アメリカで高校生や大学生がベビーシッターのアルバイトをするのは日本でも知られていますが、フランスでもベビーシッターのアルバイトは盛んです。母親の就労率の高いフランスでは、平日の就労中は保育園に預けるか、労働契約を結んだ「保育ママ」を利用しますが、平日の夜や週末に親が出かけたり用事があるときには、臨時の学生のべビーシッターを頼むことが多いようです(もちろん、おじいちゃん、おばあちゃんというオプションもあります)。
保育園は夜は開いていませんし、昼間にフルで働いている「保育ママ」では、夜までなかなか引き受けてくれないうえに値段も高めです。学生のアルバイトに頼むのは何より値段が手頃というのが理由ではないでしょうか。
この学生ベビーシッターは、頼む親にとって値段が手頃で頼み易い、という利点がありますが、学生にとってもいろいろな意味で人気のあるアルバイトです。夜の8時か9時頃までは、食事をさせて、お風呂に入れたり相手をして遊んであげたり、とすることはありますが、寝かしつけてしまえば、そのあとの時間はお留守番さえしていればよいわけです。テレビを見たり勉強したり、と時間を好きなように使えます。そして、学生にとってもう1つの良いところは、(本人にそんな意識はないと思いますが)子どもの世話のしかたを覚えることでしょう。
「小さな子どもと触れ合う機会を設けて、その接し方を学ぶ。」などと、わざわざ場を設定して、講習会かセミナーのように経験しに行かなくても、ベビーシッターをしながら実地で少しづつ育児力が「自然に身についていく」のです。ベビーシッターのアルバイトは、社会全体の若者の育児力をあげることにも一役買っているのですね。
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