ITネット社会の様相

オフィスヴォイスのコラムブログⅡです。

6-14 ネット時代の仕事術

2008年11月28日 | Weblog
○能力のPR
 自分のもつ能力をPRして、仕事を頼まれるようにしていく。つまり、今でなく将来的な仕事を常にとるように行動するのである。信用づくりといわれるものである。

○才能のある人を見抜く
 スポーツ選手には、年齢的な限界があるが、ビジネスは、よい仕事さえしっかりとやれば、年々有利になる。力がついて名が売れたあとになれば、当然、高くなる。そういう人を見つけて、早いうちから投資し、信頼関係を結んでおくことだろう。そういう見極めのできる眼が必要となる。

○情報としての読み方
 これは編集をして読むことであり、コンセプトを抑えつつ、ダイジェストしていき、対話する能力が必要となる。
 行動の仕方も時間からはずれ感動を軸に動くようになる。本も1冊を何分で読むというのでなく、60分でいくつの感動、もしくは学べるかという読み方をする。これはインタラクティブなことで、1冊で10枚のレポートを書くのでなく、10枚のレポートに値いする分の本を読む、もしくは本の読んだ冊数に関わらず、それに自分のなかから発想したことを加えて10枚のレポートにする方をよしとするわけだ。

○蓄積と再利用を常に考える
 キーボードで文字を入力するということは、アナログをデジタルにすること、いうなれば情報をさまざまなメディアに自由に乗せる形にすることを示す。となると、考えるべきことは、その情報の蓄積と再利用である。そこから、コストを計算するという仕事を考えていくべきだろう。一つのニュースソースをいろいろな媒体へ応用していくと、それによって再生産も可となる。そして、始めて利益となる。
 知的生産業においては、初めての相手先との仕事は、一円入札のようなもので、能力をシェアすることが主となる。そのため利益はあまり見込めないことが多い。学んだり、創る手間は、しばしば赤字となる。しかし、そこで得たノウハウで、次からのコストは極端に安くなり高収益となる。

6-13 知的生産性でなく創造性をもつ

2008年11月26日 | Weblog
 日本の企業でも、創造性はある。しかし、その多くは改善であり、創造ではないとはよく言われている。それが日本の研究体質であり、応用技術ばかりで基礎研究は尚ざりである。
 ヒット率の高いことが評価されるが、よくあたるのは、研究でなく、事業計画だからである。ヒットばかりであり、ホームランは出ない。本当の研究は100に一つあたり、それでもとがとれるようなことではなかろうか。二番煎じ、ものまね、二匹目のどじょうねらいとは、創造性とは、全く違うことを確認しておきたい。
 日本でアントレプレナーが生まれにくいのも、独創に、そして、それを荷う個人に価値を認めないからである。さらに個人に投資しないし、個人として投資できるパトロンも少ない。
 知的生産性向上をシステム化したプログラムやセミナーは、日本人好みの改善に過ぎない。企業の多くの問題に対し、少ない人数で担当し、早く情報を集め、その対策をレポート化することは、編集の部分に相当する。これは、決して創造ではない。
 だから、これでは、ゲームやおもちゃのヒット商品や本のベストセラーなどを生み出すことは難しい。ましてや、来るべき新しい世の中の社会システム、そこでの原理などは導び出しようもない。できないのではなく、考えようとしないのが問題だ。
 知的生産性をあげるための効率化、目標管理と、知的仕事そのものを生みだすための方法は違う。これは、創造的な仕事の第一線でビジネスとしても大きな分野となったゲームのプログラマーや漫画家から、ものの見方や創造のノウハウを学ぶとよい。

6-12 イマジネーションとセンスを高める

2008年11月24日 | Weblog
 ネットは、自分の伝えたいイメージを現出させるためのツールである。たとえば、はじめて広告をつくりたいというときには、多くの広告を見て、イメージに似たものを捜しつつ、さらにイメージを固めていくプロセスを踏むだろう。
 ネットは、多くの広告パターンを示してくれるだけではなく、ロゴや色や位置をその場で変えていくとともに、さらに豊かなイメージを誘引する。そこでプリントアウトまでできてしまうのだ。
 そうなると、センスがあれば、へたなデザイナーなどはいらない。自分でつくれる。ワープロが清書屋、和文タイプライタ、DTPが写植屋や簡易印刷を不要としていったように、デザイナーもいらなくなる。
 イメージを正確に相手に伝える、豊かに伝える世界は、映像のプロしかもっていなかったセンスが必要とされる。

