辛口KOJIの 「キリリ」 といこう!!

HIV陽性者の家族と友人の会1st.geocities.yahoo.co.jp/gl/base_kobe

日本人だからうつになる

2008年05月26日 | エイズの活動
今朝の朝日新聞天声人語に、上野玲さんの「日本人だからうつになる」(中公新書ラクレ)が紹介されています。上野さんは、ご本人もうつと闘いながら執筆活動をされていらっしゃる訳で、去年は、そんな上野さんに取材して頂いたことを思い出しました。

そのときは、読売ウィークリーの取材だったんだけれど、彼がHIVに興味を持って取材しようと思ったときに、一番気になる発信をしていたのが、私だったそうです。その読売ウィークリーの内容は↓

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=399594793&owner_id=7664071

東京にエイズのNGOがたくさんある中で、真っ先に神戸にお越し下さいました。彼が宿泊されたホテルのレストランで3時間近くもお話をさせて頂いた中で、「真っ先に神戸に来てよかったです」とおっしゃられ、二週に渡る記事の多くを私の言葉を綴って下さった訳です。

古参のエイズ業界の方々からは、「ぷれいす東京の池上さんやジャンププラスの長谷川さんを紹介しつつ繁内さんを中心にはすごすぎるよ!!」と揶揄されましたが、上野さんがうつを患いながら真摯に書き纏めてくれた読売ウィークリーを懐かしく思います。

そして、記事が掲載された後に、再度、神戸にお礼にお越し下さったのにはびっくりしました。三宮の韓国料理店でごちそうになりながら、うつについても親しくお話を下さいました。

「日本人だからうつになる」っておっしゃっていて、なるほどとマッコリ(韓国のどぶろく)を頂きながらうなづく私がいました。うつ多発の陰には、日本の「頑張れ精神」と個を重んじない「村社会」があると指摘されました。

「働けないのなら去れというのが上司の考えです」といううつを発症した大企業社員(38歳)の言葉。

成長期には、大量に社員を雇用して、皆が幸せになれたらしいが、現在は、派遣やパートなど非正規雇用が増加し、社員の仕事が激務になると天声人語は伝えているが、非正規雇用は、短期(期間限定)のものも多いし、ノルマ(成果)を達成できなければ自動的に解雇(雇用期間が延長されない)される訳だから、社員より厳しいことには、全く触れられていません。

私の知人の中にも何人ものうつの治療をされている方がいらっしゃいます。HIV感染に伴ううつの方が多いのだけれど、十分に治療する生活に余裕がないのも現実だから、ゆっくり癒して欲しいけれど難しい。そんな話も上野さんにしました。

また、いったん失業してしまうと、再就職は、よほどの資格や技術がない限り、年収は激減する日本社会。新卒の初任給以下で働かざるを得ない経験豊富な中高年の方が多い厳しい現実。こんな国の労働政策はまるで途上国並かなとも思います。

最低賃金を上げたら、成り立たない中小企業。つまり、倒産が増加するか、短時間雇用が増加して、ますます労働環境が悪化するらしいですが、、、

私は、『職にあるものも、ないものも、誰も幸せになれない社会に、うつは増加する』と、天声人語の結論と異なった結論を持っています。

ちなみに、本日の天声人語の結論は、あくまで、「職にある者のうつ」についてのみ書いているんのだけれど、、、

上野さんのうつは、少しは治癒されただろうか。久しぶりに、メールでも入れてみようと思います。

みなさんも上野玲さんの「日本人だからうつになる」(中公新書ラクレ)をぜひ、読んでみて下さい。


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