辛口KOJIの 「キリリ」 といこう!!

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薬害エイズの心

2008年01月12日 | エイズの活動
今夜は、久しぶりに薬害エイズの心について書き留めたいと思います。ある方から、薬害エイズの皆さんの想いについてメッセージを頂きましたので、その一こまを今日は紹介したいと思います。

私がエイズの活動を始めた頃に知り合って、奈良の母として慕っている方が、NPO奈良HIV情報センター理事長の稲葉美代子さんです。彼女は、奈良県生駒市の個人宅(薬害エイズで息子さんを亡くすまで住んでいらっしゃったご自宅)をエイズ資料館として維持、公開しています。

膨大な薬害エイズ大阪訴訟の裁判資料をはじめ、遺族の方々の思いのこもった命のキルトや貴重な資料が散逸しないように守っておられます。

平素は、明るいお母さんの装いの彼女ですが、エイズを語る彼女の眼からは、自然に涙がこぼれます。薬害エイズの被害者として息子さんを亡くしてしまった母は、死んだ息子さんのお年を数えてしまうのかもしれません。

息子さんの最期に当たって、「こんな恥ずかしい思いをしてまで生きたくない」と言わしめたエイズ。セックスもおそらく経験していないだろう若き命が薬害で奪われた事実。

「私はゲイのことは分からないけれど、繁内さんは好きだ」と言ってくれる彼女を見ていると、私はいつも薬害エイズの関係者、とりわけご遺族の皆さんの無念を忘れることができません。

彼女の中では、私がゲイというよりも、私がエイズの活動でいつも拘っている、「人として」の部分への共感があるのでしょう。ありがたいことだといつも思います。

だから、私の講演会や講義では、必ず薬害について触れているんです。日本では、10年に一度繰り返される薬害。そのためにも、風化させてはならない薬害エイズの重い教訓。

薬害は、よいエイズ? 性感染は、よくないエイズ?

感染経路に関わらず、同じHIVによって苦しみの中にある患者としての共感。

全てはHIVと闘うための人としての叡智の結集としての寛容。

薬害の皆さんと接するたび、矛盾を帯びた実社会に対する深い心の痛みをひしひしと感じます。そして、エイズに関わる全ての者が、感染の有無に関わらず、歴史を風化させてはならないし、歴史を知って活動しなければならないとも思います。

今夜は、少しですが稲葉さんのことについて書きました。また、私の薬害関係の知人、友人について私の思いを書きたいと思います。

薬害か?性感染か?

それを結べる唯一のキーワードも、やはり人としてではないかと私は考えます。

個人的な意見ですが、コンドームを配って、イベントをする活動が、知識を普及させる効果はあっても、行動変容を促すかはかなり疑問が残ります。

先ずは、エイズに関わる全ての仲間が、薬害エイズの心に触れることが大事だといつも私は思っています。

今年は、日本のエイズの歴史と背景についても、大変デリケートで難しいことですが、日記に書きたいと思っていますので、ぜひ、ご覧下さい。性感染をされた方には厳しい表現もあるかと思いますが、エイズの持つ困難さをどう乗り越えるかを考える参考にして頂ければと思います。

春先の日曜日に、奈良HIV情報センターで、勉強会をしましょう。稲葉さんに親しくエイズを語ってもらいましょう。もちろん、私も語りたいと思いますが、ご参加頂ける方がいらっしゃいましたら、ぜひ、お知らせ下さい。

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