○マニュアルから脱却として、型を身につける
 人とのコミュニケーションを問題なくやっていくのに、マニュアルが使われるようになり、今の若者はマニュアルづけといってもよい状態になっている。いや、今に限らず、会社人間とやらもマニュアルの権化だった。
 しかし、“日本のサラリーマン”は、そのマニュアルを「型」にまで美しくも高めてしまった。人が人とうまくやっていくには型が必要である。若者に欠けているのは、その型である。これがビジネス、ひいては人間づきあいの秘訣、そして基本なのである。

6-11 発想型人間になる

2008年11月21日 | Weblog
 パソコンが一人一台になると、そこで思考するようになる。これまで情報処理として使っていたのを主として、発想するのにも使うようになる。答えを出すのでなく、問いを発するスタイルに仕事が変わるのである。これによって、発想型人間が多くなる。
 発想などは理詰めとワープであるから、アナログ思考とデジタル思考が自由に切り換えられるとよくなりそうに思う。
 事務処理速度が早くなると、そこにどんどんと発案が促される秘訣がある。発案は一瞬であるから、それを現実化させるための処理も一瞬であるのが理想であろう。だから、早く書けること(これからは早くタイプできること)が大切だ。そのために、私はTF式情報システムを考案し、実行している。リアルタイムでの情報処理術を身につけることだ。

○創造的な仕事、生活をするためには、
 ・創造のおもしろさを知る
 ・創造する人と作品に接する
 ・創造のテーマを自分で発見する
 ・創造の場と発表の場(メディア)を設ける
○情報収集などは、単なるカンニングであり、そこでまとめて、編集するだけでなく、新たに創造する力が問われる。
○計算、記憶力よりも、判断力、言語処理能力、交渉力、情報収集力、ものを書く力が問われる。

6-10 発想を導くシステムをつくる

2008年11月19日 | Weblog
 これまでの情報は、始めから終りまで絵巻物のようにつながっていた。本になって、ページごとに分けて、索引もつけられるようになったが、これがさらに情報から情報へ飛ぶことができるようになった。発想は、思考から飛ぶところに生じるから、発想のトレーニングになる。シーケンシャル(前→後へ)な書き方からの発想は難しい。連想の働くように人間の思考に合った索引をつくる。カードのまま書いていくと、自動的に関連がつくようになり、読む方も楽になる。

○時間の流れで編集する
 文字テキストは、原稿用紙で書き、枚数、ページで編集するが、ビデオはタイムコードになる。これからは原稿もタイムコードをつけて、並びかえたりできるかもしれない。枚数でなく時間でカウントされることが多くなる。
 ネットでは、時間と同期(映像、音などのタイミングを合わすこと シンクロナイゼーション)を考える必要がでてくる。

○名を出す仕事をする
 感動は、制作者の思い入れが伝わってくるからである。作品で本の奥づけにあたるのがクレジットタイトルで、制作者の名前が入っている。よくとも悪くとも名前を出すのは、作品だからである(映画も同じ)。これからは名を出す仕事が多くなるだろう。評価、実績とともに、責任を個人名で問われるようになる。

6-9 データベースを使い切る

2008年11月17日 | Weblog
 多くのデータベースが完備されていくと、当然、どれをどう使うかというノウハウとともにそれを整理するノウハウも必要となる。事典への編纂委員会みたいなものができ、全世界の知識をまとめるようになろう。
 しかし、これがどのくらい役立つかというと、アクセスの時間の省略分くらいであろう。しかし、一つのことをわずかな時間で多くの百科辞典で比べながら読めることは、とてもありがたい。すべてが一つにまとめられるよりも、多くの情報が参照できる方がメリットである。
 特に人物プロフィルなどは、いくつもの違う形のものを見て比べたい(もちろん紳士録のように載せたい人が料金を払うようなものも出てこよう)。
 一つのことばを引くと、何百、あるいは何千種類の解説が出てくるというのは、結局、使えない。すると、その監修者やネットワークが、ちょうど今の出版社のように、信頼に足る地位をもち、権威となっていくだろう。
 図書館に収容されない雑誌類などもデータベースに含まれる。雑誌も索引つきで保存され、マスコミによく利用される大宅文庫の巨大版ともなろう。一人のライターの過去の全仕事などが瞬時にわかるようになる。
 最も問題なのは、多くの人がデータベースに登録していくと、多くの間違いが起こり、それは直している時間もとれないということだ。名誉訴損などの訴訟も多くなるだろう。

