やまなかまへ

いい歳をした山好きから、お仲間への山行報告です。
次の山登りの参考になれば・・・

2011.9.23-24  釜ノ沢 変じて 信州沢東俣

2011-09-26 | インポート

天気に振り回されて、山行が次々と流れたこの夏、最後のチャンスに、笛吹川釜ノ沢を計画したのだが、次々に台風12号・15号と襲来し、各地で記録的な大雨と被害が続いた。
出発日の9月22日は台風15号が甲府を通過した翌日で、川の流水量は気になったが、ただ天気予報は台風一過の晴れを告げていた。

22日20時に出発。メンバーは、いつものDENAさんと、NSGMさんの女性2名。
「関東の風光明媚な初級者向けの沢」と聞いていたので、小屋は使わず、沢中泊でのんびりと歩くつもりだった。

4時ころ西沢渓谷のみとみ道の駅に到着。仮眠する。雨がしっかり降っている。行くかやめるか迷う。天気予報では9時過ぎには雨雲は通り過ぎるようだ。よし、行こう!!
林道を歩き出す。東沢山荘の前で矢印に従って直進しもどる。吊り橋を渡って、鶏冠山への道標に従って東沢沿いの山道に下りる。徒渉点には7~8人のパーティーがザイルを張って渡りかけていたが、あまりの水量に諦めて帰って行った。ここでザイルを出し最初の徒渉。この後先行者の足跡を追って鶏冠山方面に登る。ルードでは途中で左折の分岐があるはず。が、登れども登れどもそれらしきものがない。またまた引き返し河原へ出るP1000595と、すこし上流に赤ペンキがある。ルードが違っていた。やっと正しいルートに戻れ、すごい勢いで流れる絶景を楽しみながら沢沿いの道をたどる。ホラの貝のゴルジュなど、見所はたくさん!! 山の神で沢装備になるつもりだったのが最初の徒渉点で着けてしまっているので、そのまま、東沢の河原へと入っていく。多分、普段より川幅が広くなっているのだろう、流れを渡るのが一苦労。徒渉点を探し、腰近くまで入って、強い流れに逆らいながら、何度も徒渉を繰り返す。普段なら楽しくへつれそうな所や、流れの脇も、水流が凄まじく恐ろしくて通れない。ザイルを張ったり、スクラム徒渉したりとあの手この手で突破するが、どうしようもないところも次々と出てきて、必然、高巻きも増えてしまう。

1410付近の右岸の高巻きで、4時前になってしまい、テントサイトに使えそうな所もあったので今日の遡行を打ち切る。予定の2/3ほどしかこなせなかった。とても初級者の沢ではなかった。

24日は4時起きのはずが、DENAさんに起こしてもらうまで熟睡。慌てて、ツェルトをたたみ、6時に出発。昨日の遅れを取り返すべく、徒渉を繰り返す。この間で釜ノ沢の分岐を見落としてしまった。最初に気づいた分岐を釜ノ沢と信じ込んで遡行を継続。P1000607
滝が出てくるはずなのに・・あのナメ状の滝のことかなあ・・・小滝が出てくるはずなのに・・・あの何段かの滝のことだったのかなあ・・・。長いナメもあって 何回か3人で地図をにらむが、テン場から最初の沢だから間違いないはず・・・。  そして再び二叉。釜ノ沢なら両門の滝のあるはずのところ。アレ・なんにもない・・。信州沢に入ってしまっているのにやっと気づいた。さてどうするか・・。もどるにしても、沢の下りは時間がかかるし、昨日のペースなら小屋までがぎりぎりか。 下山は水量を考えれば無理。 このまま沢を詰め上がることにして、甲武信岳に近い尾根に突き上げる東俣を選ぶ。このあたりから水量も減り、いつもの沢登りの雰囲気になってきた。しかし、滝はなく淡々と河原を上るばかり。次の二叉も右股をとり1800付近の二叉で、そのまま行くと大岸壁になる源流部を避け、左を取る。流れが消えたあたりで左の支尾根の稜線へと取り付く。尾根上は石楠花のブッシュで獣道もない。すぐにクラが立ちはだかるが左の斜面をトラバースしながら高度を稼ぐ。岩場のルンゼ状に緩くなってるところで10㍍ほどのクライミングでクラ上にでる。P9240051
石楠花の藪こぎと10メートル程度の何回かのクライミングのあと、傾斜が落ちてきて縦走路のある尾根に飛び出す。2時間以上をクラの突破に費やしてしまった。出たところは"両門の頭"の西側だった。この後、両門の頭・富士見・水師から甲武信岳・こぶし小屋から木賊山戸渡尾根から徳ちゃん新道経由で駐車場へと下山。車には19:25の到着。13時間を超える行動時間になった。

帰路は風呂と食事の心配ばかり。すぐに白竜館という旅館の温泉を見つけさっぱり出来た。甲府市内で遅い夕食を済ませ、和歌山には翌日の4:30到着。永い一日が終わった。