やまさんのエンジョイ生活 Ver.2

趣味の登山、映画鑑賞、読書を日記風に紹介してます。

読書2015その3

2015-04-15 | 読書

2月20日(金)    「音楽嗜好症」(ミュージコフィリア)   オリバー・サックス著

  

  雷に撃たれ蘇生したとたん音楽を渇望するようになった医師、ナポリ民謡を聴くと発作を起こす女性、フランク・シナトラの歌声が頭から離れず悩む男性、数秒しか記憶がもたなくてもバッハを演奏できる音楽家……。
音楽と精神や行動が摩訶不思議に関係する人々を、脳神経科医が豊富な臨床経験をもとに温かくユーモラスに描く。
医学知識満載のエッセイは、あなたの音楽観や日常生活さえも一変させてしまうかも?

  オリバー・サックスというとロバート・デ・ニーロの好演でアカデミー賞にノミネートされた映画「レナードの朝」は、著者の同名ノンフィクション作品です。本も読んだのですが、嗜好性脳炎の患者と主知医のことが描かれていた。

 4部構成(第一部:音楽に憑かれて、第二部:さまざまな音楽の才能、第3部:記憶、行動、そして音楽、第4部:感情、アイデンティティ、そして音楽)の29章の内容はどれも興味深い。読み応えも充分であった。

 

2月19日(木)    「世界から猫が消えたなら」   川村元気著

   

 消してみることで、価値が生まれる。失うことで、大切さが分かる。感動的、人生哲学エンタテインメント。
僕は生きるために、消すことを決めた。

 今日もし突然、チョコレートが消えたなら 電話が消えたなら 映画が消えたなら 時計が消えたなら 猫が消えたら          そして僕が消えたなら
   世界はどう変化し、人は何を得て、何を失うのか 30歳郵便配達員。余命あとわずか。
陽気な悪魔が僕の周りにあるものと引き換えに1日の命を与える。僕と猫と陽気な悪魔の摩訶不思議な7日間がはじまった―――
 消してみることで、価値が生まれる。失うことで、大切さが分かる。感動的、人生哲学エンタテインメント。(出版社内容案内から)

  郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、奇妙な取引を持ちかけてくる。「この世界からひとつ何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得ることができる」 僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計……そして、猫。僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。

  普通の小説とはかなり異なるが設定自体はすこぶる興味深い。永井聡監督、佐藤健と宮崎あおい主演で映画化されるとのこと。

 

3月4日(水)    「長生き競争」     黒野伸一

   

  「高村薫、ユーモア小説に挑む
 この村では、何だって起きる――。元村長、元助役、郵便局長、そしてキクエ小母さん。古ダヌキのような四人の老人が関わると、
村の小さな騒動も、AKB48から少子高齢化まで縦横無尽。
 儲け話と、食い物に目のない老人たちは、集会所に集まっては、日がな一日茶飲み話を。だがそこへ、事情を知ってか知らぬか、珍客がやって来る。テレビクルーに、タヌキのアイドルユニット、元アイドルの出家、はたまたキャベツは大行進。最後に、閻魔様まで!!

「ニッポンの偉大な田舎」を舞台にした、ブラックユーモアに満ちた奇想天外の十二編。現代を、冷静かつ緻密に描写しつづけてきた著者が、今の日本を、地方からユーモアとシニカルを交えて軽妙に描き出す。

 意外性で読んでみたが、こんな本も書くんですね。たまには良い気がするが、別の人の作品に走る?!

 

3月26日(木)    「百日紅」     杉浦日向子

    

 葛飾北斎の娘で23歳のお栄が、父・北斎や妹、仲間たちと共に浮世絵を描きながら自由闊達に暮らす様子を、江戸の四季を通して描く。

 長編アニメーション映画『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』が、5月に全国で公開される。新聞の広告をみてから本を読んでみたくなった。映画も楽しみだ。他の作品も読んでみたくなりました。↓

3月26日(木)    「百物語」     杉浦日向子

 

 江戸の時代に生きた魑魅魍魎たちと人間の、滑稽でいとおしい姿。懐かしき恐怖を怪異譚集の形をかりて漫画で描いたあやかしの物語。この作品も良かった。次はどんな作品を読もうかな?

