便失禁

2010-10-28 | はりきゅう
小学校2年生の男の子、便失禁で毎日パンツが汚れます。

彼は鍼が大きらいで、てい鍼(刺さないでさする鍼)ですら抵抗して受けてもらえません。
とりあえず、原因を捜すために全身の押して痛いところ、違和感のあるところ、硬くなったところを捜します。
これもじっとしていることがむずかしいのと、くすぐったいのでなかなか進まないので、とりあえず、今回は頭だけ診ました。

胆経ライン上、「正営」付近と「完骨」を痛いと言います。
とりあえず長野式の気水穴処置しか浮かばなかったので、胆経の「陽輔」の圧痛を確認すると、かなり痛がる。

長野先生の本に「「陽輔」の圧痛は脳レベルの異常を表すものではと思われる。(弦脈も伴う)」と書いてあります。
:::排便中枢は大脳からの抑制をうけているが、大脳の損傷によって抑制が失われたりすると、大便失禁が起こる。…生理学より:::

便失禁は1日1回で、いつも垂れ流しというわけではないので、大脳の損傷とまで重傷ではないのでしょうが、小さい頃から怪我の多く、頭の打撲も多かったので、その影響では、と気になります。

気水穴処置ならば足の指先のツボ「狭谿」「足竅陰」を押して、頭の圧痛が取れればそこに鍼をしますが、彼の場合、「陽輔」の方が圧痛が取れます。
そこで「陽輔」に皮内鍼をしました。
皮内鍼とは鍼のついたシールのことで、わずか0.3ミリの鍼なので痛みはなく、このシールははらせてもらえます。

なんと、便失禁がその日から治まりました。
1週間の間、パンツを汚すことなく本人も大喜び。
シールをはがした次の日に、1日だけ失禁しましたが、1日だけで、その後はまた順調なようです。

もしかしたら、精神的なものが原因で、治療による安心感で治まったのかもしれませんが、それも治療の内(^^)

よかったよかった。