ITネット社会の様相

オフィスヴォイスのコラムブログⅡです。

13-21 提案する量で評価する

2009年11月06日 | Weblog
 これからは意見をどんどんメールで送ってくる人を評価することだ。書くことでは、量をたくさん出すことがやがて必ず質の向上となる。だから、たくさん出せる雰囲気づくりと、内容問わず、回数や量を評価するところから始めることだ。
 やがて、そのなかから、よいものを選び、まとめ、評価して再回覧する。表記上で記名か無記名かは、うまく使いわけることだ。口から出るのはその場からすぐ消えるだけに、ぐちや出まかせになりがちだが、書いたものには前向きな提案になりやすい。書くということ自体、ポジティブなことだからだろう。書くことを徹底して教育することだ。

○評価は、結果ではなくプロセスで
 クリエイティブな仕事は完成のないものだから、評価は、結果でなく、プロセスでしなくてはいけない。
 一人を結果だけで評価すると、必ず、不平等感がおこる。もともと評価は、不平等なものである。これを認めることも必要であろう。
 スポーツ選手の給与も、チームが優勝しても、一人ひとり全く違う。それは、優勝という結果でなく、優勝までのプロセスへの貢献度で評価されているからである。いかに努力しても、プロセスへの貢献が表れなくては、やはり評価されない。数字に出なくては、評価にならないのも、プロだからである。

13-20 ニーズ吸収にフォーマットの採用

2009年11月04日 | Weblog
 販売は、実績を出すことも大切だが、どのようなニーズがあるかを吸い上げることに重きをおくことである。ニーズというのは、相手の期待だけでなく、不満、クレームを含む。むしろ、満たされていないもの、欠けているものである。つまり、未来の開発、サービスのための材料となるものは全てニーズである。
 だから、そういうものをうまく吸い上げ、対策を立て実行することを評価とすればよい。そのためには、ニーズの情報を、フォーマットに記入し、それを提出させる仕組みをつくる。そして、そのフォーマットの枚数(できたら内容も含め)で、個別に成績を評価する体制にする。仕事を時間や売り上げでなく、報告書で評価するのである。
 企画や営業は売り上げ数値以外の評価は難しい。この数値の評価にしても、配属先の条件など本人の努力以外の要素によるところも大きいから、必ずしも的を得ていない。内容で評価するなら、書き出させてみるのが最もよい。そういうフォーマットをつくることが先決だろう。

○まねできるようならノウハウではない
 何ごとにおいても、ノウハウというものは、標準化されるほどに本当のところ、使えなくなるものだ。ところが、これが端目には一見、効果をあげているようにみえる。そのノウハウに権威がついていると尚さらである。
 他社のノウハウを使えるということはすでに、そのノウハウなどいらないレベルにおいてはじめて可能なのである。絶対に盗まれないのが本当のノウハウであり、それが盗まれるくらいなら、ノウハウでも何でもない。
 だから、ノウハウはどんどん出していき、そして次々と新しいノウハウがつくれるようにしていくことだ。ノウハウを誇るのでなく、次々によりよいノウハウをつくる力を誇るべきなのである。

13-19 報酬の対象と昇進の対象

2009年11月02日 | Weblog
 これまでの上下の階層組織でなく、横のネットワーク型で仕事を進めるようになると、昇進が報酬ではなくなる。
 本来、成績とは、実績、つまり結果であり、能力とは可能性である。全社員一人ひとりが結果を出しつつ、さらに成長、発展するための能力を磨く必要性を、常に意識していることが、会社と本人と、相方の利益になる。もちろん学習しようという意欲も、これからの仕事への準備として幾分は報酬の対象となってもよい。
 だから、現在、よい仕事をしているということに対しての報酬は給与で、昇進は新しくつくポストで職務を遂行する能力に基づいて行なわれるようになるだろう。
 終身雇用制、年功序列が崩れゆくとしたら、能力のある人はあとにまわし、能力のない人は先に受けている(あとにも、もらうからずっと得であった)実力不相応の給与の体系も変わるざるをえない。
 昇進とは、その人がやりたいことをやりたいようにやれるような条件を与えることとなろう。

