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各種のお知らせと季節のたより

桜蔭会 京都支部
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葵祭の行列を見る

2024-05-16 00:24:21 | 季節の便り

毎年5月15日に、葵祭(賀茂祭)社頭の儀の行列が行われます。

京都御所を朝の10時半に出発した斎王代(さいおうだい)の御一行は、お昼前に下鴨神社に到着。
休憩の後、午後2時20分に下鴨神社を出て、上賀茂神社へ向かいます(全行程約8km)。

下鴨神社を出発する時刻には、近くの沿道に切れ目なく見物人が集まっていました。
行事進行も警察官による交通規制も、手慣れた感じで予定ぴったりに進んでいきます。

粛々と行列が近づいてきました。
参加する人は500人ほど。
かわいらしい子供たちも、たくさん参加しています。
頭にカツラの小枝とフタバアオイの葉っぱの飾りをつけています。
検非違使が先導、立派な装飾をつけた馬に乗った勅使の後、お待ちかねの斎王代へを続く行列。
その間に、馬36頭、牛4頭、屋根のへりに藤の花を垂らした牛車が2基、輿1台。
牡丹や山吹で飾った風流笠。いろんな荷物、楽器も運ばれます。

優雅な王朝絵巻。行列の長さは約1kmだそうです。

 

輿に乗る斎王代。主役の女性の登場です。

 

祭が過ぎて…。
午前中に有料観覧席が設けられていた下鴨神社の参道。
新緑の中を行く行列は、TVでおなじみでしょう。
これから、また静かな糺の森に戻ります。

下鴨神社の駐車場の一部は、馬や牛をつなぐ場所に早変わりしていましたが、もうひっそり。

 

葵祭の日に食べるごちそうは鯖寿司。
数日前に近所のお店のチラシが入っていました。


わが家の庭の片隅にも、この時期フタバアオイの葉が出ています。
暑さに弱いらしく、8月くらいになると消えてしまいます。

 

〔投稿:SI〕


大田神社のカキツバタ群落

2024-05-15 21:31:46 | 季節の便り

上賀茂神社から1km弱東へ行ったところに、大田(おおた)神社があります。
神社の入り口の右手に自然群生するカキツバタを見に来ました。
ここは深泥池(みどろがいけ)と同様に、10000年前からの湿原のなごりだそうです。
平安時代にもカキツバタの名所として知られていました。

ここは神山(こうやま)の南麓。
湧水が常に流れ込んでいます。

この湧水にしか住めないというタゴガエルが保護されています。
姿は見えませんでしたが、独特の鳴き声が聞こえていました。

 

「わっしょい、わっしょい」とにぎやかな掛け声が聞こえてきて…
子どもたちがおみこしを担いでやってきて、社殿に奉納しました。

やがて解散となり、ご褒美をもらっておうちに帰る子供たち。
「昼ごはん食べたら、また葵祭見に行こな。」
元気な会話が聞こえてきます。
楽しい一日のようですね。

今日は5月15日。
葵祭の社頭の儀(斎王代が御所から下鴨神社を経て上賀茂神社に行列する)が行われています。
行列が上賀茂神社に到着するのは、午後3時くらいでしょうか。

神社を出たところで、すぐそばに石碑を見つけました。
北大路魯山人さんは上賀茂生まれだったのですね。

 

〔投稿:SI〕

 

 

 


保津峡から清滝川を辿って高尾・栂尾(とがのお)へ

2024-05-11 00:11:35 | 季節の便り


京都駅からJR嵯峨野山陰線で約20分、「保津峡」駅で下車して、薫風のハイキングを始めます。
この駅は、保津川の渓谷をまたぐ橋の上にあります。
保津川下りの舟が下を行くのが見えました。



しばらく保津川に沿って歩きます。
緑色を帯びた水色がきれい。対岸にトロッコ列車の軌道が見えます。

 


落合橋から下を流れる清滝川を見ると、その名の通りの清流です。


ここからは清滝川の川辺に降りて、川上に向かって流れに沿って歩きます。


若葉がまぶしく、鳥やカジカガエルの声が絶え間なく聞こえます。
木陰の多いルートで、爽やかな風が吹いています。
道は全体的には緩やかな登り。
険しくはないのですが、たまにすべりやすい岩場があります。


流れが穏やかな淵に新緑が映ります。


高尾橋。ここから神護寺(じんごじ)に上がれるのですが、今回は通過。

 

途中お弁当休憩をはさみ、保津峡駅から歩き始めてほぼ4時間。
栂尾高山寺(こうざんじ)に着きました。


青紅葉に迎えられました。白塗りの塀にも、モミジの影が映っています。

 


