On The Earth

いろいろ興味があることを、とりあえず書き連ねてみる。

唯一の永遠

2009-09-27 03:02:52 | いろいろ
9月23日に、祖父は84歳の誕生日を迎えるはずでした。それが、その日が火葬とお通夜になりました。葬儀を彼岸でお寺が混む時期を避けて行う日程で、火葬の日までの数日間、祖父は居間と続きになっている八畳間に、白い木の棺の中で、北枕で横たわっていました。火葬の前に何日間か親戚の集まる賑やかな家にいられたことは、脳腫瘍で入院してから一度も家に帰ることのなかった祖父にとっておそらく幸運だったと言っていいのでしょう。クレムリンの横にあるレーニン廟に眠る本物のような偽物のようなレーニンを除くなら、亡くなった人を見るのは初めてでした。冷たくなった祖父は、手を伸ばせば触れられるところにいて、ひんやりを通り越して冷たくなった祖父を、焼香机を挟んで見つめながら、生きていることと死んでいることの境界線がどこにあるのか、私はうまく理解することができませんでた。それでも祖父は、現世における唯一の永遠へと、歩みを進めてしまったのでした。葬儀には300人くらい参列してくれたそうです。今まであまり気付かなかったのですが、祖父は周りの人をinspireする人であったのでした。叙勲の時の写真が遺影になり、それはどの角度からでも、祖父がこちらを見つめているように見える写真です。何人かの人が、御心痛、という言葉を使いました。でも痛みは感じません。ただただ静かに抑えることのできない涙が流れてくるだけです。東京に戻ってきたものの、髪の毛に染み込んだお線香の匂いは、一度髪を洗ったくらいでは流れていないように思います。いろいろなことは、確かに私の目の前で起こったのですが、それが現実だと信じられません。サハラ砂漠への道を車の窓から眺めながら、目の前に広がる土と岩と砂の景色を、現実のものと感じることができませんでした。どちらにしても、目の前で展開されているにもかかわらず日常からはあまりにもかけ離れた様子であり、異質過ぎて実感が全く湧かないのが、完全に現実感が欠けている理由でしょう。きちんと社会復帰するまでには、まだまだ時間がかかりそうです。

パワー不足

2009-09-18 01:14:29 | いろいろ
なんとなく不調で元気が出ない。いつも元気じゃないわけじゃないけど、パワーの平均値がかなり低い感じで。必要最低限のことはできるけど、やらなきゃいけないことのactionに必要なパワーが大きすぎて、手につかないことがたくさん。ぐちゃぐちゃと混乱している頭の中はしばらく片付きそうにないし。基本的におなかがすかないから、気を付けないとごはんを食べ忘れるし。友達と久しぶりに長電話したのに、どこか切り離された言葉ばかりがさらさらと滑っていって、深くに沈んでいる感情は飲み込んでしまって。パワー不足。

海のエジプト展やカエサルや最近の諸々のこと

2009-09-12 01:32:59 | いろいろ
テストやレポートがあったりでお休み感は薄いけれど、一応まだ夏休みなのが不思議だったりする。平日に誘える友達を捕まえて海のエジプト展へ。興味はあったけどこういう展覧会にしては値段がすごいから(大人当日券2300円)行けないなぁって思ってたのだけど、運良く招待券をもらったので♪海から発掘された巨像とヒエログリフがきれいに残った石は一見の価値あり!それから、プトレマイオス朝の他国との交易は盛んで、港に税関を設けて関税をたくさん徴収していたらしいです。紀元前のプトレマイオス朝の行政は、もしかしたら現在のアフガニスタン行政よりも安定していたのかもしれません。ちなみに、ハビ神はじめいろいろな神がいたことから、当時のエジプトは多神教らしかったことがわかります。そのままずっと多神教を維持してくれていたら、中東の歴史は今よりもほんの少しは安泰だったのではないかと思いました。ただ展覧会は開場全体としてエンターテイメント性を追求しすぎているように思えて、もっと大人しい真面目な雰囲気にしてもよかったのではないかと思いました。それでも、全然エジプト展の経営に貢献しないのも何なので、限定カプセルを1個購入。100円玉三枚と引き換えに巨像の一つであるプトレマイオス朝の王妃像のフィギュアを連れて帰ることができたので満足です。

そのあととても久々に自由が丘に行ってごはん。美味しい鶏屋さんでちょっと隠れ家的なお店の雰囲気も気に入ったから、今度また誰かと行こうっと。あと、いつも気になりながら一度も入ったことがなかったカフェでのんびりお茶。話題は尽きず。チャイにも満足。自由が丘エキスパートはとっても頼りになります。ありがと♪

そういえば、海のエジプト展に行こうと決めてから、カエサルの『ガリア戦記』を買いました。当時のエジプトと関係の深いカエサルとクレオパトラ7世について何かしらおもしろいことがわかるのではないかと思ったからです。結局半分くらい読んで止まっています。そして気づいたのは、ガリア戦記はエジプトと無関係の書物だということ。よくみると表紙に「カエサルの率いるローマ軍のガリア(今のフランス)遠征の記録」と書いてありました。つまりガリア戦記は、フランス遠征記。エジプトとは無縁です。ガリアをフランスと知らなかったのは、全くの教養不足でした。戦争の記録は意外と淡々としていて、ところどころトールキンの『指輪物語』を思わせます。表紙にはさらに「現地から彼(カエサル)が送る戦闘の記録はローマ全市を熱狂のるつぼに化したという」と記してあります。けれども半分を読んだ感想として、私は当時のローマ全市の人々と熱狂を共有するには至りませんでした。古代ローマ人には、娯楽が不足していたのでしょうか。それとも、私が特別カエサルを応援していないためにそれほど楽しめないのでしょうか。ガリア戦記の印象的な点を一つ挙げると「…そこでカエサルはその土地を全く荒廃させ、村や家に火をかけて軍隊を引き揚げ…」という箇所がありました。そこには、兵士と民間人の区別はありません。ローマやエジプトを平定し、『ガリア戦記』でかのモンテーニュに「もっとも明晰で雄弁で真摯な歴史家」と絶賛されたカエサルも、現代的倫理感で判断すると野蛮な人殺し。世界史で「ブルートゥス、お前もか」と暗殺されたと習った時に裏切られたカエサルを少しかわいそに思ったのが、馬鹿らしく思えてきます。残りの半分の物語を読むかどうかはまだわかりません。ただ、カエサルに限らず、歴史上名の知れた人物の多くは大勢の兵を率いて戦争を戦っているので、大抵が広い意味での人殺しということになるのでしょう。イギリスで人気の故チャーチル首相も、一次大戦のガリポリの戦いの戦略ミスで20000人くらいの兵を犠牲にしていますから。

最近は基本的に食欲がなくて、疲れやすい感じです。おそらくカロリー不足かもしれません。別にハードな生活をしているわけではないのに、あっという間に疲れてしまいます。いろんな心配事が増幅してしまい、物事をシリアスに考えすぎる傾向が強まっているかもしれないし。今日友達と外でごはんを食べてから、久しぶりにおいしいものを食べたい気分になれたので、もう少しちゃんとごはんをたべるようにしようと思います。