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おわんや巧日記

京都で木と漆にこだわったお椀の専門店「おわんや巧」の日々

山本隆博さんの工房を訪ねて

2017-03-01 20:41:08 | 今日のひとりごと
2016年12月、お忙しい中無理をいいまして、
福井県鯖江市河和田の山本隆博さんの工房をお訪ねしました。

2階の上塗り部屋です。
右に見える樽(たる)は中に漆が入っています。


布目八寸板皿の中塗りの様子を見せていただきました。


これは漆を濾す和紙、吉野紙です。


濾した漆を入れる容器を温めます。
(茶碗をやくというそうです)


濾し紙は湿度があると破れやすいので、少し電熱器にあてます。
(紙をやく、というそうです)


漆も電子レンジで1分温め紙の中に
乾きをゆっくりにするため、漆も温めます。


端をくるりとくるんで、


静かに濾していきます。
漆を濾す理由は、ゴミを取る事。
そして、濾せば濾すほどなおり(刷毛目がなく、面がきれい)がよくなるという事です。


さていよいよ塗りの作業ですが、
ここでおこなわれるのが、空バケ(からばけ)
漆を少しだけつけた刷毛で塗る面のほこりをとります。


いよいよ漆を塗ります。
始めはヘラで


その後、刷毛で塗り面をならします。


立ち上がりも


はみだした漆はちいさなヘラですくい取ります。


塗り上がった皿は漆が乾くまで、ゴミが付いたりしない様に、
一定の温度が保たれるように、風呂という所に入れておきます。
八寸の皿ならば、72枚入るそうです。


次は1階の研ぎの部屋で
京都のお寿司屋さんからの注文の小吸い物椀。


研ぐのは炭で。
水を付けて研ぎます。


小さな吸い物椀の底を研ぐのは大変です。



天井も柱も漆塗りのお座敷でお茶を頂戴しました。
床の間のお軸は恒松正敏の絵、寒山拾得。
花入れは信楽の守田蔵
花はわびすけ
テーマは12月14日、「山祭り」


水ようかんをごちそうになりました。
夏のものと思っていましたが、輪島地方でも冬に水ようかんを食べると聞いた事があります。


丁寧にお仕事を見せていただき、ありがとうございました。
いろいろ細かいお話も伺う事ができました。

なにより、無駄の無い手さばきに感心させられました。
数をこなして一人前になる産地ならではの厳しさから
生まれるものなんでしょうね。

それにしても、本当に楽しそうに手を動かす隆博さんの姿が
なにより印象に残りました。
お世話になりました。お忙しいところ、時間を作ってくださって、
ありがとうざいました。
お土産の水ようかんもありがとうございました。

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