 

4月8日(水)    「兵士たちの肉体」    パオロ・ジョルダーノ

 

 灼熱の大地の真ん中、アフガニスタンの紛争地域に派兵されたイタリア軍の若き兵士たち。危険ではあるが、たった数カ月の任務のはずだった。故郷から逃げだしてきた者、ひとりぼっちの母親を残してきた者、妊娠した女を残してきた者、オンライン上の仮想恋人に依存する者…それぞれの事情を抱え、孤独を噛みしめ、性をもてあます彼らの中には、愛情と憎しみが芽生えつつあった。そして、ようやく任地に慣れてきた頃、その後の人生を大きく変えることになる、忘れえぬ出来事が起こった―。砂漠への強行軍にのぞんだ若者たちは、何を見たのか?

 パオロ・ジョルダーノと言えば、前作「素数たちの孤独」*1がベストセラになり映画化もされた。期待して読んでみたのがこの作品でした。本のはじめに書かれている「西部戦線異常なし」(レマルク著)と先月に観た「アメリカン・スナイパー」(イーストウッド監督)を思い浮かべました。現代の戦争を描く力作であると感じた。

 ある書評にこの作品に似たケヴィン・パワーズの『イエロー・バード』があった。イラク戦争に従軍した2人のアメリカ兵、21歳のバートルと18歳の新兵マーフの物語。読んでみたくなった。

                         *1 http://yama1359.blog25.fc2.com/blog-entry-256.html

4月13日(月)    「誰も知らないわたしたちのこと」     シモーナ・スパラコ

  

 

 いのちは選別できるか――5年間の不妊の末に授かった息子には、出生前診断によって重大な疾患が発見された。選べるはずのないことを選ばされ、孤立感と絶望のあいだを揺れ動く35歳のフリーランス・ジャーナリスト、ルーチェの魂の彷徨を、著者みずからの体験をもとに描いて大きな反響を呼んだイタリアのベストセラー。ローマ賞受賞。イタリア最高の文学賞・ストレーガ賞最終候補作。

  いみじくも著者が小説中に書いているとおり,胎児になんらかの異常がみつかって選択的人工妊娠中絶をえらんだ女性のこのような経験や心情というものは,これまで決して社会の表にでてくることはありませんでした.最近では同じような経験をもったひとたちのセルフヘルプグループやその掲示板などでそういった思いに触れる機会もでてきましたが,しかし,少なくとも日本では同じような体験をした人間はかなりの数にのぼるにもかかわらず,こういった本が存在したことはいままでありませんでした.その意味でもとても重要な意味をもつ小説と思います。(解説の一部抜粋)

 

4月17日(金)    「クアトロ・ラガッツィ」     桑原みどり

     

 十六世紀の大航海時代、キリスト教の世界布教にともない、宣教師が日本にもやってきた。開明的なイエズス会士ヴァリニャーノは、西欧とは異なる高度な文化を日本に認め、時のキリシタン大名に日本人信徒をヨーロッパに派遣する計画をもちかける。後世に名高い「天正少年使節」の四少年(クアトロ・ラガッツィ)である。戦国末期の日本と帝国化する世界との邂逅を東西の史料を駆使し詳細に描く、大佛次郎賞受賞の傑作。 (上巻)

 四人の少年は、二年の歳月を経てヨーロッパへ到着する。ラテン語を話す東洋の聡明な若者たちはスペイン、イタリア各地で歓待され、教皇グレゴリオ十三世との謁見を果たす。しかし、栄光と共に帰国した彼らを待ち受けていたのは、使節を派遣した権力者たちの死とキリシタンへの未曾有の迫害であった。巨大な歴史の波に翻弄されながら鮮烈に生きる少年たちを通して、日本のあるべき姿が見えてくる。第31回大佛次郎賞受賞。 (下巻)

 3月4日に読み始めたのですが、内容と量に圧倒され1か月以上もかかってしまった。著者は歴史学者ではなく専門が西洋美術史なのだ!

 

 



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