ロシアによるウクライナの破壊は目に余るものがある。あの惨状は私の子供時代の風景です。一面、空襲による瓦礫の山。衣食住に事欠いた日々・・・。
プーチン大統領は、ウクライナを「ネオナチ」と決めつけるが、ロシアの軍事侵攻前、ゼレンスキー大統領とポロシェンコ前大統領の政策に「ナチ」的な人種差別政策や攻撃的軍事体制は見られなかった。だからこそ、日米欧など約40か国のほか、欧州連合(EU)など国際機関の代表が、2022年7月4、5日、スイス・ルガーノで国際会議を開き、ウクライナの復興資金7500億ドル(約101兆円)に各国が貢献する意思表示をしたのだ。その会議で、参加国・機関は復興に向けた原則を定めた「ルガーノ宣言」を採択している。
「ネオナチ」というなら、ロシアの軍事侵攻こそ「ネオナチ」的だ。ロシアは侵攻前、ウクライナに何の予告もなく、いかなる話し合いの申し入れをすることなく、一方的に戦車隊を送り込み、「降伏せよ」と迫った。この暴挙こそ「ナチ」的であろう。
プーチン大統領はウクライナの即時降伏を読んでいたのだろうが、ウクライナの降伏はなく、大誤算だ。彼は、大量核兵器を有するロシアの戦力を過信していたのだ。軍事大国に独裁者が現れることの危険性を証明した。軍事侵攻の結果、ウクライナ社会を破壊し、両国で多数の死者を出し、多数の悲劇をもたらしている。ここに、国民の安寧をもたらすべき政治家の姿はない。
我が国は敵基地攻撃能力を含め、軍事大国になってはならない。ミサイルが飛んでくると恐れるのなら、防空体制を強化し、ミサイル撃墜技術を開発すべきだろう。防衛省は米国製の巡航ミサイル「トマホーク」を、2027年度までをメドに最大500発の購入を検討している。これだけのお金があれば、ミサイル撃墜技術の開発に益するであろう。その研究は我が国のテクノロジーの発展に寄与するし、科学者たちは平和な職を得られることに満足するだろう。
台湾有事で、日本政府は台湾を守るために中国と戦争する気なのか。戦争は御免だ!専守防衛に徹するべきだ!