九月(長月)
9月を迎え、(たとえ日中の気温がまだ高くても)、
真夏とは明らかに違う空気の感触・・・
8月の大雨は各地で土砂災害・浸水をもたらし、多くの方が犠牲となりました。
犠牲となられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます
気象庁は、西日本各地に大規模な被害が出た記録的大雨を、
「平成二十六年八月豪雨」と命名したと、8月22日に発表しました。
“顕著な災害を起こした自然現象(気象現象、地震・火山現象)に関し、
大規模災害の経験や教訓を将来に共通認識として伝える観点から”、
気象庁は統一的な名称を定めている・・・そうです。
8月20日に起きた広島地方豪雨・土砂災害の被害状況を取り上げた某局のテレビ番組で、
「まさ土」と「黒土」の実験をしている場面に釘づけになりました。
透明な容器に同じ量のそれぞれの土を入れ、上から水を流し、その容器を傾ける・・・黒土は表面の水だけが移動するのに対し、
「まさ土」は土全体が動きはじめ、傾けた方へ土も一緒に移動していく・・・・。
今回の土砂災害の原因の一つである「まさ土」の流出状況をみる実験でした。
「まさ土」・・・花崗岩の風化が進み(もろく、くずれやすくなり)、砂質に変質したもの・・だそうです。
この実験を見ているとき、6月号でご紹介したハザカプラント創設者の葉坂さんと、土に関する数々の著書(「はじめに土あり」「土を知る」「土といのち」など)を残された故中嶋先生との間で交わされた話を思い出しました。
葉坂氏;『急斜面で土壌がない硬い粘土板に、しだれ桜を植え付けようと、どんな土壌を木の周囲に置いても流れ落ちて駄目なのに、この堆肥(コンポスト)を置いて押えておいたら雨でも流れず木が育っている。これはどういう訳ですか?』
故中嶋先生;『それは当然です。あなたの堆肥(コンポスト)には1g15億匹~20億匹(最新データーでは1グラムに100億匹)の微生物たちが居て、土壌の流亡を支え合って守っているのですよ』(「オーガニックプレス」2000年版より抜粋)。
“微生物たちが居て流亡を支え合って守っているのですよ”
健康な作物を育むためには、生きた土壌(いのちある土)でなければならず、『土壌は単に地球の地殻、すなわち岩石が風化したものではなく・・・生物を媒介としてはじめて土壌となり、生命(いのち)を育む力を持つようになっていく』(同上)、それが「土」と言われるもので、そこには無数の微生物の存在がある・・・。
故中嶋先生は、『土に起きた変化が作物にどのように影響し、また、結果、我々人間の体にどのような影響を与えているか』を述べるために、講演会でも、いつも、「土」とは何であり、その「土の成り立ち」から説明されていらっしゃいました。
「土が変質することの意味」、「土と砂では性質自体が異なっていること」
“健康な土づくりがホンモノオーガニックの原点”・・・と、繰り返し伝えている私ですが、今回の土砂災害を通じて、改めて「土」の定義や「土」の種類、そして、風化などによっておこる変質がもたらす我々の命に係わる現象、「まさ土」の存在など、いのちある食べ物を育むための「土」とは別の角度から、改めて、「土の成り立ち」・・・読み返しはじめました。
『地球の気候のメカニズムがくずれている』
『知識がいのちを助けてくれる社会』
冒頭の番組に出演していたゲストのお一人がおっしゃった言葉ですが、思わず書き留めました
『都市に住んでいる人には地下にいるときの危険性、地下街は火災や爆発への対策はできているが、ゲリラ豪雨の対策はできていない・・・』とも。
「知識が助ける社会」とは・・・
土の構造が変質していく
なぜ、明け方に豪雨が多くなるか
1時間に50ミリ、90ミリという大雨が降るとどういう現象がおきるか
今回、私は前述の実験を見ていて、自然災害がもたらす現象について、そのメカニズムについて、また、自分が住んでいる環境とどのように関わってくるのか、本当に知らないことが多く、愕然としました。
そして、「いのち」に関わる知識、「いのちを守るため」に生かすことができる知識だけでなく、“直観”“とっさの判断”、大切な人たちを守るためには“決断する勇気”も必要であること・・・・、
何も起こらないことを前提に生きるのではなく、“ことは起こる”前提で生きることが、これからますます求められるのかな~と個人的には感じています。
・・・「地球の気候のメカニズムが壊れている」・・・
地球に住んでいる私たち
次世代にバトンタッチしていく世代になって、何ができるのだろうと感じている人たちも沢山いる・・・
できることは、まだ、たくさんあると思うのです
地球と共存できること、身近なことで、今日からできること、みつけて、そして、始めませんか?
Let’s change 1% into real Organic!!