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雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

その112新宿警察・その3

2021-08-06 20:02:31 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 おっとその前に、今回お世話になった参考文献の掲示から。
 
 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』および「藤原審爾「新宿警察」シリーズ
は全部で何篇書かれたのだろうか?」(本の雑誌編集部編『活字探偵団増補版』(角川文庫))

 前者には感謝している。「新宿警察」項の刊行リストは、完璧とはいいがたいが、心強い。世の中便利になったものよ。
 また、後者については「ウィキペディア」以上に不完全な書誌だが、有益なことも提示してくれている。それは、作品(短篇)集に、重複作・改題作が少なくないということ。
 よい例が「ウィキペディア」で、刊行リストのうち唯一短篇で挙げられている「新宿西口ビル街殺人事件」(『ろくでなしはろくでなし』に併録)だ。
 これなんか、そのリストの上の方に載っている『新宿警察 新宿広場』に収録されているから、何故わざわざ特別に取り上げているのか疑問なのだが、実はこの作品は『不良外人白書』という悪質外国人の実態を描いた連作集の第一話めに当たるのだ。『不良外人白書』という連作は<新宿警察>番外篇(「新宿西口ビル街殺人事件」以外の収録作は非<新宿警察>だ)ということらしい。
 『不良外人白書』収録の「新宿西口ビル街殺人事件」で興味深いのは、章分けにアラビア数字を入れていないこと、冒頭に、或る一文が挿入されていること(『新宿警察 新宿広場』収録分は、前者は数字入り、後者は、その一文が割愛)。
 また「新宿西口ビル街殺人事件」は、他の作品集へは収録されていなかったようだが、例えば「新宿警察」「生きる気はない」「復讐の論理」などは、わたくしがぱっと見ただけで、3冊の作品集に収録されているのだ。これに改題なんかが加わった場合、やあなんと愉しいことよ。

 さて、余談はこれぐらいにして、本題に戻ろう。
 <全集>というワードについてだ。
 (以下、続く)
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