忌中払い

この地方では『きぢゅばらい』または『きぢゅばれぇ』と読む。
同僚の親御さんが亡くなったので、一同でお通夜に行った。
当然、会社のつながりなので早々に御暇を願い、車に戻ろうとすると
同僚がやってきた。

『今日は忙しいところありがとうございました。故人も喜んでいるでしょう。
お構いできませんので、せめてこれで忌中払いをしてください』

もちろん断ったが、これは主人に持たされたものなので、そのまま持って帰る
訳には行かない、という。
あんまりにも強く勧めるので、むげに断るのが逆に悪いような気がしたので
受け取った。そのまま上司に渡して『そばでも食べましょう』といって
お店を申し合わせてそれぞれ車で向かった。

店に入ってみると何やら騒いでる。
『あんた、なんで受けとって来たのよ』(｀o´#
『アレだけ勧められたら断れない。車追っかけてくるかと思ったぜ』と私。
『出した分、全部戻ってきちゃったわよ！(怒)』
　　Σ(￣ロ￣|||;
その封筒の中には、皆が包んだと思われる香典の合計金額に匹敵する額が！！

『どーすんのよ～～？お詫びは後でするとして、忌中払いでいただいたお金は
　持ち越せないかんね。こんなお店(失礼だ)でどんなに食ったって使い切れないよ？』
言われてみれば確かにそうだ。
念のため解説しておくが、この地方？では忌中払いやお葬式でいただいた(拾った)お金を
家へ上げるのは良くないとされていた。
『まあ、とりあえず一番高いメニューを人数分』といってはみたものの...
さらに『絶対食いきれない』と思いつつ、単品を追加したがまだ余る。
田舎の脅威！
こういうときに包む額の相場が異常に高いのだ。はっきりいって、迷惑だぞ？

いなか盛り(もちろん多い)の天ざるそばすら食いきれない。どうしよう？
おつりを持って帰ったら、夜中枕元に立たれちゃうかな？

一同がうかつにも受け取った私を白い目で見ているので、
『しょうがない、俺が一人で飲んでやるぜ』と啖呵をきって、余った金を受け取った。

居酒屋に付くなり芋焼酎『一刻者』をボトルで頼みロックで飲み始める。
つまみはとりあえず、『時価』のブリかまと特選牛タタキ。
すごく美味そう。だけど、喰ったら絶対ゲロしそう...へ(_~_へ

しばらくすると、こころやさしい同僚が様子をみに来てくれた。
ありがたい、今日は２人でとことん飲むぜぃ！


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で、今日は二日酔い。あ～アタマ痛い。
おまけに風邪で喉も痛い。
　　えっ？そりゃあもちろん、気合で飲みきりましたよ。v(^∀^゛