日本という国は非常に活動的な土地に成り立っています。プレートが複雑に絡み合い、その摩擦が解き放たれると地震になりはたまたマグマの圧力を刺激したりと地球の歴史から見ればひっきりなしに地震、噴火を繰り返している世界でも類を見ない活発なエリアにあるのです。
昨年来から至る所で火山の活動が活発になりました。たまたまと言うより、地下深くで発生してる現象が地上に目に見える形で表現されています。
戦後最悪の死者数を出した御嶽山の噴火、マグマ噴火で無かったにも関わらず多くの登山者を連れて行ってしまいました。
今年、噴火から丸1年を経て、生還した女性の取材手記がとある新聞社記事に出ていました。
有名な写真の女性です。
噴火から一夜、氷点下の山頂付近で救助隊を待っている姿です。この時既に画像で見える左腕は噴石弾に被弾して辛うじて皮膚一枚で繋がっている状態だったそうです。
この方の周りには夜のうちに亡くなってしまった薄着の登山者、噴石弾直撃でほぼ即時の多くの方々が多くいたそうです。それは壮絶な光景を目の当たりにしたことが綴られていました。
山頂に向かう途中で噴火に遭遇したときの画像です。
迫り来る噴煙が見えます。これは逃げながら偶然に撮影されていた画像だそうです。画面に見える左腕はこの後、噴石弾に被弾するのです。
御嶽山は山岳信仰の山で西暦700年には既に開山。日本三大霊山と言えば富士山、石川県の白山、富山県の立山と言われていますが、白山、立山と入れ替えて御嶽山も三大霊山と言われている場合もある山です。
そんな山岳信仰(自然信仰)の伝統を無意識に継承している私達日本人はこの噴火を色々な側面で捉えていました。
この方以外の女性で生還した若い登山者は病院を退院し出社した当日、上司から「女があんな神の山に登からだ」と思いもしない言葉を掛けられたそうです。冗談なのか遠まわしに本気なのか、、ただ、良かったね無事でと言う労いの言葉が始めに出るべきだろうけど。
どちらにしても、自然災害の度に、私達日本人は心のどこかで自然が「怒っている」と感じるものです。これは深層意識に長い年月、この活動的な日本の自然と向き合って来ているから他ならないと思います。
この女性がこう言っていた事に印象が残っています。噴火をやり過ごし寒い夜を越して太陽が出てきて体に巻き付けていた防寒上着を片腕でリュックに入れ足元に散らばった自分のゴミも置いていくと山が汚れるので片付けたそうです。
山がこれ以上怒らないようにと。
自然の営みに何か大きな力が働いていると感じるのが我々日本人の奥底にあります。
今年も残すところ後僅か。来年の今頃、同じように暮らしている保証はどこの誰にもありません。日々、やり残すこと無いように過ごして生きたいと思うのです。
では、
paikaji