やまさんのエンジョイ生活 Ver.2

趣味の登山、映画鑑賞、読書を日記風に紹介してます。

2016読書その3

2016-07-01 | 読書

4月4日(月)      希望の海 仙河海叙景」(熊谷達也著)

  

  東日本大震災により失われた日常と、得るべき希望。 東北に生まれ、東北に暮らす直木賞作家の、「あの日」を描かない、連作短編集。

   三年前の秋、早坂希は勤めていた会社を辞めて仙河海市に戻ってきた。病弱の母親の代わりに、スナック「リオ」の切り盛りをしている。過去に陸上選手として活躍していた希は、走ることで日々の鬱憤や悩みを解消していたが、ある日大きな震災が起きて、いつも見る街並みが180度変わってしまう――。(「リアスのランナー」「希望のランナー」)
高校生の翔平は、津波により両親と家を奪われ、妹の瑞希とともに仮設住宅で暮らしていた。震災の影響で環境が大きく変わり、次第に心が荒んでいく翔平だったが――。(「ラッツォクの灯」)
東北の港町に生きる人々の姿を通して紡がれる、3・11からの再生の物語、全9編。

   熊谷達也は大好きな作家である。こんな短編集もいい。


4月10日(日)      「レモン畑の吸血鬼」(カレン・ラッセル著)

   朝日新聞(3/13) 「生の断面鮮やか 奇想天外な物語」とあった 

  あらゆるジャンルの境目を跳躍する作家カレン・ラッセルが描く最高の想像力で描く全8編

 「レモン畑の吸血鬼」
 長すぎる余生を過ごす熟年吸血鬼夫婦。夫が人間を襲い、闇に紛れてモンスターらしく生きていた日々は遠い昔、いまはイタリアの太陽の下、血の代わりにレモンを啜ってしのいでいる。そんな夫の姿に、妻が突然別居を言い出して……。

「お国のための糸繰り」
舞台は明治時代の日本。製糸工場の女工として娘たちが集められるも、身体を蚕に変えられてしまう。体内で育った糸を機械に巻き取られる〈蚕女工〉として働くうち、女工のひとりがあることに気づく。

「一九七九年、カモメ軍団、ストロング・ビーチを襲う」
母親が失業、進学の夢はついえ、片思いの相手がよりによって自分の兄と付き合いはじめて、どん底のナル。ある日、町を飛び回る不気味なカモメたちが、信じられないモノを盗んで隠している巣を見つける。

「証明」
西部開拓時代、未開の土地ネブラスカに引っ越してきた一家。たどり着いて5年経ったいまも、パパは土地の証明を授けてくれる監査官を待ちわびている。ある日ついに、監査官がやって来るという噂が流れる。

「任期終わりの廏」
なぜか歴代のアメリカ大統領たちが馬に転生して、廏に大集合。姿は馬ながら、虚栄心丸出しで選挙遊説にいそしむ大統領たち。19代目ラザフォードは、ここからなんとか逃げ出そうと画策するも……。

「ダグバート・シャックルトンの南極観戦注意事項」
南極開催「食物連鎖対戦(クジラ対オキアミ! )」観戦における、オキアミチームメンバー注意事項。ルールは11、希望は捨てるな!
おっと、ちょい待ち、もしあんたがクジラチームのサポーターなら、さっさと消え失せろ!

「帰還兵」
ベテランの女性マッサージ師のもとに、まだ若いイラクからの帰還兵がやってくる。彼の背中には、陰惨で悲しい思い出のタトゥーが彫られていた。彼女は自分の手で、彼の苦しみを取り除こうと決意するが。

「エリック・ミューティスの墓なし人形」
不良4人組が、いつもの遊び場で木からぶらさがる「かかし」を見つけた。その顔は、自分たちが去年いつもいじめて、いつの間にか姿を消したエリックそっくりだった……。  



4月17日(日)      「さよなら妖精」(米澤穂信著)

  

 一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶のなかに―。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。気鋭の新人が贈る清新な力作。


5月12日(木)      「火星の人」(アンディ・ウィア著)

      

 映画「オデッセイ」原作。 有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した。ところが――。奇跡的にマークは生きていた!? 不毛の惑星に一人残された彼は限られた食料・物資、自らの技術・知識を駆使して生き延びていく。

 映画を見た方がいいのかも。長編でなかなか時間が掛った本です。想像力がないとダメなのかな?!


5月27日(金)      「ガソリン生活」(伊坂幸太郎著)

  

 聡明な弟・亨と、のんきな兄・良男の でこぼこ兄弟がドライブ中に乗せたある女優が、翌日急死!  一家はさらなる謎に巻き込まれ…!?

 車同士が楽しくおしゃべりする唯一無二の世界で繰り広げられる仲良し家族の冒険譚! 愛すべきオフビート長編ミステリー。 


6月5日(日)      「インド独立の志士「朝子」」(笠井亮平著)

   朝日新聞(5/15) 「二つの故郷 手放さず生きる」とあった

       《日本で生まれ育ったインド人女性の数奇な運命》

 1945年5月、チャンドラ・ボースと、その側近だった父サハーイの影響を受け、インド国民軍婦人部隊に入隊した「朝子」ことアシャ。
日本で生まれ育ち、若くしてインド独立運動に身を投じた彼女とその家族の数奇な運命を通して、気鋭の研究者が日印関係史に新たな視角をもたらした傑作ノンフィクション。

「わたしの心を強くとらえて離さなかったことのひとつに、激動の時代を異国の地で生き抜いたインド人、とくに女性の強さがある。
サハーイとサティという類い稀な両親のもとに生まれ育ったアシャは、日本とインドという二つの国のはざまにあって、時に勇敢に、時に苦悩しながら、祖国の解放と自由という夢をたくましく追っていった。そして彼女はインド独立後もその姿勢を失うことはなかった。」(「あとがき」より)



6月20日(月)      「母の遺産 新聞小説」(水村美苗著)

  

 家の中は綿埃だらけで、洗濯物も溜まりに溜まり、生え際に出てきた白髪をヘナで染める時間もなく、もう疲労で朦朧として生きているのに母は死なない。若い女と同棲している夫がいて、その夫とのことを考えねばならないのに、母は死なない。ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?親の介護、姉妹の確執…離婚を迷う女は一人旅へ。『本格小説』『日本語が亡びるとき』の著者が、自身の体験を交えて描く待望の最新長篇。



6月29日(水)      「ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語」(津島佑子著)

   朝日新聞(5/15) 「繰り返す迫害への静かな怒り」とあった

 アイヌの母と日本人の間に生まれたチカップ。16世紀日本、キリスト教への圧迫が強まる中、幼くして孤児となり、キリシタンに拾われたチカップは、兄と慕う少年・ジュリアンらキリシタン一行と共に海を渡り、新天地マカオを目指す。数奇な運命に翻弄され、異国からまだ見ぬ蝦夷の地に想いを馳せ、母から聴いたアイヌの歌を支えに生きる女性の一生を、壮大なスケールで描いた物語。

 

 

 



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