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AmBitiousも応援中!真弓のタケ垣にタケ立て掛けたのはタケ立て掛けたかったからタケ立て掛けたのです。

!4周年蔵出しSP! ~2年前の冬に書いた妄想大公開~

2012-03-18 10:10:35 | 妄話




4周年SPということで、蔵出しSPです。


何となく着地点が見えなくて、完成されなかった妄想のお話。


お話は、すべて妄想なので、お好きな方だけどうぞ!




**




『I WISH』



~SHINGO ~


洗面所の床の冷たさに思わず、ぶるっと身を震わせる。さっぶいなあ。目の前の鏡に映る自分の姿。何やゆうても、イケメンやろ、俺。しゃこしゃこと、歯を磨く。おえ…。ついつい奥歯までぐううってやってまうねんな。おえ……。まあ、でも今日は、いや今日も、そんなん気にならん。



無事に歯も磨けたところやし、シャワー浴びるか。鏡に背を向け、風呂場に足を踏み入れ、シャワーの蛇口をひねる。冬場はちょっと水を出しとかんと、めちゃめちゃ冷たいからな。




少しして、湯気が風呂場を包み始めた。急いで着ていたガウンをせんたっきに入れる。シャワーに体を突っ込むと、
寒さで強張っていた体が温水によって、ふわんとなる。














『あ゛ー!天国や!』














楽しい今日がはじまった。今日は休みをとった。銀行員の仕事は今は時代の風向きもあって大変やけど、安定した職やし、俺は満足してる。真面目に働いてれば、こうやって休みを取ることも出来るわけやし。



お気に入りの赤いジャケットをきて、急ぎ足で待ち合わせ場所に向かう。街中のショーウィンドウに『SALE』の文字がひしめく。なんか買うてったろうかな。ずらり並ぶ店の中、何の気なしに一件の店に入った。落ち着いた雰囲気の服から、目がちかちかするような服まで、その店にはいっぱいあった。色々混ざって混沌としてるけど、それはそれとしてきちんと成り立ってて不思議な空間…。


どこから手をつけようかと、目を右往左往させてる俺の元に派手で奇抜な服を着た女店員が、寄ってきた。


『プレゼントか、何かお探しですか?』

『あ、いや、はい。そうなんすよ。』

『彼女さん?』

『えー、何かーありますかね?』

『そおですねえ…。予算とか決まってますか?』

『いや、特に。あ、でも、そんなに高額なのは、ちょっと。』

『あはは、そうですよねえ。ほんだらこれとか、どうですか?』



そういって店員は、まっピンクなラメ?いや、ビーズで全面を覆われた長財布を手にとり、俺に笑いかける。そんなん買うか!アホ!



『いや…財布は、趣味とかあるかもしれんし。』

『あ、そうですよね、あー、ほなあれとかどうですかね。結構珍しいですし、喜ばれると思いますけどね。』

『なんすか、あれ。』



店員が指差す先には、店内のガラスケースに入れられた謎の物体。



『キャンドルなんです。おもろい形でしょ?しかも、水の中でも使えるんですよ!!やから~、お風呂とかでも使えちゃいます。』

『ええ、今そんなんあるんすね。』

『はい。まあキャンドルにしては、若干お値段はっちゃうんすけどね。』

『あ、でも、おもろいし、あれにします。』

『有り難う御座います。ほなソウホウする間、店内ご覧になっててくださいね。』

『はーい。』



ソウホウ?包装ちゃうんかい。アホやな、コイツ。店内を見るいうても…プレゼント買うたし、特にもうここで見るもんないしな。そう思いながら、包装する店員の手を何となくぼんやりと眺める。



『このキャンドルね~、僕も持ってて、使ってるんですけど、匂いも良いし、リフレッシュできてすごいいいんですよ。きっと喜びますよ~。』

『はは、そうっすかね。』






ボク…?こいつ男かいな。マニキュアもぬっとるし、小指に指輪しとるし、アクセサリーも女子っぽいし、てっきり女かと…。




『ほな、いってらしゃ~い。』




無事に会計を済ませ、女子系男子に見送られながら、また俺は足をはやめて歩き出した。クリスマスはとっくに終わったけど、まだ街は寒い季節を乗り切ろうと色づいてる。待ち合わせ場所に着くと、黒いPコートを着て、待っていた。でっかいビルの外壁に凭れ掛かり、時折真っ白な息を吐く。直ぐに息は消えて無くなる。




