昨日の新型インフルエンザの感染拡大を受けて、どうして神戸なんだろうと言う思いが確かにあります。昨日の京都のキャンドルパレードのオープニングセレモニーでも、挨拶の中で話をさせて頂きましたが、感染症が流行るということは、ウイルスが広がるということです。ウイルスは、人を選ばず広がりますから、それを押さえ込むのは、人だということです。
つまり、感染予防を含めた対策が機能するかどうかということです。
ここで間違ってはならないのは、どうしても人から人に感染が拡大すると、「うつされたら困る」という被害者意識が増大し、それが個人から社会全体に広がってしまうことです。過剰反応をすると感染された方に対する排除が起こり、中長期的に感染が拡大すると、それがHIVのように差別・偏見を帯びて、ますます感染拡大を助長してしまう悪循環に陥ります。
今回も大手メディアは、「神戸の感染者はクロ」とまるで犯人扱いをしてしまいました。何度もこんな表現を用いてしまうメディアの責任は大きいと思います。
また、医学的に正しくても、市民社会は、全てが合理的ではありませんから、予防対策だけでは、感染拡大はなかなか防ぎきれないということになります。つまり、感染拡大は、単にウイルスの問題ではなく、人が招くことが多いと言えるでしょう。
今日は、神戸まつりのおまつりパレードに参加する、KOBEふれんどりーマーチが中止になり、感染が拡大している神戸から、新型インフルエンザ対策について、もう少し考えてみたいと思います。
私の職場は、新幹線の新神戸駅、神戸市営地下鉄新神戸駅と直結している神戸市中央区の大規模商業施設です。800室規模の大型ホテル、劇場、飲食店等のテナントがたくさん営業しています。
今回、感染者が報告された神戸高校、兵庫高校の生徒さんたちも地下鉄やバスで通学しますから、私も既に新型ウイルスに遭遇している可能性があります。
地下鉄車内では、4割から5割の乗客がマスクを使用しています。神戸市内では、多くの薬局でマスクが売り切れている中で、月曜日から会社が始まりますから、会社が備えていたマスクが配布され、更に多くの市民がマスクを着用することになるでしょう。
さて、感染初期に起こりやすいパニックを考えると、エイズの際もそうであったように、あいまいな情報の錯綜が不安心理を煽り、排除が起こります。
ここで考えてみたいのは、今回の新型インフルエンザの感染拡大を受けて、神戸市民でマスクをすることは、過剰反応かということです。若い人たちに感染が確認されている、また弱毒性ということですから、私の職場でも、「過剰反応だ」と言う方が年配の方に多くいます。
しかし、これは、誤りです。
なぜなら、大規模商業施設では、消毒を完全にすることは不可能ですから、まずは、スタッフが感染しないことが大事です。つまり、感染経路を絶つというこが大事ですが、残念ながら私の職場では、マスクの備蓄もなく、配布もされていません。
そんな中で、私のもとで働いてくれている清掃スタッフは、なんと今朝は、9割が自主的にマスクを購入し着用していました。平均60歳前半の女性が実に懸命な対応をしてくれた訳です。
人は、個人として生活しているだけではなく、職場や学校など様々な社会とつながっていますから、マスクをしない人が感染すれば、職場が封鎖、営業停止になり、経済的な損失を蒙ることになります。特に、ホテルや飲食関係では、風評被害が発生すれば、長期間に渡って本当に大きなダメージになります。
新型インフルエンザですから、職場内で集団感染を想定すれば、リスクマネジメントをしっかりしなければならないのでしょう。
致死率の問題ではなく、感染拡大による排除が起こると経済的損失は、本当に大きいのです。だからこそ、不勉強な暢気な経営者の多い中小零細企業の経営者に向けて、きちんとしたマスクやうがい、手洗いが、社会的な信用につながると分かりやすくはっきり説明し啓発する必要があると思います。
お客様にマスクをして接することは失礼ではなく、マスクをしているお客様がいらっしゃる中で、しない方が失礼に当たるという具体的な啓発が大事ではないかと思います。この主の啓発は、行政は縦割りですから、保健所にはできないのでしょうか。
NHKのニュースで神戸市内のある大手ホテルの清掃の際の消毒の光景が映し出されましたが、なんとスタッフは、清掃スタッフだけではなく、ホテルのフロントのスタッフも誰一人マスクを使用していませんでした。杜撰な光景がテレビに映し出され、思わず笑ってしました。
いったいどんなリスクマネジメントなんだろう…
HIVもそうですが、無関心の中に広がるのです。そういう意味では、公衆衛生面だけのアプローチでは、予防のコストを惜しんでしまうことになってしまいます。
エイズ対策では、コンドーム。
インフルエンザ対策では、マスク。
しかし、どちらも100%の使用は難しい。使用しない人は必ずいます。
予防という観点では、最も普及している虫歯予防の歯ブラシのようになればいいと思います。神戸では、マスクが売り切れですから、早く買い求めることができるようになって欲しいと思います。
予防に使用するマスクやコンドームなどは、ともに生きるために使用します。消毒は、メディアが大好きな、「ストップ エイズ」や「撲滅」につながるようで、あまり得策ではありません。第一、不特定多数が利用する施設ですから、封鎖しない限りは対応が追いつかないという現実を考えると、しないよりましという程度でしょう。
エイズパニック、阪神淡路大震災の混乱を乗り越えた神戸市民が、再び今回の新型インフルエンザの感染拡大という困難を乗り越えて、「ともに生きる市民社会」について考える機会を得たと私は考えています。
