4月9日(木) 「グッドバイ」(朝井 まかて著)
朝日新聞(1/11) 「夢を追う女性貿易商の維新史」と紹介
長崎の油商・大浦屋の女あるじ、お希以―のちの大浦慶・26歳。黒船来航騒ぎで世情が揺れる中、無鉄砲にも異国との茶葉交易に乗り出した。商いの信義を重んじるお希以は英吉利商人のヲルトやガラバアと互角に渡り合い、“外商から最も信頼される日本商人”と謳われるようになる。やがて幕末の動乱期、長崎の町には志を持つ者が続々と集まり、熱い坩堝のごとく沸き返る。坂本龍馬や近藤長次郎、大隈八太郎や岩崎弥太郎らとも心を通わせ、ついに日本は維新回天を迎えた。やがて明治という時代に漕ぎ出したお慶だが、思わぬ逆波が襲いかかる―。いくつもの出会いと別れを経た果てに、大浦慶が手に入れたもの、失ったもの、目指したものとは―。円熟の名手が描く、傑作歴史小説。
以前読んだ同じ作家の『眩(くらら)』が印象的だった。
4月18日(土) 「女たちのシベリア抑留」(小柳 ちひろ著)
朝日新聞(2/29) 「忘れられた存在 帰国後も「壁」」と紹介
NHK BS1スペシャルの話題作を書籍化。文化庁芸術祭賞優秀賞他、数々の賞を受賞!70年の沈黙を破り、彼女たちは証言した。知られざるシベリア抑留、もう一つの歴史。
4月23日(木) 「キネマの神様」(原田 マハ著)
帯に映画化決定監督山田洋次主演志村けん、とあるが・・
四十を前に、突然会社を辞めた娘。映画とギャンブルに依存するダメな父。二人に舞い降りた奇跡とは―。壊れかけた家族を映画が救う、奇跡の物語。
4月30日(木) 「おひとりさまの老後」(上野 千鶴子著)
結婚していてもしていなくても、長生きすれば、最後はみんなひとりになる。
日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニアとして長年にわたって活躍し、様々な社会問題へ発言を続ける社会学者であり、自らも「おひとりさま」である上野千鶴子が、数多くのケーススタディをふまえ、ひとりで安心して老い、心おきなく死ぬためのノウハウを、住まいやお金などの現実的な問題から心構えや覚悟にいたるまで考察する。
4月30日(木) 「木漏れ日に泳ぐ魚」(恩田 陸著)
舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿―共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。不思議な胸騒ぎと解放感が満ちる傑作長編。
5月3日(日) 「たゆたえども沈まず」(原田 マハ著)
19世紀後半、栄華を極めるパリの美術界。画商・林忠正は助手の重吉と共に流暢な仏語で浮世絵を売り込んでいた。野心溢れる彼らの前に現れたのは日本に憧れる無名画家ゴッホと、兄を献身的に支える画商のテオ。その奇跡の出会いが“世界を変える一枚”を生んだ。読み始めたら止まらない、孤高の男たちの矜持と愛が深く胸を打つアート・フィクション。
5月10日(日) 「星の子」(今村 夏子著)
林ちひろは、中学3年生。出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族のかたちを歪めていく…。野間文芸新人賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされた著者の代表作。
5月14日(木) 「ディア・ペイシェント」(南 杏子著)
病院を「サービス業」と捉える佐々井記念病院で内科医を務める千晶は、日々、押し寄せる患者の診察に追われていた。そんな千晶の前に、嫌がらせを繰り返す患者・座間が現れた。座間をはじめ、様々な患者たちのクレームに疲幣していく千晶の心の拠り所は先輩医師の陽子。しかし彼女は、大きな医療訴訟を抱えていて…。現役医師による感動長篇。
5月25日(月) 「サロメ」(原田 マハ著)
退廃に彩られた十九世紀末のロンドン。病弱な青年だったビアズリーはイギリスの代表的作家で男色家のワイルドに見いだされ、『サロメ』の挿絵で一躍有名画家になった。二人の禁断の関係はビアズリーの姉やワイルドの同性の恋人を巻き込み、四つ巴の愛憎関係に…。美術史の驚くべき謎に迫る傑作長編ミステリー。
6月14日(日) 「クスノキの番人」(東野 圭吾著)
4/25 朝日新聞 「安らぎと希望の作品に感謝」とあった
その木に祈れば、願いが叶うと言われるのはなぜか。
6月30日(火) 「橋ものがたり」(藤沢 周平著)
幼な馴染のお蝶が、仕事場に幸助を訪ねてきた。奉公に出るからもう会えないと、別れを告げるために。「五年経ったら、二人でまた会おう」年季の明けた今、幸助は萬年橋の袂でお蝶を待つが……。(「約束」)
様々な人間が日毎行き交う江戸の橋を舞台に演じられる、出会いと別れ。市井の男女の喜怒哀楽の表情を瑞々しい筆致に描いて、絶賛を浴びた傑作時代小説。
新聞のある記事で、「藤沢周平さんの『橋ものがたり』と辺見庸さんの『もの食う人びと』という対極的な文章を読んで原点に返れたのが30代後半でした」(誰の文章かは忘れた!)
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