「雑草という草はない」
生前の昭和天皇が、行幸先で故・安倍晋太郎氏に言ったという名言である。
安倍晋太郎氏が農林水産大臣をつとめていた時、天皇の行幸先で案内役をつとめた折、
「ここから先は雑草です」
と説明すると、陛下は、
「雑草という草はない」
と仰せになったという。
後日、この話を持ち出され、「感動しました」と言われた時、陛下は、
「そんなに感動されても恥ずかしいのだけれども、ただ、雑草というのは人間のエゴからつけている呼び名である。かわいそうだよね。猛獣という言葉もあるけど、ライオンやトラから見たら、一番の猛獣はあるいは人間かもしれないね」
・・・とも仰せになったという。
第二次世界大戦を最高責任者として経験した昭和天皇の人格を偲ばせるエピソードではある。
卒論に中国皇帝制度をテーマにしていた時、『帝位』というモノの感触を知りたくて、日本の皇室関係の文献を読み漁っていた時期がありました。
1992年刊行の、『陛下のご質問』(著:岩見隆夫)という書籍を読んだのは、そのころの事でした。
先日、勤務している店舗で、上記の書籍が文庫化されていたのを知り、懐かしさのままに購入してしまいました。今回は、これについてです。
『陛下のご質問 昭和天皇と戦後政治』
岩見隆夫:著 文藝春秋:発行 2005年
2005年ベルリン映画祭に出品された、映画『IL SOLE(“太陽”の意)』。
昭和天皇の神性の晩年、いわゆる敗戦後の『人間宣言』の前夜をテーマにした伝記映画といわれる。日本公開は未定で、おそらくは無理だろうと思います。
戦後、『人間となった』昭和天皇が、戦後政治とどう関わったのか。
歴代首相や閣僚の内覧、近習との午餐会などでのエピソードを通して述べています。
べつだん、政治に興味などなくても、昭和天皇の人となりを知る上で、とても興味深い本です。冒頭の「雑草という草はない」発言も、そのひとつです。
肉食獣が、たまに人間を襲ったからといって、獣が悪だという訳でない。
虫が野菜を食べるからといって、虫が悪だという訳でない。
彼らは、ただそうであるだけである。
ただ、人間にとって困ったさんであるというだけである。そこを弁えておかないと、自分達以外は悪であるというモノの見方に縛られないとも限らない。
ほかにも、「健康法はなにか」と問われて、
「別に健康法はないけど、ものごとほどほどということではないか」
と答えたエピソードも紹介されている。
紀子妃懐妊で、またぞろ皇室問題が週刊誌に書き立てられていますが、ゴシップが好きねぇ・・・という印象を受けます。タレントさんたちだけでは飽き足りないようです。
「新潮」「文春」といった週刊誌でさえ、その感を否めません。
昭和天皇ではないけれど、品格という健康を保つためにも、ほどほどになさったらいかが?と言いたくなってしまうほど。
生前の昭和天皇が、行幸先で故・安倍晋太郎氏に言ったという名言である。
安倍晋太郎氏が農林水産大臣をつとめていた時、天皇の行幸先で案内役をつとめた折、
「ここから先は雑草です」
と説明すると、陛下は、
「雑草という草はない」
と仰せになったという。
後日、この話を持ち出され、「感動しました」と言われた時、陛下は、
「そんなに感動されても恥ずかしいのだけれども、ただ、雑草というのは人間のエゴからつけている呼び名である。かわいそうだよね。猛獣という言葉もあるけど、ライオンやトラから見たら、一番の猛獣はあるいは人間かもしれないね」
・・・とも仰せになったという。
第二次世界大戦を最高責任者として経験した昭和天皇の人格を偲ばせるエピソードではある。
卒論に中国皇帝制度をテーマにしていた時、『帝位』というモノの感触を知りたくて、日本の皇室関係の文献を読み漁っていた時期がありました。
1992年刊行の、『陛下のご質問』(著:岩見隆夫)という書籍を読んだのは、そのころの事でした。
先日、勤務している店舗で、上記の書籍が文庫化されていたのを知り、懐かしさのままに購入してしまいました。今回は、これについてです。
『陛下のご質問 昭和天皇と戦後政治』
岩見隆夫:著 文藝春秋:発行 2005年
2005年ベルリン映画祭に出品された、映画『IL SOLE(“太陽”の意)』。
昭和天皇の神性の晩年、いわゆる敗戦後の『人間宣言』の前夜をテーマにした伝記映画といわれる。日本公開は未定で、おそらくは無理だろうと思います。
戦後、『人間となった』昭和天皇が、戦後政治とどう関わったのか。
歴代首相や閣僚の内覧、近習との午餐会などでのエピソードを通して述べています。
べつだん、政治に興味などなくても、昭和天皇の人となりを知る上で、とても興味深い本です。冒頭の「雑草という草はない」発言も、そのひとつです。
肉食獣が、たまに人間を襲ったからといって、獣が悪だという訳でない。
虫が野菜を食べるからといって、虫が悪だという訳でない。
彼らは、ただそうであるだけである。
ただ、人間にとって困ったさんであるというだけである。そこを弁えておかないと、自分達以外は悪であるというモノの見方に縛られないとも限らない。
ほかにも、「健康法はなにか」と問われて、
「別に健康法はないけど、ものごとほどほどということではないか」
と答えたエピソードも紹介されている。
紀子妃懐妊で、またぞろ皇室問題が週刊誌に書き立てられていますが、ゴシップが好きねぇ・・・という印象を受けます。タレントさんたちだけでは飽き足りないようです。
「新潮」「文春」といった週刊誌でさえ、その感を否めません。
昭和天皇ではないけれど、品格という健康を保つためにも、ほどほどになさったらいかが?と言いたくなってしまうほど。