13-18 評価の方法、ノウハウについて

2009年10月30日 | Weblog
○仕事が生み出した価値を評価する
 拘束時間やそれまで勤めた年月ではなく、仕事が生み出した価値に対して報酬が与えられるようになる。
 価値がどのくらい生み出されたかという、評価は簡単ではない。時間拘束料でないため、評価を徹底させる環境づくりも難しい。いわば、こういう能力の評価は、えこひいき的な疑惑をも生じやすいし、評価する基準を決めるところが大変だ。何度も変更が必要とされるし、変更自体の基準も難しい。それとて、人間が評価する以上、完全に客観的な評価は無理だからである。平等を旨とし、将来の可能性を加味し、成績の悪いのは上司の指導が悪いとする日本においては、実力の評価制度が定着するには至難を極めよう。
 実力の評価の例に、Jリーグの例で述べてみると(プロ野球でもよいが、野球は、評価が個人別にすべて数字で出る分、特殊である)、チームが優勝したら、全体の評価はあがり、見返りと翌年の期待料としての年俸が上がる。しかし、同じ苦労をして優勝したメンバーのおのおのの年俸にはかなりの差がある。それは個々の活躍に応じて評価が下されるからである。もちろん、出場しない選手の年俸は、低い。健康を害したり、問題を起こしても、下がる。戦力にならないと首になる。厳しいものである。

13-17 ESはCSに負う

2009年10月28日 | Weblog
 サービスを荷う従業員の満足のことを、ES(Employee Satisfaction)という。ニーズを読むのに、CSよりもESを考える方が早いときもある。従業員もお客だというだけではない。CSはすべてESに負うことになるからである。
 毎日、従業員がベストで働ける環境を整えること、心理的にもよい状態をひき出してやることが全ての基本である。

○権限の委譲についての二つの解決法
 顧客満足について、権限を委譲するにあたっては、非常に難しい問題が存在する。権限は、責任とリスクの上にあるからだ。
 一つは、緊急度(顧客の困る度合)や金銭面での上限を設け、これを一事例として、範囲を決めることである。そのなかで権限を与える。個人の裁量を無制限に与えて評価する契約である。
 もう一つは、すべてのハプニングにも投資して客の評判という将来的利益を得る考えを徹底させることである。この評価も結構、難しい。

13-16 従業員の改善提案も取り込め

2009年10月26日 | Weblog
 お客よりも従業員の方がお客の立場がわかることは少なくない。文句を言うお客は、よい意味で固定ファンであり、必ずしも、お客の平均的レベル(大多数)の感じていることとは違うからだ。だから、従業員に改善改良の提案を毎日出してもらい、それで評価するようにすればよい。アルバイトも、時給800円なら、もう200円のせ、その時間に気づいたことを5行書かせる。何と安く効果的なリサーチであろうか。
 ワン報告ワンメッセージ、これを社員やアルバイトの人にお願いする。一つの報告に感想でも気づいたことでも必ず一つ、自分の思いを加えるということである。誰もが言いたいことは山ともっている。それをとり入れ、生かせるシステムづくりこそ、明日の理想的な企業づくりである。

○会社は誰を支え、誰に支えられているか
 そろそろ、競争相手との差別化や、マーケットシェアの確保ばかり考えるのはやめ、一度、誰を支えて生き、誰に支えられているかを煮つめてみるとよい。地域のヒーロー、母校のヒーロー、いろんなところにヒーローがいる。あなたの会社はどこのヒーロー、何のヒーローなのだろうか。この答えがはっきりしている会社が、これからのエクセレントカンパニーである。この答えを出すように努力する会社でありたいものである。

13-15 本当の意味でのCSを成立させること

2009年10月23日 | Weblog
 個としてクリエイティブに働こうとする人が増えてくると、そこに必ずしも会社に対する求心力が働くわけはない。欧米のような契約社会ではないから、尚さら上司やトップをみて仕事をするとは限らない。
 そういう人たちは、高い志さえあれば、プロジェクトとなっても、企業を超えて社会のために活動するようになる。そこに、本当の意味のCSが成立すると思いたい。
 企業は、それを支援することで、社会に認められ、あとから利がついてくる。
 こういう人たちは、一芸精神をもち、人類の文化に貢献すべき思考を創り上げていくだろう。なぜなら、こういうプロセスを常に創造していくことこそ、文化芸術活動そのものだからである。

