アーサー・コナン・ドイルが創造し、故 ジェレミー・ブレット氏が演じた、屈指の諮問探偵シャーロック・ホームズの活躍を描いた ドラマ 『 名探偵 シャーロック・ホームズ 』。
アガサ・クリスティが創造した、エルキュール・ポアロ、ミス・ジェーン・マープルとともに、私のミステリ熱を上げてくれたのが、彼ら 名探偵たちと 実写化されたドラマシリーズです。
それらと同じく、実写化され、日本でもNHK総合にてオンエアされたにもかかわらず、長くDVD化されることがなかったドラマがあります。
以前に記事にした 『 ジェシカおばさんの事件簿 』 ( 日本版DVDリリース済 ) にも タッパー保安官役にて出演していた トム・ボズリィ氏演じる ダウリング神父が主役の、ドラマ 『 名探偵 ダウリング神父 』 ( 原題:Father Dowling Mysteries ) です。
日本でこそ NHKオンエア版のDVDは未発ですが、海外では いくつかのDVD版が数年前からリリース中です。 今年の2月にパラマウントから 合衆国向けに発売されたものは、海外DVD販売店にて購入ができます。
今回は、このDVD 『 Father Dowling Mysteries: The First Season 』 についてのレヴュー。 内容云々ではなく、DVD化されたモノについて、です。
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合衆国での初回オンエアは、パイロット版は1987年、レギュラー放送は1989年―1991年 ( 日本NHK版:1992年 ) という、本当に クラシックなドラマ。
主役は二人、カトリック教会の神父 ダウリング ( トム・ボズリィ ) と シスター・ステファニー ( トレイシー・ネルソン )。
ダウリング神父は、温厚な性格で 教区内で起こる事件に 信徒や住人が巻き込まれるや 手を差し伸べる、神父の鑑のような人物。 おおらかさと思いやりがあり、懐も深い 好中年。
シスター・ステファニーは、元 不良グループの大物という女傑。 ダウリング神父を敬慕しており、神父とともに事件解決に尽力する。 元 不良少女だっただけあって、作中での行動や言動がシャキシャキしており、観ていて 爽快さを感じます。
当時の合衆国シカゴを舞台にした作品ですが、街の背景や小物を見るにつけ、90年代を感じさせてくれます。
NHKオンエア当時、「 アメリカって、こんな所なんだ~ 」 と刷り込まれた記憶があります。
―― 当時、私は○学生。 そして時代は、平成が始まって数年目。 今でこそ、テレビはDVDやBDのディスクに録画しますが、当時は ピラピラのビデオテープ。
宅には、当時の放送をビデオデープに録画していたものから、DVDに録画し直したものがあります。 現在発売されているDVDと比較しますと―― 尋常でない差を感じます。
先ずは、ドラマ オープニングから。 ( 以下、左:NHK総合版、右:合衆国DVD版 )
キャスト紹介での、ダウリング神父とシスター・ステファニー。
以下は、本編の映像ですが、手持ちの自作DVDと同じものが なかったため、同一エピソードではありません。
ビデオテープは、保管環境によっては、カビすら生えるとのことですが、さすが20年以上前のモノ―― デンジャラスです。
BD化が一番だったのでしょうが、DVD化で、あれだけの画質であれば、プレーヤーの機能で十分 鑑賞に耐えます。
ただ、合衆国版だけあって、もちろん 日本語吹き替えなどはありません。 字幕も、英語のモノだけです。
―― 『 ジェシカおばさんの事件簿 』 ( 原題:Murder, She Wrote ) は、NHKオンエア版と 合衆国版ともにリリースされています。 どうも 売れ行きは、前者のほうがよいようですね。 英語自体が、いまだ市民権を獲得していない感のある日本では、「 吹き替えなし 」 という点は、やはりネックなのでしょう。 本作品も、日本にては、あまり売れ行き芳しからぬ様子。
『 Murder, She Wrote 』 や 『 Murphy Brown 』 といった作品を、合衆国版にて、日本語吹き替えなどは無しで観る私ですが、それら以外の作品となると、なかなか食指が動かないのが正直なところ。
人格形成に影響を与えた作品というものは、やはり ヒトを突き動かすものなのでしょう。
それは 例えば、小説、音楽、映画にドラマ。 ファイナルファンタジーやキングダムハーツ―― ゲームでさえも、また 同じこと。 「 感動した名作 」 というものに、ヲタも何も ないのかも知れません。