「石水院」(鎌倉時代に明恵〔みょうえ〕上人が後鳥羽上皇から賜った寝殿造の建物。国宝)の広縁と、広縁から眺める苔を敷き詰めた庭園。

「石水院」の屋内には、有名な「鳥獣戯画」、樹上で座禅をする明恵上人と寄ってくるリスや小鳥を描いた掛け軸、明恵上人が愛した子犬の置物などが展示されています(本物は京都国立博物館などに寄託され、展示はレプリカ)。
風通しのよい座敷に腰をおろし、近くの若緑や、周山街道を挟んだ向こう側の山に整然と植えられた北山杉の濃い緑を眺めていると、心からリラックスできました。

 


明恵上人は栄西から中国伝来のお茶の種を贈られ、ここで育てたのだそうです。
宇治茶より早い、日本のお茶の発祥の地。

 


2018年の台風で、高山寺境内の樹齢100~300年の大木が300本以上倒されてしまいました。
以前はうっそうとしていた境内の真ん中が、切り株だらけの空き地になっています。

〔投稿:SI〕

 

 


智積院(ちしゃくいん)と宝物館

2024-05-08 20:42:06 | 季節の便り

(見出し写真は、「真言宗智山派総本山智積院展示収蔵庫宝物館」パンフレットより)

 


(国宝の「桜図」〔長谷川久蔵作〕・「楓図」〔長谷川等伯作〕/総本山智積院HPより)

智積院に、2023年に新しい宝物館がオープンしました。
桃山文化を代表する、長谷川等伯一門による障壁画などが収蔵されています。
GWが終わって混雑も一息ついたようなので、東山の新緑に誘われて行ってみました。

「桜図」に描かれた満開の八重桜。
花びらは、胡粉(ごふん・貝殻の炭酸カルシウムを細かい粉にしたもの)を盛り上げて立体的に仕上げ、豪華さを増しています。
長谷川等伯の息子の久蔵(25歳)の作で、若さと才能が画面から溢れているようです。
しかし久蔵は翌年亡くなり、父の等伯は失意を乗り越えて、対になる「楓図」を力強く描き上げました。

等伯父子がこれらの作品を納めたのは、豊臣秀吉が幼くして亡くなった息子鶴松の菩提を弔うために、豊国寺域に作ったお寺でした。
その寺は豊臣氏の滅亡後、徳川家康から智積院に与えられ、「桜図」「楓図」も智積院の寺宝となりました。
その後、何度も火災に見舞われたのですが、その度に救い出されたおかげで、今私たちが見ることができます。
新しい建物に合わせるために寸法を詰められたり、切り貼りされたり…
絵柄がちゃんと繋がっていない部分があるのは、そういう訳です。
完成時の大きさや金箔や濃い青や緑がどんなに鮮やかだったかなど、作品の前に座ってゆっくり思いめぐらせることができました。


(新しい宝物館の外観)

 

戦後まで火災に悩まされた智積院には、古い建物はあまりなく、金堂は丈夫な鉄筋コンクリート造の昭和の建築です。

 

講堂は平成の木造建築です。良い趣が出てきているように思います。



講堂の奥にある庭園は江戸時代の作で、中国の廬山を模した高い築山からポトポト滴る滝がユニーク。
長江に似せて、池の水を粘土でわざと濁らせているのだそうです。

 

クスノキとモミジの新緑がまぶしい境内でした。

 

シランが綺麗に咲いていました。

 

〔投稿:SI〕

 


連休を締めくくる壬生狂言

2024-05-06 23:22:39 | 季節の便り

連休最後は壬生寺で春に定期開催される壬生狂言へ。

壬生寺は、貫主さんご長女が今年の葵祭の斎王代を務められるニュースも記憶に新しいですね。

 

お寺周辺は新撰組の町として誠スポットや和菓子屋さんが点在しています。

 

毎年5月に色々なお店の柏餅を食べ比べた結果、山椒が効いた白味噌餡が美味しい壬生寺近くの和菓子屋さんの柏餅がお気に入りになり、ここ最近は柏餅+壬生狂言鑑賞がこどもの日の私のお決まりコースです。

 

さて、壬生狂言は正式名称は「壬生大念佛狂言」といい、今から700年前の鎌倉時代に壬生寺を興隆した円覚上人が創始されたものだそうです。

「狂言」とついておりますが、狂言より能に近く、演者は全員仮面をつけ無言で演じられる宗教劇です。

春の壬生大念佛会は1公演5演目が披露され、最初の演目は最終日夜の部を除き「炮烙割」です。節分で奉納された炮烙が、2階にある舞台から次々と落とされ、割られていきます(いつも途中で落ちてしまわないかヒヤヒヤ)。

その後は、土蜘蛛や夜鳥など、壬生狂言特有の舞台飛び降り、綱渡りに驚く様な演目含め日替わりで上演です。

1演目約45分で全部見ると4時間半かかる長丁場ですが、終演時間が近づき会場の日差しが弱くなるにつれ、連休の終わりも感じるのでした。

〔投稿:KS〕