やまさんのエンジョイ生活 Ver.2

趣味の登山、映画鑑賞、読書を日記風に紹介してます。

読んだ本はいろいろ

2013-08-14 | 読書

7月30日(火)         「ようこそ、わが家へ」  (池井戸 潤著)

   

 恐怖のゲームがはじまった
真面目なだけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。すると、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。さらに車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。一方、出向先のナカノ電子部品でも、倉田は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから、窮地に追い込まれていく。直木賞作家が“身近に潜む恐怖”を描く文庫オリジナル長編。

 中々面白い作品でした。最初に「下町ロケット」を読む予定でしたがこちらが先になりました。解説に「V1時代のサスペンスに満ちた着想を、V2時代の徹底的に人間を重視する手法で完成させた贅沢な一冊である。」とあった。「オレたち花のバブル組」など、半沢直樹シリーズが人気ですがあまり興味がない!? 「下町ロケット」は今読んでる本の後に読みたい!

 

8月7日(水)         「シスターズ・ブラザーズ」  (パトリック・デウィット著)

   

ブッカー賞最終候補作
オレゴン文学賞、ロジャース文芸財団小説賞、総督文学賞、スティーヴン・リーコック・ユーモア賞受賞作

粗野で狡い兄・チャーリー。普段は優しいが、キレると大変なことになる弟・イーライ。悪名とどろく凄腕の殺し屋シスターズ兄弟は、雇い主の“提督”に命じられるまま、ある山師を消しにカリフォルニアへと旅立つ。ゴールドラッシュに沸く狂乱のアメリカで兄弟は、この目も当てられないダメな旅路で、何に出遭い、何を得て、そして何か失うのか? 小説のあらゆる感情を投入し、世界の読書界に一大旋風を巻き起こした、総督文学賞など四冠制覇、ブッカー賞最終候補作!

 この本を読むきっかけとなった地方紙の<海外ミステリー>の記事。『乾いたユーモア漂う 語り口』として次のように紹介されていた。     「この2人が出会う人々が、あぜんとするほどの奇妙きてれつな連中ばかり。血なまぐさい場面もどっさり出てくるが、イーライのどこか達観したおっとりした語りのせいか、それほどおどろおどろしくは感じられない。欲にとりつかれ右往左往する人々の姿は、滑稽でいてもの悲しく哀愁が漂う。かたや、イーライにとって”二度と味わえないであろう最高に幸福な一瞬”の美しさは心にしみる。忘れがたい強烈な印象を残す作品だ。」

 

8月7日(水)         「四つの小さなパンきれ」  (マグダ・オランデール=ラフォン著)

  

  16歳のとき、マグダはアウシュヴィッツ=ビルケナウ絶滅収容所に収容された。母と妹は到着するなりガス室で殺され、別れのまなざしを交わすことさえできなかった。家族でただ一人、そしてハンガリーのユダヤ人の中でも数少ない生き残りとなった著者は、長い沈黙ののちに、言葉を紡ぎはじめる。そして中高生にみずからの経験を語り伝える活動を始め、さらに数十年の時を経て、本書が生まれた。
「わたしは偶然のほほえみに照らされた道を選んだ」。ここにあるのはナチスへの告発ではなく、恐怖と死の記憶を超えて、いかに人生を取り戻したかを静かに綴る、生についての記録だ。新たな世代のために勇気をもって語られた、貴重な証言。

 解放後、30年の沈黙を経て、彼女は書き始めました。そしてそれをきっかけに、移住先のフランスで、中高生に自らの体験を語り伝える活動を始めます。

 「わたしの言葉は、このわたしのようにか弱い。この記憶を平凡なものにすることなく、重苦しいものにすることなく、そして他人に苦しい思いをさせることなく伝えるにはどうしたらいいのだろう?」 10代の生徒たちに語りかけていくうち、マグダさんは再び書き始めます。そうして完成した本がフランスで出版されたのは2012年、昨年のことでした。

 「わたしたちは、自分のなかに春の新鮮さと美しさを持っている。」

 「今日、わたしが痛みをこらえて記憶の橋を渡っているのは、いのちは奪われてしまったけれど、最後までわたしたちに生きる勇気を与えようとしてくれた人々の思い出を末永く生かすためだ。」沈黙のなかに生きてきた彼女が言葉とともに、息を吹き返すまで。死んでしまった仲間と新たな世代のために勇気をもって語られた、生についての記録です。(編集者 鈴木英果)

 



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