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調布で20数年居住。旧ブログ「旅と料理と音楽と」に続き、私的な街の生活・不動産情報をぼちぼちお届けします。

雑多な趣味》 インダストリアルデザインへの興味と『バウハウス・テイスト バウハウス・キッチン』展

2010年10月25日 | 【<旧ブログ>weblog】
インダストリアルデザインという分野に惹かれます。
電車内の棚や吊り輪の形を眺めたり、デパートでキッチングッズや文房具類などを観ていると飽きません。
歯ブラシのような安価なものもいかに様々な種類があることか。
機能を追及してシンプルだが独自な形になっています。合理的なものは美しい。まさに真なり、です。

身近な図形にも多いですよね。たとえば「円錐曲線」。
円錐の切りかたで底面の並行面で切ると円、並行でない面で全ての母線を切ると楕円、母線と平行な面で切ると放物線、
そうでないもので母線と底面を併せて切ると双曲線のカーブが描けます。
物を放った軌跡である放物線のカーブで、正面からの平行線を反射させると一点に集まる。パラボラアンテナの原理。
一つの円錐からこんなに様々な曲線が生まれることが、とっても不思議に思ったものですが、その曲線もある種
整っていて綺麗なんです。色っぽさも…ちょっと変でしょうか(汗)?


僕の好きなドイツの工業デザイナー、ルイジ・コラーニ。
そのデザインは「自然界に直線はありえない」というもの。
学生時代に使っていたプリンスライターのコラーニモデル、「ペリカンNo.1」のボールペンは2代目を
未だに使っています。彼のデザイン作品は身近な文具類から、車やピアノ、宇宙船までありましたが
その一貫したコラーニの曲線デザインは日々の生活と密着しつつ、やっぱり美しい。



何度かドイツの街々を訪問していますが、ホテルの部屋などにも、派手ではないけれど卒のないドイツ人気質を
感じさせるデザインをいたるところで見ることが出来ました。
例えば、フランクフルトのホテルで部屋の隅にあった0.5畳くらいのシャワールーム。半透明のスライドドアの
その空間はシャワーを浴びても、お湯は外に一切漏れない。当時の自分の家にも欲しいと思えたデザイン。
未だにそこでしかお目にかかれていない代物です。




そんな中、パナソニック電工 汐留ミュージアムで開催中の
『バウハウス・テイスト バウハウス・キッチン』展に行ってきました。

工業と芸術の融合がバウハウスの芸術の柱となります。機能美の追求です。
平面から立体を作るということから、一枚の紙に切り目を入れて造形作品を作る。
デザイン職人の学校という存在から、学生の課題作品の展示もありました。

ドイツの芸術学校、またそのスタイルとして「バウハウス」。その中心であった建築を見たい。展覧会の題名から
キッチンウェアなどの作品も多いのだろうと勝手に憶測しそれも興味があったのですが、やはり一番見たかったのは
バウハウスの創立者、初代校長の建築家ヴァルター・グロピウスが作った「マイスターハウス」のキッチンの復元。
ワイマールからデッサウに移ったあとの、教授が居住していた4棟からなる居宅。世界遺産にも登録されています。

 
 
今の我々の家にあるシステムキッチンの原型ともいえる、1920年代のこのキッチンは機能的に使う工夫がなされており、
当時の最先端だったのでしょうね。
また隠して綺麗にみせるだけでなく、見せて美しく飾るというのがまた良いです。

 
 
 
メインのキッチンの裏に併設の食器洗いの小部屋。
かごの中に食器を入れて洗った後、水切り台にカゴごと載せて、皿は立てて水切り。
蛇口とは別に可動式の水噴射器が80年以上前のものと考えるとかなりモダンであったのでしょうね。
というか今でも十分通用するものばかりのように思えます。
グロピウスも設計しながらこんなものがあったらいいなあ、なんて結構楽しく図面を引いていたのかもしれません。




このビルの地下にはパナソニックのショールームがあり、特に地下2階はキッチンになっています。まさに
現代にタイムスリップした感じで比較するのもまた面白いです。

年代が変わるごとに生活スタイルも変わっていく。工夫を重ねるごとに新たな形が生まれる。
今後どのようにある同じ分野の対象物の意匠が変わっていくのか、そこにデザイナーの哲学をどのように
入れ込むのかを見るのが楽しみです。

ホントは自分が作れたらいいのになあ、なんて思ったりしてもいます。
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