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沢木耕太郎

2004-08-20 06:39:54 | showtime
「沢木耕太郎みたいなの書いてよ」 と、

多くの編集者がこう言ってデビューしたての小林信也に仕事の依頼をしてきた。沢木耕太郎の 『敗れざる者』 がベストセラーとなったころの話だ。で、もう少し時間が経つと、小林信也は 「山際淳司みたいなの書いてよ」 とみんなに言われるようになった。もちろん『江夏の21球』がヒットしたからである。ちなみに、当時若くて世間知らずだった小林信也は、自分はこの2人のどちらとも違うものを書けると思っていたそうだ。

『マルーシ通信』 という題で沢木耕太郎の連載が、数日前から朝日新聞で始まった。当然というべきか、読んでみると面白い。

レース内容を覚えていないほどがむしゃらに泳いだ北島に対して、レースについて正確に記憶していたハンセン。男子100メートル平泳ぎでは、「一心不乱」が「沈着冷静」を制したと、沢木耕太郎は分析した。面白いじゃないか。しかも、200メートルはどうなるだろうと続けている。うまい。(でも掲載された同じ新聞には、北島2冠と大きく載っている。)

メダル・ラッシュに沸く日本の五輪報道だが、五輪のメインはあくまでも陸上競技だ。その陸上競技が、いよいよ今日から始まる。