今回の経験が、来るべき新たな毒性の強いウイルスの感染拡大の際に、効果を発揮できるようになればいいなと思います。そう考えると図らずも何度も試練に遭遇し、乗り越える神戸は、まさに日本の感染症対策の試金石ではないかとも思います。
つまり、感染予防を含めた対策が機能するかどうかということです。
ここで間違ってはならないのは、どうしても人から人に感染が拡大すると、「うつされたら困る」という被害者意識が増大し、それが個人から社会全体に広がってしまうことです。過剰反応をすると感染された方に対する排除が起こり、中長期的に感染が拡大すると、それがHIVのように差別・偏見を帯びて、ますます感染拡大を助長してしまう悪循環に陥ります。
今回も大手メディアは、「神戸の感染者はクロ」とまるで犯人扱いをしてしまいました。何度もこんな表現を用いてしまうメディアの責任は大きいと思います。
また、医学的に正しくても、市民社会は、全てが合理的ではありませんから、予防対策だけでは、感染拡大はなかなか防ぎきれないということになります。つまり、感染拡大は、単にウイルスの問題ではなく、人が招くことが多いと言えるでしょう。
今日は、神戸まつりのおまつりパレードに参加する、KOBEふれんどりーマーチが中止になり、感染が拡大している神戸から、新型インフルエンザ対策について、もう少し考えてみたいと思います。
私の職場は、新幹線の新神戸駅、神戸市営地下鉄新神戸駅と直結している神戸市中央区の大規模商業施設です。800室規模の大型ホテル、劇場、飲食店等のテナントがたくさん営業しています。
今回、感染者が報告された神戸高校、兵庫高校の生徒さんたちも地下鉄やバスで通学しますから、私も既に新型ウイルスに遭遇している可能性があります。
地下鉄車内では、4割から5割の乗客がマスクを使用しています。神戸市内では、多くの薬局でマスクが売り切れている中で、月曜日から会社が始まりますから、会社が備えていたマスクが配布され、更に多くの市民がマスクを着用することになるでしょう。
さて、感染初期に起こりやすいパニックを考えると、エイズの際もそうであったように、あいまいな情報の錯綜が不安心理を煽り、排除が起こります。
ここで考えてみたいのは、今回の新型インフルエンザの感染拡大を受けて、神戸市民でマスクをすることは、過剰反応かということです。若い人たちに感染が確認されている、また弱毒性ということですから、私の職場でも、「過剰反応だ」と言う方が年配の方に多くいます。
しかし、これは、誤りです。
なぜなら、大規模商業施設では、消毒を完全にすることは不可能ですから、まずは、スタッフが感染しないことが大事です。つまり、感染経路を絶つというこが大事ですが、残念ながら私の職場では、マスクの備蓄もなく、配布もされていません。
そんな中で、私のもとで働いてくれている清掃スタッフは、なんと今朝は、9割が自主的にマスクを購入し着用していました。平均60歳前半の女性が実に懸命な対応をしてくれた訳です。
人は、個人として生活しているだけではなく、職場や学校など様々な社会とつながっていますから、マスクをしない人が感染すれば、職場が封鎖、営業停止になり、経済的な損失を蒙ることになります。特に、ホテルや飲食関係では、風評被害が発生すれば、長期間に渡って本当に大きなダメージになります。
新型インフルエンザですから、職場内で集団感染を想定すれば、リスクマネジメントをしっかりしなければならないのでしょう。
致死率の問題ではなく、感染拡大による排除が起こると経済的損失は、本当に大きいのです。だからこそ、不勉強な暢気な経営者の多い中小零細企業の経営者に向けて、きちんとしたマスクやうがい、手洗いが、社会的な信用につながると分かりやすくはっきり説明し啓発する必要があると思います。
お客様にマスクをして接することは失礼ではなく、マスクをしているお客様がいらっしゃる中で、しない方が失礼に当たるという具体的な啓発が大事ではないかと思います。この主の啓発は、行政は縦割りですから、保健所にはできないのでしょうか。
NHKのニュースで神戸市内のある大手ホテルの清掃の際の消毒の光景が映し出されましたが、なんとスタッフは、清掃スタッフだけではなく、ホテルのフロントのスタッフも誰一人マスクを使用していませんでした。杜撰な光景がテレビに映し出され、思わず笑ってしました。
いったいどんなリスクマネジメントなんだろう…
HIVもそうですが、無関心の中に広がるのです。そういう意味では、公衆衛生面だけのアプローチでは、予防のコストを惜しんでしまうことになってしまいます。
エイズ対策では、コンドーム。
インフルエンザ対策では、マスク。
しかし、どちらも100%の使用は難しい。使用しない人は必ずいます。
予防という観点では、最も普及している虫歯予防の歯ブラシのようになればいいと思います。神戸では、マスクが売り切れですから、早く買い求めることができるようになって欲しいと思います。
予防に使用するマスクやコンドームなどは、ともに生きるために使用します。消毒は、メディアが大好きな、「ストップ エイズ」や「撲滅」につながるようで、あまり得策ではありません。第一、不特定多数が利用する施設ですから、封鎖しない限りは対応が追いつかないという現実を考えると、しないよりましという程度でしょう。
エイズパニック、阪神淡路大震災の混乱を乗り越えた神戸市民が、再び今回の新型インフルエンザの感染拡大という困難を乗り越えて、「ともに生きる市民社会」について考える機会を得たと私は考えています。
今回の経験が、来るべき新たな毒性の強いウイルスの感染拡大の際に、効果を発揮できるようになればいいなと思います。そう考えると図らずも何度も試練に遭遇し、乗り越える神戸は、まさに日本の感染症対策の試金石ではないかとも思います。