8月13日(火) 「湿地」
雨交じりの風が吹く、十月のレイキャヴィク。北の湿地(ノルデュルミリ)にあるアパートで、老人の死体が発見された。被害者によって招き入れられた何者かが、突発的に殺害し、そのまま逃走したものと思われた。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。だが、現場に残された三つの言葉からなるメッセージが事件の様相を変えた。計画的な殺人なのか?しだいに明らかになる被害者の老人の隠された過去。レイキャヴィク警察犯罪捜査官エーレンデュルがたどり着いた衝撃の犯人、そして肺腑をえぐる真相とは。
世界40ヵ国で紹介され、シリーズ全体で700万部突破。ガラスの鍵賞を2年連続受賞、CWAゴールドダガー賞を受賞した、いま世界のミステリ読者が最も注目する北欧の巨人、ついに日本上陸。
8月15日(木) 「緑衣の女」
男の子が住宅建設地から拾ってきたのは、人間の肋骨の一部だった。レイキャヴィク警察の捜査官エーレンデュルは、同僚のエリンボルグ、シグルデュル=オーリとともに、人骨発見の通報を受けて現場に駆けつける。事件にしろ、事故にしろ、どう見てもその骨は最近埋められたものではないらしかった。エーレンデュルは人骨の掘り起こしを考古学者スカルプヘディンのチームに依頼し、同時進行で人骨に関する捜査を始める。現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近にはイギリス軍、次いでアメリカ軍のバラックも建っていたらしい。サマーハウスの関係者の骨なのか? それとも軍で何か事件があったのか?
数十年前のこととて、聞き込みはいっこうにはかどらず、考古学者の慎重なやり方のせいで、人骨のほうもなかなか全貌がわからない。男なのか、女なのか、いったい何歳くらいなのか。だが粘り強く調べるうちに、次第にサマーハウスの住人の過去が浮かび始める。
付近の住民の証言の端々に現れる緑の服の女。数十年封印されていた哀しい事件が、エーレンデュルの捜査でついに明らかに……。
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