乙女の永遠のバイヴル・・・『赤毛のアン』。
ドラマ『 Road to Avonlea 』は、この物語の姉妹篇のような位置づけにあるものです。
『 Road to Avonlea 』は、カナダのサリヴァンTVでTVシリーズのドラマとして制作され、1990年から1996年まで放送されました。
日本では、御大NHK教育と総合で、『 アボンリーへの道 』として全話放送されました。
第七シーズンまで、本編があり、そののちTVスペシャルが制作(日本未公開)されています。
ド田舎生活至上主義の私にとって、このドラマは、『赤毛のアン』の姉妹篇としてだけではなく、ライフスタイル・モノの見方についても非常に大好きなドラマでした。
シリーズ初期の物語は、本当に古きよき19世紀そのもの。まだまだ世界が「小さかった」、あの頃そのものです。
原作として、モンゴメリの『ストーリー・ガール』や『アン』シリーズを使っているおかげで、あの時代をかなり忠実に再現・構成していると思います。
物語の中のキャラクターはみんな、「キャラが立って」おり、観ていて胸がすきます。
主人公のセーラ・スタンリー(サラ・ポリー、画像中央の少女)は、モントリオールから亡母の故郷アヴォンリー村のローズ荘に引っ越してきた少女。
都会育ちという経験から、最初は村の生活や子供たちとなかなか馴染めなかったが、最期には、蛇を素手で掴めるほどに成長。
第五シーズン半ばごろから登場回数が減り、方針の違いから第六シーズン以降はドラマを降板。作中では、「フランスのクリュニー学院でレディとしての修養を積むために、渡仏」という設定。最終回には、淑女として村に戻ってきて、従姉の結婚式に出席しました。
セーラの伯母さん、ヘティ・キング(ジャッキー・バロゥズ、画像右端)は、ローズ荘に住むキング家姉妹の一人。妹の遺児セーラの教育に気勢をあげる。
最初はいぢわるヘティとも言えるほどのガミガミ教育おばさんっぷりを見せる。彼女は村の学校の先生でもあるのだ。しかし、彼女も最期のあたりには、セーラがボーイフレンドとデートすることを許すほどに寛容になる(でも、二人がキッスまでしたと知ったら、外出禁止令だけでは済まなそうでしたが)。
ヘティ自身、ロマンチックな性格で、ぎっくり腰の塗り薬をプレゼントしてくれたというだけで、ダンディなペティボーン先生を好きになってしまうという可愛い一面も。
多才な人で、学校の先生をするかたわら、執筆活動を行い、恋愛小説家として名を馳せる。さらには、缶詰工場の買収、ホテル経営と各方面に手を広げる。
村への愛着が深く、経済・厚生問題でアヴォンリー村と近隣のカーモディーとの合併問題が起こったときには、村の風景や村人達の日常を映画として撮影し、それを皆に見せて、
「変化は仕方ないことかもしれません。でも、この愛すべき風景を、私たちが幼い頃から過ごしてきたこの村を、いま消してしまってもいいのでしょうか?」
と問いかけ、アヴォンリーの合併を阻止した。
(この回は、平成の大合併で揺れている、各地方自治体の人たちに是非観ていただきたい回です)
それに今一人、ジャネット・キング(ラリー・カデュー、画像左端から二人目)は、キング家のお嫁さんだが、内職斡旋の詐欺に引っかかり、大金の支払いを迫られるが、逆ギレして代金踏み倒しをするほどのつわもの。
映画『赤毛のアン』三部作からのキャラの登場も見所のひとつで、レイチェル・リンド夫人(パトリシア・ハミルトン)、ヘティおばさんの愛するペティボーンを奪った憎い恋敵(笑)ミュリエル・ステイシー(マリリン・ライトストーン)も登場。
そしてきわめつけは、アンの愛すべき養い親、マリラ・カスバート(コリーン・デューハースト)でしょう。第一シーズンから、ゲスト出演していて、恋愛事件や孤児引取り事件でステキなおばさまっぷりを披露してくれましたが、デューハーストさん自身の癌の病でシリーズを降板。
お別れの話では、マリラが病のために死んでしまい、後を親友リンド夫人に託すというお話でしたが、ご自身も実際に病気だということを踏まえてこの回を見ると、今でも涙が・・・。
彼女は、ドラマ『Murphy Brown』でも、マーフィーの母親エイヴァリー・ブラウン役でゲスト出演していましたが、この役でエミー賞を受賞した数日後、癌の為に逝去されました・・・ご冥福をお祈りします。
今なお、心に残る名作ドラマ。人の心情や思い出に強く訴えかける、このドラマ。
日本では絶対制作されない類のドラマでしょう。
大正・昭和初期の農村の少年少女のドラマなら・・・例えば宮沢賢治の『風の又三郎』のような物語なら・・・なかなか面白いのができると思うのですが。まだ、戦争臭もそんなに強くないだろうし。
ただ、視聴者層は中高年代に限定されそうですが。
ドラマの第一・第二・第三シーズンの中のいくつかの話が小説版として刊行。さらに、いくつかが日本語に翻訳されており、金の星社から単行本が発売。現在では絶版扱いだったような気がしますが、図書館に行くと少年少女向けコーナーに収蔵されていたりして、なつかしい気持ちになることがしばしばあります。
セーラ役を演じた、サラ・ポリーさんを昨年公開されたホラー映画『ドーン・オヴ・ザ・デッド』で観ることができます。主役の看護婦役を演じていました。
「ただのB級映画には出たくなかったの」
と言っていたそうですが、たしかにあの映画はただのB級ではなかったと思います。
エクストラB級でしたから。・・・あの映画は観ない方がよかったですね。
