(きしずかならんとほっすれどもかぜやまず)
[樹静かならんと欲すれども風止まず]
「樹静かならんと欲すれども風止まず、子養わんと欲すれども親待たず」という漢詩の一節による言葉で、風に揺れる木がその揺れを止めようとしても、風がやまなければそれもできないように、子が親の面倒をみて孝行しようと思う年ごろには親は既にこの世になく、孝行したくてもできないと嘆くこと。
⇒ 「石に布団は着せられぬ」「孝行のしたい時には親はなし」「風樹の嘆」 http://www.nihonjiten.com/data/349.html
<転載>
2008年02月24日
いい人はいいね――川端康成「伊豆の踊子」①
川端康成 - livedoor Blog 共通テーマ
いい人はいいね。――ドアラが好きだというこのセリフが、どんな場面に出てくるか気になって、「伊豆の踊子」を読みました。
「伊豆の踊子」は、大正十五年川端康成27歳のときの作品です。二十歳の一高生が旅芸人の一行と、ほんのちょっとの間、一緒に旅をする、ただそれだけの話です。
14歳の踊子と20歳の一高生の間に、甘く切ない恋があったわけではありません。「身分」による差別がまだ生きていた時代、身分違いの恋は身の破滅を招きます。そういう話ではないのです。
一高生と旅芸人の一行が歩いています。前を行く一高生の耳に、踊子と仲間の少女の会話が聞こえてきます。二人は、一高生のことを話題にしています。
「いい人ね」「それはそう、いい人らしい」「ほんとうにいい人ね。いい人はいいね」。
季節は秋。明るい山々を見上げる半島の小道に、海が近づいてきます。
当時の一高生といえば、今の東大生など比べ物にならないぐらいのエリートでした。しかし、この一高生は孤児だったので、自分の性質が『孤児根性』に歪んでいるのではないかと悩み、旅に出たのです。だから、いい人と認められたことは、心の底からうれしかったようです。
いい人はいいね――しみじみとするいい場面で語られたセリフでした。
好きな言葉は?と問われ、この言葉を答えたドアラ。やっぱり並みのマスコットではありません。
<出典>ソースは↓ 全て読む