Blog 四方山農コラム

埼玉県は吉見町で有機稲作をしている大畑農場の農場主が発信するコラムです。

民間稲作研究所の公開シンポジウムに参加して

2010年02月26日 | 日記

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2月20日 アイリスホールにて   2月21日民間稲作研究所の有機農業
                            技術支援センターにて
      

民間稲作研究所の公開シンポジウムが、2月20、21日と栃木県宇都宮市にあるアイリスホールで開催されました。
日本各地の公共機関や民間からの研究報告や取り組みが発表されました。
なかでも、新潟県農業試験場のイトミミズと抑草の関係や、コウノトリの復活に取り組む兵庫県豊岡市の報告など興味深いものばかりでした。
夜は、各テーマに分かれて小会議室で勉強会がありました。ここに集まる男どもときたら夜中の12時近くまで激論を交わしています。
小生は11時にダウンして寝室にもどりました。

農業を始めるときは、付加価値をつけた高価な農産物を作って売ろうと考えていたのですが、小川町の霜里農場に出入りしたり、民間稲作研究所のこういった研修会に参加するようになって有機農業に対する考えがはっきりと変わってきました。
それは人間が生きるための営みをするのに環境に負荷をかけてはいけないということです。
そのための有機農業なのだと。
人間の都合で自然のバランスを崩してはいけないのです。
報告の中に、たんぼにヤゴが大発生し、赤トンボが何万匹と飛び立ったというお話がありました。
小生が『へぇー』という声を出すと隣の人が小さな声で言いました。
『まだ、発展途中の田んぼだ。完成した田んぼなら、ひとつの生き物が大発生するはずがない。ひとつの生き物が大発生すれば、必ずそれを餌にする生き物が現れる。そうやって自然界はバランスをとっているのだ。』と。

有機稲作は奥がふかいなー。
まだまだ書きたいことがありますが、また次回に。


籾殻薫炭器のその後

2010年02月23日 | 日記

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真っ黒な籾殻薫炭が出来ました。

低温で焼かれて、消火は空気を遮断されるのでパリパリの籾殻薫炭です。


底の部分です。

少し燃え残りが残っています。
下部の空気口の周りに白い灰が少し見えます。
今回は稲の床土に使うので真黒な籾殻薫炭だけ使います。
ドラム缶の下部はまだ未完成なのですが、完全に黒くなるというのはまず無理でしょう。


化学農薬の使用回数とは

2010年02月17日 | 日記

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昨日、長女が「おとうさん、これ、読んでごらん。」と『美味しんぼ』を3冊持ってきました。
その中に気になることが書いてありました。
101集のP132~P134に慣行栽培での農薬使用回数が書いてあります。
それによると、新潟県のコシヒカリは21回、群馬県のキャベツは26回、熊本県のトマトは61回とあります。
この漫画本だと、この回数だけ農薬噴霧機を使って農薬の散布をしているように受け取れます。
この回数というのは、農薬成分の回数のことをいっています。
作物の病気の種類によって防除する農薬の成分は異なります。
1成分ずつ農薬散布をするのは非効率なのでそんな人はいません。
たいていは、何成分か混合して散布しています。
新潟産のコシヒカリが21回というのは驚きですが、この回数は各県によって定められています。
埼玉県の場合は、五月上旬にコシヒカリの田植えをする場合、慣行栽培での農薬使用回数は12回ということになっています。
なんと埼玉県産コシヒカリは、新潟県産コシヒカリの約4割減の農薬使用量ということになります。

農場主は埼玉県なので、水稲5月上旬~5月下旬の移植期ということでお話します。
まずは、種まきをする前に、種子消毒というのをやります。
これには、テクリードCフロアブル(1成分)とバイジット乳剤(1成分)を使います。
種を播く土を殺菌するために、タチガレンエース粉剤(2成分)を土と混ぜます。
次に、田植をするとき、プリンス粒剤(1成分)を育苗箱に散布します。
田植が終わると、除草剤(3~4成分)を散布します。
3~4成分あれば、田んぼに生えるほとんどの草の成長を阻害することが出来ます。
いま、主流となっている除草剤は500ccの容器に乳液状態になって入っています。容器から、直接田んぼに散布します。
さあ、ここまでの農薬使用回数は何回でしょうか。
答えは8回~9回です。
これまで農薬散布の機械はいちども使っていません。
このあと稲刈りまで1回か2回機械で農薬散布をすれば慣行栽培でいう12回の農薬散布ということになります。
消費者のみなさんの多くは、この機械での散布だけを農薬散布だと思っているのではないでしょうか。



農業は百姓(ひゃくせい)だあー。

2010年02月12日 | 日記
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この機械はテーラーと言います。
小型耕運機と似ていますが、これは荷台を引く機械です。
いまから50年くらい前、耕運機が一般に普及する以前はこれに籠車輪をつけて、田んぼの代掻きをしていたこともあります。
去年、ポット苗の苗代をトラクターで掻き回したところ、土があまりにもトロトロになりすぎて困ってしまいました。
テーラーでやる方法ならあまり土が細かくならないので、今年はこれでやってみようと思っています。(後ほどBlogで紹介します。)
このテーラーは2年ほど使っていない物をもらってきました。
当然エンジンは掛からなくなっています。プラグの掃除とキャブレターの分解掃除が必要です。
3時間ほど費やしましたが、エンジンは掛かるようになりました。
しかし、低速回転の調整がいまいちです。
この調整は難しいので機械屋さんがきたときに、見てもらうことにします。
農業は機械をたくさん使います。『壊れたら修理屋さん』では、修理費がいくら有っても足りません。自分で直せる物は自分で直す。
『必要は修理の母』です。(・・・あれ?)

籾殻薫炭器

2010年02月10日 | 日記

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今日は籾殻の薫炭つくりを行いました。
大畑農場では、稲の種まきの時、籾殻薫炭を使います。(ホームページの栽培方法でいずれ紹介します。)
種まきの培土に籾殻薫炭を使う方法は、霜里農場の金子さんに教わりました。


この籾殻薫炭器は去年作りました。200ℓのドラム缶を使用しています。


農場主が考案した自動消火装置です。ドラム缶の下部まで火が回ると自動的に空気穴が閉まります。


副産物として、籾酢液も取れます。