裏の窓の向こうから、神輿の声。
そうか今日は祇園さんの夏祭りか。
午後から座椅子に腰掛けて本を読んでいたのだが、
うとうとしてしまって、神輿の声で目が覚めた。
神輿はあっという間に通り過ぎてしまった。
窓を開ける暇もない。
と思っていたらまた戻ってきた。
「わっしょい、わっしょい!」
夜の縁日には久しぶりに出掛けてみようかと。
朝から湿度70%の蒸し暑い日だったが、今になって
涼しい風も吹きだした。
こういう時間をむさぼっていられることが嬉しい。
窓を開けると、遠ざかっていく神輿の声に変わって
鳥たちや虫の声。
それから氷を浮かべたサイダーを飲む。