ドラマ『 Road to Avonlea 』は、この物語の姉妹篇のような位置づけにあるものです。
『 Road to Avonlea 』は、カナダのサリヴァンTVでTVシリーズのドラマとして制作され、1990年から1996年まで放送されました。
日本では、御大NHK教育と総合で、『 アボンリーへの道 』として全話放送されました。
第七シーズンまで、本編があり、そののちTVスペシャルが制作(日本未公開)されています。
ド田舎生活至上主義の私にとって、このドラマは、『赤毛のアン』の姉妹篇としてだけではなく、ライフスタイル・モノの見方についても非常に大好きなドラマでした。
シリーズ初期の物語は、本当に古きよき19世紀そのもの。まだまだ世界が「小さかった」、あの頃そのものです。
原作として、モンゴメリの『ストーリー・ガール』や『アン』シリーズを使っているおかげで、あの時代をかなり忠実に再現・構成していると思います。
物語の中のキャラクターはみんな、「キャラが立って」おり、観ていて胸がすきます。
主人公のセーラ・スタンリー(サラ・ポリー、画像中央の少女)は、モントリオールから亡母の故郷アヴォンリー村のローズ荘に引っ越してきた少女。
都会育ちという経験から、最初は村の生活や子供たちとなかなか馴染めなかったが、最期には、蛇を素手で掴めるほどに成長。
第五シーズン半ばごろから登場回数が減り、方針の違いから第六シーズン以降はドラマを降板。作中では、「フランスのクリュニー学院でレディとしての修養を積むために、渡仏」という設定。最終回には、淑女として村に戻ってきて、従姉の結婚式に出席しました。
セーラの伯母さん、ヘティ・キング(ジャッキー・バロゥズ、画像右端)は、ローズ荘に住むキング家姉妹の一人。妹の遺児セーラの教育に気勢をあげる。
最初はいぢわるヘティとも言えるほどのガミガミ教育おばさんっぷりを見せる。彼女は村の学校の先生でもあるのだ。しかし、彼女も最期のあたりには、セーラがボーイフレンドとデートすることを許すほどに寛容になる(でも、二人がキッスまでしたと知ったら、外出禁止令だけでは済まなそうでしたが)。
ヘティ自身、ロマンチックな性格で、ぎっくり腰の塗り薬をプレゼントしてくれたというだけで、ダンディなペティボーン先生を好きになってしまうという可愛い一面も。
多才な人で、学校の先生をするかたわら、執筆活動を行い、恋愛小説家として名を馳せる。さらには、缶詰工場の買収、ホテル経営と各方面に手を広げる。
村への愛着が深く、経済・厚生問題でアヴォンリー村と近隣のカーモディーとの合併問題が起こったときには、村の風景や村人達の日常を映画として撮影し、それを皆に見せて、
「変化は仕方ないことかもしれません。でも、この愛すべき風景を、私たちが幼い頃から過ごしてきたこの村を、いま消してしまってもいいのでしょうか?」
と問いかけ、アヴォンリーの合併を阻止した。
(この回は、平成の大合併で揺れている、各地方自治体の人たちに是非観ていただきたい回です)
それに今一人、ジャネット・キング(ラリー・カデュー、画像左端から二人目)は、キング家のお嫁さんだが、内職斡旋の詐欺に引っかかり、大金の支払いを迫られるが、逆ギレして代金踏み倒しをするほどのつわもの。
映画『赤毛のアン』三部作からのキャラの登場も見所のひとつで、レイチェル・リンド夫人(パトリシア・ハミルトン)、ヘティおばさんの愛するペティボーンを奪った憎い恋敵(笑)ミュリエル・ステイシー(マリリン・ライトストーン)も登場。
そしてきわめつけは、アンの愛すべき養い親、マリラ・カスバート(コリーン・デューハースト)でしょう。第一シーズンから、ゲスト出演していて、恋愛事件や孤児引取り事件でステキなおばさまっぷりを披露してくれましたが、デューハーストさん自身の癌の病でシリーズを降板。
お別れの話では、マリラが病のために死んでしまい、後を親友リンド夫人に託すというお話でしたが、ご自身も実際に病気だということを踏まえてこの回を見ると、今でも涙が・・・。
彼女は、ドラマ『Murphy Brown』でも、マーフィーの母親エイヴァリー・ブラウン役でゲスト出演していましたが、この役でエミー賞を受賞した数日後、癌の為に逝去されました・・・ご冥福をお祈りします。
今なお、心に残る名作ドラマ。人の心情や思い出に強く訴えかける、このドラマ。
日本では絶対制作されない類のドラマでしょう。
大正・昭和初期の農村の少年少女のドラマなら・・・例えば宮沢賢治の『風の又三郎』のような物語なら・・・なかなか面白いのができると思うのですが。まだ、戦争臭もそんなに強くないだろうし。
ただ、視聴者層は中高年代に限定されそうですが。
ドラマの第一・第二・第三シーズンの中のいくつかの話が小説版として刊行。さらに、いくつかが日本語に翻訳されており、金の星社から単行本が発売。現在では絶版扱いだったような気がしますが、図書館に行くと少年少女向けコーナーに収蔵されていたりして、なつかしい気持ちになることがしばしばあります。
セーラ役を演じた、サラ・ポリーさんを昨年公開されたホラー映画『ドーン・オヴ・ザ・デッド』で観ることができます。主役の看護婦役を演じていました。
「ただのB級映画には出たくなかったの」
と言っていたそうですが、たしかにあの映画はただのB級ではなかったと思います。
エクストラB級でしたから。・・・あの映画は観ない方がよかったですね。