唐突だが、ここだけの話、私はクリスマスがかつて大嫌いだった。
誰に何を言われようが、世をスネていると言われようと嫌いなものは嫌いだったのだ。
そんな事を言いつつ、12月に入った頃になるとクリスマスソングのオムニバスを
聞いていた事なんか些細な事だ。
その昔、調理の仕事をしていた頃クリスマスはかき入れ時、
バカなカップル共がせっかく出した料理にロクに手もつけずアホ面を見合わせてウットリしている時、
私は戦場のような厨房の中で怒鳴られていた。
プレゼントなんかその場で開けなくていいからメシ食えYO!と歯噛みしたものだ。
その次に勤めたホテルでは、やはりクリスマスは稼げるイベントである
「ディナーショー」が待っていた。
加〇雄三に堀内〇雄などが何万円もするチケットを売りまくる。
その中の一人が、そのン万円もするチケットを
ただで5枚くれ。
と言い出して、上司が困っていた記憶がある。
儲けてるクセに、ケチくさい事言いやがる!とチケットセンターではすこぶる評判が悪かった。
だって、一枚3万としたって5枚で15万だ。
そんなのをホイホイ聞いていたら、ホテル側だってたまらない。
ちなみに、当時の私はクリスマス寄席の案内係だった為
桂ざこばのクリスマス寄席をタダで聞けた。
それだけはちょっぴり嬉しかった。
そんな風に、毎年恋人の有無に関わらず恵まれないクリスマスを
過ごしてきたので、毎年その季節にはしゃらくさい気分になってしまっていたのだ。
じゃあ今はどうかと言うと、私にとってのクリスマスはほぼ「普通の日」である。
旦那がクリスマスに向けて繁忙期に入る職種なのもあり、
その時期は日に日に生ける屍状態になっていくので、浮かれて何かをやるような余裕が無いのだ。
まあ結婚しちゃったらこんなもんだ。
クリスマスソングは聞くけどね。