『ごめんなー。』

『あ、来た!大丈夫。』

『ほな、行こか。』

『うん。』



お互いマフラーに顔を埋めて、歩き出す。自然と二つの手は繋がれた。



『今日は?何食べる?』

『んー、イタリアン。』

『またかい。』

『だって、信ちゃんも好きでしょ?』

『おん。ほな、あっこ行こか、あの~、前行った事ある、この辺のさ。』

『あー!ペスカトーレがおいしかったお店?』

『そうそう、』



照れくささから、少し急ぎ足になる。あっという間に、店についた。



『ふう~。』

『何する?とりあえずペスカトーレーは頼むやろ。それから?』

『アマトリチャーナも食べたいし、今日はお酒も飲む!』

『ほな、これとこれにしよか、すんまへーん!』

『ちょ、すんまへーんって…!』

『えっと、これと、これ…と、あとこれ。あ、それから、これって今日あります?』

『はい、御座います。』

『ほな、これも!以上で。』



少しはにかみながら、俺の方を見つめてる。



『失礼致します。』



そういって、長身のイケメン店員が、テーブルに来た。



『こちら、ご注文のワインになります。』

『わあー、すごい、ここからでも香るね。』

『ええやつやからな。』

『ちょっと、信ちゃん、ええやつって…もう。』

『いや、ええやつやろ!なあ、兄ちゃん!』

『そうですね、”ええやつ”です!』

『ほらあ!言うやんけ。』

『話あわせてくれたんでしょ!すみません、もう。』





イケメン店員は、笑顔で、グラスにワインを注ぎ、厨房のほうに消えていった。




『もう、テンションあがりすぎでしょ。』

『だって、楽しいやん!しゃあないやろ。』

『わたしも、楽しいよ。』







かわいいやっちゃ。さっきから、きょろきょろと店内を見渡したり、きらきらした目でこっち見たり。






『お前、なんか今日ええな。』

『え?』

『そういうの、』



首をかしげて不思議そうに、こっちを見てる。そーいうのが、アカンって言うてんねん。俺は心の中で突っ込みを入れながら料理をまった。



それから、美味しくイタ飯を食べた。



さすが評判の店やし、接客も丁寧やったし、満足や。



店を出ると、さすがに師走の夜風は、痛烈なものだった。頬をしぱしぱと、寒さが走る。




『さっぶ!』

『さむいね。』

『あ!せや!』

『どうしたの?』

『これ!プレゼント。』

『嬉しい!信ちゃんが選んでくれたの?』

『せやで。』

『ほんとに!?』

『何でウソつかな、あかんねん。』

『ありがと!!』





そういって、プレゼントを抱きしめて、少し涙ぐみながら目をキラキラさせてるこいつに、やっぱりオレは、惚れてもうてるんやな、と実感する。



感覚よりも先に、体動いて、強引に、抱きしめてしまう。






『っ…!』


『好きやで。』


『…知ってる。』


『なんやねん。』








愛を込めて、軽く小突く。


キレイに、ウェーブを描いた髪の毛を、さらさらと揺らして、最高のスマイルを、僕に、くれた。












**









あとがきってやつです、はい。


本当は、これをオムニバス作品にしたかったのです。





プレゼントを買ったお店のショウタが主人公で、マイナス100度の恋。


ご飯を食べたレストランの店員タダヨシが主人公で、冬恋。






で、その中にまた、皆を登場させて、どんどんオムニバスにしたかったのです。





まあ、そんなことを考えていた2年前の冬…。実現ならず、完成は一作品のみとなりました。



せっかく書いたので、4周年蔵出しSPで大公開です!





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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なな)
2012-09-26 20:53:40
上級妄想者NaNaさんに私のある冬の日の妄想を見て頂きたいです。
そして、満星5つで得点をつけてほしいです。(ベタ+短めです)
~スタート~

デートの帰り。
彼はホットコーヒー、私はホットココアを飲みながら
雪の降る夜道を少しづつ2人で歩く。

「ココア飲むとあったまるな~」
「こうした方があったまるんちゃう?」

ギュッ

「///」

その後、私はずっと体が熱くなりながら
自分の家へ帰りました。

~完~

送ってもらってます。
小5からでも間に合うもので、妄想脳を育てる
ドラマ、小説等ありましたら教えてください
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