○本質からずれたCS競争の愚かさ
 CSの重要性が今さらながら言われているが、どうも本質からずれている。CSとても皆で競争すると、結局は、ディスカウント競争と同じく、おたがい首を締めあうだけだ。今は先にやったところが評価され効果をあげているだけで、次々とそれをまねるところが現れたら、それはあたりまえのことになり、お客もあたりまえに思うとCSでなくなる。結局、安く長く働き、奉仕できる企業が勝つ。
 そんなことでは、ES(従業員の満足度)と両立しない。社員の犠牲の上に成り立つCSは、本当のCSではあるまい。だから、他社に絶対まねできないCSでなければならないのだ。
 CSとは、プロのサービスをプロの料金でやることである。それでこそ、社員の生きがいや満足にもつながってくる。そのためには、社員が苦労してプロとなるしかない。つまり、人間を深く理解し、自分の仕事観を確立した社員によって高質のサービスが行なわれなくてはならないのである。

13-14 例外的状況のためのバイパスづくり

2009年10月21日 | Weblog
 クレームや不慮の事態が起きたとき、これは、お客さんとの接点でのできごとだから、最も大切なこととして扱うべき事柄となる。これを社員教育だけで徹底するのは大変だ。どこの企業もそれだけで苦労している。
 そこで、情報技術を使って支援する。つまり、こういうことに対しては、速達の書き留め便をつくり、他の何よりも優先させて処理せざるを得ないようなシステムを予めつくっておくのだ。
 一度、何かが起きたときが、つくるチャンスでもある。すぐに皆に知らせ、さらに対策案がつくれるような環境にしていく。
 「お茶ください」というお客さんの声があったときに、決められた時間だといって、トイレ掃除を優先する人はいない。ところが、配膳と勘定とを同時に異なるお客さんが求めたときにどうするか。賄い場の人が配膳すればすむ話なのである。こういうパターンは、コンピュータの画面上でもシミュレーションできる。スポーツの作戦会議のようにシミュレーションをしておくとよいだろう。
 さらに、お客の不満顔から原因をよみとって、常に新しく、解決の方法をつくっていくことである。こういうことにネット技術は、いろいろと使えよう。一日の終わりのミーティングで、必ず一人ひとつの提案、あるいは、「今日のお客さんの不満顔」といったことを発表しあうとよいだろう。

13-13 会社の哲学を学び個人の信条をもつ

2009年10月19日 | Weblog
 CSを進めようとするほど、会社の原点、さらにそこから培われ、継承されてきた経営陣の哲学を知ることがますます必要になる。お客さんの言うがままにすべてのサービスをすればよいのでなく、会社のビジョンに基づいてそれを行なわなくてはいけないからである。
 いくら裁量を与えられても、判断は、個人としてでなく、会社の一員として行なわなくてはならない。ここを間違わないことだ。
 そこで、最も難しいのは、あなたが目の前のお客さんの最大の利益(サービス)を与えることが、他の多くのお客さんの不利益をもたらす場合である。目の前に今いるお客さんは見えるが、他の多くのお客さん(将来も含めて)は見えにくい。だから、その判断を適確に行なうには会社の哲学を知ることが必要となる。そして、そのことは常に会社のあり方、これからの会社の行き先を問うことにもなる。
 さらに、ネット社会のように大きなパラダイムの変換が起こるときは、企業やビジネス社会そのものの基盤からを問わなくてはならなくなるだろう。こうなると正解はない。また、個人の人生観や信条に戻るようになるのである。

13-12 マネージャーは現場にはりつけ

2009年10月16日 | Weblog
 これからのマネジャーは、従業員に期待すること(価値)を、自ら関わり行動することで、表明しつづけることだ。
 現場に足を運んだり、顧客に直接、声をかけることは、直接的な顧客サービスではない。それについては、現場に委ねればよい。しかし、短い時間であっても、社員にお客様第一であることをパフォーマンスするとともに、現場で社員が働くために、何が不足しているか、客はどう思っているのかを見抜き、即、対策を練ることに全力を傾けるべきである。
 わからなければ、わかるまで現場にはりつく。こういったことは、今のところ日本の叩き上げのマネジャーには、わかりきっていることだけに、大して必要ないと思われている嫌いがあるが、だからこそ、やってみるべきだろう。
 お客も世の中の流れも、そして、何よりも自分の会社の行き先も変わっているかもしれない。常に、初心に立ち返ってやることが大切である。
 ましてや、現場をあまり知らないマネジャー(エリート、転職者)には必修である。これからは、そういう人の方が多くなるだろうから、現場に足を運んで期待することを示すことは、大切なマーケーットリサーチを兼ねたコミュニケーションになる。
 上司としてでなく、コーチとして、アドバイザーとしてマネジャーは存在するのである。