6-8 才能の出口をつくること

2008年11月14日 | Weblog
 プロシューマーとは、Product+Consumerの造語、つまり、ものをつくる人で、しかも高い感性をもつ生活者(消費者)である。
 ネット社会とは感性を表現する社会である。プロシューマーの中心となる社会となる。小説家となって、小説を書く。出版人となって出版する。デザイナーとなってポスターちらしをつくり、画家となって絵画を描いたり画廊へいく、写真家となって写真をとる。映画監督となって撮影する。それだけでなく、これらをすべて、一本の作品に統合する。
 大切なのは出口である。アートが一般化され、誰もが参加できても、充分なアウトプットの場をもつのは、難しい。以前は、作品を書いていた人が多くても、流通の手段をもてなかった。これからは、流通までの手段は誰もが安く手に入れられるようになる。しかし、その先がつくれないというように変わるだけだ。
 ただ、流通やメディアが支配していたときは、コネや自由な金や時間があったというだけで、大した才能もなく、アウトプットできていた人たちが少なくない。これからは才能が問われよう。
 形にしやすい環境やツールを与えられることで、才能はみえてくる。その機会と少しでも表現しやすいツールを手に入れることで、発表しやすくなる。生涯、認められようが、認められまいが、発表しつづけるという時代になるかもしれない。また、日本にも有力なプロデューサーやパトロンが生まれることを期待したい。

6-7 ネット時代に必要とされる人

2008年11月12日 | Weblog
 ネット時代に必要とされる人とは、
●ネットの使い方のコーチやサーチャー…知識より判断が大切。決定に必要な情報をすぐに得られるようにする。人に経験や情報を与えるシステムをつくれる人。
●カスタムアドバイザー…メーカーの品質保証より、個別対応へ重点がおかれる。働くことは、他の人への高い満足を提供することになる。それをフォローする人。
●コーディネーター(脚本家、監督)…メンバーの意見をうまくひき出し、全体の流れを盛りあげる人。
●画像の編集技術、効果的な処理のできる人…ネットを創造的に利用し、その結果を蓄積するシステムを築く。それを扱う能力が問われる。
●著作権、肖像の問題に詳しい人。
●絶対に強い専門をもつ人…専門家はどんどん必要になるし、あらゆる分野で活用されていく。そのコミュニケーションはネットワークで行なわれる。どの分野でもよいから、徹底した深い専門分野をもつことが貴重となろう。誰でも本など書けるようになると、専門をもたないライターなどは大変になる。
●クリエイター…制作を組織化する力をもつ。ビジネスの哲学が問われる。
●オリジナルのコンセプトを考える人…アイデアを出す人。まだ見えない分野での体系化をはかることが評価される。
●スタンダードとなる規範をつくる人…欧米人にとってスタンダードとは、自分の思いついたコンセプトを他人に実行させる枠組み。それを標準化とは最も創造的な仕事の一つである。
●ブレーンアドバイザー…ハイレベルの知識、知力を獲得し、それを駆使して問題解決の糸口を与える人。

6-6 転職がメジャーになる

2008年11月10日 | Weblog
 転職、脱サラ、独立があたりまえになる。最も業界内でのスペシャリストとして会社との結びつきの強いエンジニアであっても、仕事そのものが従来の専門を超えていくから、通信の会社の人が、家電業界へ、放送局の人がコンピュータの会社へ就職するとしても、不思議でなくなる。一つの会社や業界で生きる人の方が少なくなる。これまでの業界という区分けはなくなっていく。

 これから求められる人材の条件としては、次のような資質が必要だろう。
・プロのセンス 意欲、好奇心、頭の柔らかさ
・戦略構築力、感激の心、行動力(積極性)
・問題発掘力、解決力、専門的知識と応用力、交渉力
・楽観的、明るさ
・加えて、話題、教養、ウィットがあり、ジョークのいえる人、表情豊かで声のしっかりした人が求められる。
 昔は、字のきれいな人、そしてワープロの早く打てる人が重宝された。これからは吹き込む声のきれいな人が求められる。そのトレーニングも必要だろう。顔の表情も大切だ。カラー化動画の組み込みで、第一印象が評価され、効果は高まる。

6-5 無秩序な混乱となるまえに

2008年11月07日 | Weblog
 無秩序な混乱となるまえに、リスクのない安定を求めると、権力は再構築され新たなヒエラルギーを生み出すかもしれない。今、既存のあらゆる体制の崩壊と世代交替に対して、もう少し大きくいうと、パラダイムの変換、その変化にネットという概念が使われているとみられる。
 アメリカは、ベビーブーマーの政権が、軍事や経済力でなく、情報力で世界を支配できるよう(というより、いつの時代も必要なアメリカをまとめるための国の名目をそこにとろうと)しているのだ。
 日本もそういう道を選ぶのなら、アメリカのようなビジョンを掲げる国家とならなくてはなるまい。オーケストラやJリーグのように、皆、それぞれ違うことをしつつ、トータルとしては一つの方向をとる。そうでないと社会は成立しない。その高度なネットワークがどう構築するかは難しい。地球規模のリエンジニアリングとなるのだ。