて、2階のドアを開けると、そこは自動車教習所の食堂の厨房だ。ち . . . 本文を読む