辛口KOJIの 「キリリ」 といこう!!

HIV陽性者の家族と友人の会1st.geocities.yahoo.co.jp/gl/base_kobe

教育委員会と向かい合うと

2008年05月13日 | エイズの活動
トークイベント「カミングアウト・レターズへの思い」に対する後援名義使用の件で、政令市神戸市の市教委と向かい合っていると、未だいろいろなギャップがたくさんあってなかなかうまく説得できないところも多いですね。

何とかこのイベントには、後援名義使用の許可を頂きましたが、本当に理解してくれているのかなとも思います。申請の内容説明もまずまずだと思うし、足らずはないとも思うけれど、後味もいまいちよくないのも事実です。たぶん、気持ちが伝えきれていないのだと思っています。共感を得られていないのだとも思います。

つまり、何だか性的少数者の人権を楯にして押し切った感じが残ります。性的少数者のイベントに対して、教育委員会の後援を受けるのは、まだまだ全国的にも珍しい中で、微妙に、「許可ありき」になっていたような気もします。

「闘わず」という市民活動の方向性を選んだ神戸なんですが、かなりの議論はしています。それを何とかポジティブに捉えて欲しいなと思います。まあ、当日お越し頂ければ十分にご理解は頂けると思っていますが、、、。そういう意味でも、マイミクでこの本の編者の一人RYOJIを迎えることができるのは、神戸の性的少数者の人権を考える上では貴重な機会になると思っています。

さて、昨日、届いたメールの中に、「誠に遺憾ながら、株式会社シーブイミックスは、平成20年4月30日をもって、約12年間の全ての活動を停止いたしました。長らくの御支援を感謝致します。これまでの主要業務、及び、全コンテンツは、日本映像通信株式会社に引き継がれました。改めまして、宜しくお願い申し上げます」ってのがあって、何だろうと確認したところ懐かしい映像が確認できましたので、皆さんにご紹介します。

★「それぞれのHIV/エイズ101人のHIV/エイズ」

製作: VJ・Japan
時間: 23分15秒(全)
提出: 2004年8月15日

なんですが、ぜひ、ご覧下さい。http://mobacha.net/realnews15.html

この中には、全編を通じてエイズ対策のある意味先進国であるアフリカのウガンダの駐日大使が、自国での対策についての経験を語っていますが、実は、これは、世界の2つのエイズ対策の中の一つである、ABC対策と言われているものなんです。これについては、去年の私の1月の日記で、詳しく書いていますが、今になってみると当時は、まだまだ肩の力が入っているなと思います。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=310853200&owner_id=7664071

たった一年なのに、自分の書いた日記に対して、どうしてこんな違和感があるのだろうかと思うととても複雑な感じがします。

どうしても、「ABC対策」と「CNN対策」は、エイズの国際会議では、常に対立軸のように論じられますが、どうも最近そんな単純なものではないかなとも思います。特に、教育委員会と話をしていると、正確なABCのアプローチって、実は、日本には馴染むのかなとも思います。

①結婚するまでは、禁欲 

②相手を決めて 

③ それができない場合は、コンドームを使用する

というアプローチの方が、日本の教育現場には理解が進むのかもしれません。私は、ゲイですから、どうしても感染がいち早く拡大し、深刻化している支援の現場にいるために、危機感が募りますが、私と同じことを教育委員会に求めて、力ずくで押し込むよりも、もう少し日本の教育の現実(性教育ができない)を見据えれば、妥協ではないですが、柔軟性が必要なのかもしれないと思うのです。

どうも、日本のエイズNGOは、①、②に目くじらを立ててしまっているようにも思います。ただし、①、②および、③が実行できない人が感染するというこには、賛同できません。

そういう意味をこめて、それでもなお、

「エイズは、防ぎにくい病気です」

という発信が神戸からの発信なのではないかと考えています。

ABCも最後のプロセスとして、コンドームの使用を認めているのですから。禁欲、相手を決めてということを対立軸にしてしまっては、ますます教育の現場との溝を深めて、全く意味がない論争をしているような気持ちになってしまいます。

いきなり、コンドームを配布してというのは、価値観の対立を深めるだけではなく、実は、市民社会に対して、何か大きな過ちをしているのではないかと思ったりします。日本のエイズNGOは、私を含めてどうも、東京や大阪、名古屋などの大きなゲイコミュニティの発信をそのまま市民社会に当てはめているような気持ちになります。

この映像の中にある101人へのインタビューを今一度確認していると、「感染の可能性がある」と応えた少ない人に対するアプローチにターゲットを絞るだけではなく、むしろ、「感染しないと思う」という人たちに向けての現実的なアプローチが必要なのかもしれません。

コンドームをいきなり配ってしまったら、どうも「感染しないと思う」多くの人たちに理解を得ることが難しいのかとも思います。

この映像作品では、エイズについて、HIV陽性者団体のJanp+の長谷川博さん、神戸での国際会議や日本エイズ学会で私を委員に登用して下さった京都大学でエイズの社会疫学を専門としてされている木原正博さん、同じく神戸でのエイズ国際会議で、私と同じ財務委員を勤める中で、たくさんのご教示を頂いた、近畿地方で一番HIVの治療をして下さっている独立行政法人大阪医療センターの白坂琢磨さん、おなじみのエイズ予防財団の永井頼政さんとともに、今月17日にエイズのキャンドルパレードを主催される、京都のプラネットの小田切孝子さんもコメントされています。

そんなことを思いながら、今年の京都でのキャンドルパレードにRYOJIとともに参加したいと思います。みなさんもお時間があれば、ぜひ、ご参加下さい。

5月17日(土)午後6時30分、京都市役所前広場に集合し、円山公園まで夕暮れ迫る都大路を、手作りのキャンドルを持って一緒に歩いて下さいね。きっとあなたにも新たな発見があると思います。京都でお会いしましょう!!


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